以下のような記事を書きました。

 

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アメリカのオバマ政権のここ五年九ヶ月にわたる対外戦略はやはり大失敗だったようだ。そんな総括がその戦略の中枢にいた前閣僚の著書で明らかにされた。

 

 オバマ政権の国防総省と中央情報局(CIA)の両長官を務めたレオン・パネッタ氏の新著『価値ある戦い』である。

十月九日に全米で発売された同書はオバマ大統領の指導力や世界観までを手厳しく批判し、同大統領の任期の残り二年余も「政府と議会の対立の行き詰まり」で統治機能は低下の一途をたどると予測した。

 

 オバマ政権ではすでに第一期のヒラリー・クリントン国務長官、ロバート・ゲーツ国防長官がそれぞれ内幕暴露本を出し、本書と合わせて、外交や軍事の責任者三人が大統領を批判する形となった。

 

パネッタ氏は『価値ある戦い』ではオバマ大統領の朝令暮改、優柔不断、視野閉塞など、実例をあげて辛辣に指摘していた。

 

「オバマ氏は二〇一二年、シリアのアサド政権が化学兵器を使えば、軍事力で介入すると誓約しながら、それを実行せず、アメリカの信頼性を大きく傷つけた」

 

   「オバマ氏は米軍の海外関与削減だけを求めて大統領となったが、(多くの失敗で)重要な教訓を学んだ。アメリカがリーダーシップを発揮しなければ、どの国も代役は果たせず、世界に空白が生まれる」

 

   「オバマ氏はイラクからの米軍完全撤退をクリントン国務長官や私(パネッタ)の反対にもかかわらず断行したために、テロ組織の『イスラム国』の跳梁を許した」

 

「ゲーツ氏もクリントン氏も私もみな祖国の安全保障への深い信念により政府の要職を引き受けたが、オバマ氏のその点での精神については懸念があった」

 

「オバマ氏の最も顕著な弱点は反対勢力とは接触せず、いやなほど黙ったままでいることだ。情熱に欠け、論争を避け、不満だけを述べ、好機を逸することが多かった」

 

よく読めば、オバマ氏の資質から哲学、国家への忠誠までに疑義を呈する激烈な批判である。

 

だがその一方、パネッタ氏はこの書で親密な関係にあるクリントン前国務長官をオバマ外交の失態から切り離して、次回の大統領選挙で有利にすることをも意図したのだという評もある。