米中関係の新しい動きの報告を続けます。

 

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

bpress.ismedia.jp/articles/-/40799

国際激流と日本

米国議会で日増しに強くなる対中強硬論米中間の「新冷戦」が始まったのか

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 いずれもまるで中国が米国の敵であるかのような語調である。現在の対中非難が、従来の対中強硬派と目される議員たちだけに限らないことは明白だった。

 

 さらに、この公聴会の大きな特徴は、オバマ政権を代表する証言者のダニエル・ラッセル国務次官補も、中国のベトナムの排他的経済水域(EEZ)内 での石油掘削を取り上げ、「一方的、武力的、違法」などと非難したことだった。いまやワシントンの国政の場では、中国に対する姿勢が、民主、共和の党派の 別なく一気に硬化したのである。

オバマ大統領の「対中宥和政策」をはねつける

 この現象はオバマ政権のこれまでの対中政策の軌跡を振り返ると、いかに大きな変化であるかがよく分かる。

 

 オバマ大統領は2009年1月にホワイトハウス入りして以来、中国に対しては、けなげなほどに誠意を込めた対応をしてきた。だが、それから5年半近くが過ぎた2014年5月の現段階では、その誠意はまったく実を結んでいない。それどころか逆の効果をもたらしているのだ。

 

 オバマ政権の対中政策を簡単にまとめれば、乱暴で危険に見える中国の言動を糾弾することはあえてせず、なんとか中国を既存の国際社会に普通の一員 として迎え入れようとすることだったと言える。つまり、既存の国際秩序のよき一員となってもらい、既存のルールを守らせようと努力を重ねてきたのである。 その政策は「対中宥和政策」だとも総括できる。なにやら「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という日本国憲法前文の表現をも思わせるナイーブな 姿勢だった。

 

 オバマ大統領は4月のアジア歴訪では、尖閣諸島には日米安保条約の共同防衛の規定が適用されることを改めて明言するなど、中国の領土拡張への攻勢 に対し、これまでよりは毅然とした対応を示した。しかしその一方、他の歴訪国では必ず中国への気遣いや友好のアピールをくどいほど繰り返した。このあたり はいかにもオバマ大統領らしい立ち居振る舞いだったと言えよう。

(つづく)