前原誠司議員のワシントンでの演説の紹介です。

 

さてこの演説の主眼はどこにあるのか。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40204

国際激流と日本

米国に出向いて演説した民主党・前原氏、
首をかしげる安倍政権批判の中身とは

 

                                  ++++++++++

 『米国政府は、安倍首相の靖国参拝に対して失望したという声明を出したが、共和党政権のときは誰ももそんな誤解をしたり、揚げ足をとることはな かった。むしろ日本側こそが、米国のそんな対応に失望したのだ。いまの米国は、中国に対して正しいことを述べることを恐れている。米国は中国に対しての言 い訳が必要だと考えたために、日本に対し、失望したと述べたのだろう。いまの米国は日本のような重要な同盟国に対して、なぜもっと敬意を表さないのだろう か』

 

 しかし、私はこの人たちには同意しません。この人たちの言葉から私が連想したのはソ連の指導者ゴルバチョフ氏の『外交では友も敵もない。あるのは国家の利害関係だけなのだ』という言葉でした。

 

 同盟は同情的な配慮から成り立っているのではありません。同盟の当事国は相手国の国益を理解し、尊重せねばなりません。日米同盟は日米双方でどんな政党が政権をとっていても、決定的に重要な2国間関係なのです。

 

 もちろん同盟当事国同士の利害がときには衝突するでしょう。しかし最も重要なことは、私たち当事国はそうした内部の衝突はあくまで内部に留め、外 部にはその食い違いを見せないことです。内部ではお互いに激しく議論をぶつけ合うことがあっても、私たちは外部に対しては相互の強い絆を見せておくべきな のです。私たちは日米関係の悪化によってどの国が利益を得るのかを正確に認識しておかねばなりません」

 

 以上が前原氏の演説の奇妙かつ微妙な部分である。

 

 前原氏がここで引用した「安倍首相の主要補佐官の2人」が誰であるかは明らかである。衛藤晟一氏と萩生田光一氏だろう。オバマ政権が安倍晋三首相の靖国神社参拝に「失望」を表明した際、衛藤と萩生田の両氏が反論した事実は日本で広く報道された。

 

 その両氏の発言に対するさらなる批判も、オバマ政権の国務省報道官などから繰り返された。だから前原氏は安倍政権の高官や首相の側近に対して「米 国を批判するな」と告げているわけだ。非難していると言ってもいいだろう。日本側に対米批判があっても公式、公開の場では表明すべきではない、あくまで当 事者同士、政権同士の内部で述べ合うだけに留めるべきだ、という主張である。

(つづく)