オバマ政権の「アジア旋回」には疑問が多くあります。

 

 肝心のアメリカ側当局者がその旋回が幻に終わる見通しをポロリと本音としてもらしてしまったのです。

 

 そのへんの報告です。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40465

国際激流と日本

幻に終わりそうな米国の「アジアへの旋回」戦略中身は迷走し、予算は不足

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 ・空軍による米海軍基地や艦艇の防御の強化

 

 こうした目標を見ると、いかにも米軍が中国軍を相手に戦争を始めるかのようにも思える。だが実態はこうした目標を可能にする措置を取り始める、ということだった。

 

 さらに奇妙なことに、これだけ明確にこの新戦略の対象が中国であることが示されていたのに、オバマ政権全体としては公式に「決して中国を対象や標的としているわけではない」という言明を繰り返すようになった。中国を刺激したくないという外交配慮だった。

中国が自陣営に入っているかのような表現も

 しかも上記のような軍事戦略は実際には履行されないまま、オバマ政権内部では「アジアへの旋回」自体がその軍事要素を薄め、目的を広げ、薄めていくような動きが目立つようになった。

 

 オバマ大統領が再選を果たした直後の2012年11月中旬、同大統領の国家安全保障担当のトム・ドニロン補佐官がワシントンでの政策発表の場で、「アジアへの旋回」について改めて以下のように説明した。

 

・アジアへの旋回も再均衡も、いかなる国をも封じこめる意図を有していない。

 

・同盟諸国との絆の強化(日本との安全保障上の役割、任務、能力の向上、韓国との安保協力の増強、オーストラリアとの合同演習の拡大、フィリピンとの海洋安全保障の協力の強化など)

 

・インドとの安保協力の促進(米国とインドとの戦略対話の拡大など)

 

・アジア・太平洋の地域機構との関与の深化(G20やASEAN〈東南アジア諸国連合〉との連携、中国やインドネシアを含む東アジア首脳会議への関与など)

 

・中国との安定した建設的な関係の追求(北朝鮮、イラン、シリアなどの課題は中国との関わりなしには解決できない。対中関係は協力と競合だが、中国が国際的、あるいは国家としての責任を果たすかどうかがカギとなる)

 

・アジア・太平洋の地域の経済枠組み(貿易や投資の拡大、特にTPP〈環太平洋経済連携協定〉の推進など)

 

(つづく)