オバマ大統領の訪日を間近にしてのオバマ政権の対日政策、対アジア政策への

関心が高まっています。

 

 それら政策の中心は「アジアへの旋回」でしょう。

 

 ところがこの政策には多数の疑問が米側で提起されています。

 

 この「旋回」は言葉だけに終わるだろう、という見方も根強く存在します。

 

 そのへんの報告の最終回です。

 

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40465

国際激流と日本

幻に終わりそうな米国の「アジアへの旋回」戦略 中身は迷走し、予算は不足

 

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 以上だけを読むと、当初の「空・海戦闘」からの大幅な後退に見える。当初は中国の軍事脅威を明白な対象としていたのに、ここでは中国が自陣営に入っているかのような表現もあったからだ。

 

 だからオバマ政権の「アジアへの旋回」は、目的や内容が分かっているようで、よく分からないのである。それでもなおその政策の中核がアジア・太平 洋地域での米国の軍事能力を高めるという具体的な措置であることは変わらない。ただその軍事力増強をどのように進めるかが見えてこないのだ。

マクファーランド次官補がもらした本音

 そうした状況の中、この3月にワシントンで、オバマ政権の国防総省のカトリーナ・マクファーランド次官補(調達担当)が「率直に言って、『アジア への旋回』は実現が難しく、その計画全体がいま見直されている」と発言したのである。安全保障関連の公開の会議での発言だった。現職の国防次官補、しかも 兵器類の調達担当の高官が述べた言葉はなんといっても重い。

 

 マクファーランド次官補は、「国防予算を削減しなければならないため、『アジアへの旋回』の純軍事部分の実行は困難すぎるという意味だ」とも説明 した。この発言は、それでなくとも広がっていたオバマ政権のアジア重視政策の軍事的側面の実効性に対する懐疑を一気に広めたのだった。

 

 同次官補の言葉を文字通りに受け取れば、オバマ政権がこれまでさんざん宣伝してきた「アジアへの旋回」そのものが幻に終わってしまう可能性があるということだ。

 

 国防総省当局はこのマクファーランド発言にあわてて、本人に「補足説明」をさせることになった。マクファーランド次官補は「先の発言は2015年 度の国防予算についてだけの話しであり、『アジアへの旋回』の中長期の展望についてではなかった」と苦しい弁明をする結果となった。だがどう見ても、いま のオバマ政権の国防予算の大幅な削減が、軍事面でのアジア重視策の実行を極めて難しくしているという現実をますます浮かび上がらせることになった。

 

 この発言をめぐる騒ぎで再び浮かんだのは、「アジアへの旋回」という政策が果たして具体的に何を意味するのか、という基本的な疑問だったとも言え る。オバマ大統領は今回のアジア諸国歴訪で、日本のみならず韓国、マレーシア、フィリピンなどの諸国の首脳にも、より具体的な説明を求められることは確実 だろう。

(終わり)