安倍首相の施政方針演説についての一考です。

 

なぜかケネディ演説の真髄だった「国」を提起しなかったのか。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39796

国際激流と日本

大事な部分がなぜ抜かされたのか?
安倍首相が引用したケネディ大統領演説

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 しかしその直後に首相が引用したジョン・F・ケネディ大統領の演説にはどうしても奇異な印象を抱いた。その部分の安倍演説をまず見よう。

 

 「(基本的な価値を共有する国々との連帯の)その基軸が日米同盟であることは、言うまでもありません。

 『世界の市民同胞の皆さん、米国があなたのために何をするかを問うのではなく、われわれが人類の自由のために、一緒に何ができるかを問うてほしい』

 昨年着任されたキャロライン・ケネディ米国大使の父、ケネディ元大統領は、就任に当たって、世界にこう呼びかけました。

 半世紀以上を経て、日本は、この呼びかけに応えたい。国際協調主義に基づく積極的平和主義の下、日本は、米国と手を携え、世界の平和と安定のために、より一層積極的な役割を果たしてまいります」

 

 日米同盟を基礎とする日本の対米協力を説くには強力な支えとなるケネディ大統領の言葉の引用だった。だがこの言葉はこれまであまり知られていなかった。ケネディ演説でのこれに似た表現で、もっとずっと有名な言葉といえば、疑いなく以下だった。

 

 「米国民同胞の皆さん、あなたの国があなたのために何ができるかを問わないでほしい。あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい」

 

 ケネディ大統領は実際の演説では、まずこのように米国民に訴える言葉を述べて、その後に続けて、今回、安倍首相が引用した言葉を述べていた。つまり、聴衆にまず求めたのは、米国民としての米国への貢献なのである。

 

 安倍首相の語るままにケネディ演説を考えると、ケネディ大統領がいかにも自国の国民よりも、まず世界各国の市民に対し「人類の自由」のために自主 的な努力をすることを訴えたかのように思える。しかし現実にはケネディ大統領はまず米国人に対して、米国という国家のために何ができるかを問え、と訴えて いた。

(つづく)