朝日新聞の3月14日朝刊におもしろい記事が載りました。小さな記事です。

「独首相の発言の一部否定」という見出しでした。
内容の要旨は以下のようでした。

 ドイツのメルケル首相が日本訪問中に民主党の岡田克也代表と会談した際に岡田氏がメルケル
首相の発言だとして発表した内容には間違いがあったと、ドイツ政府から公式に否定があった。
 岡田氏は「メルケル氏が慰安婦問題を自ら取りあげ、『日韓関係は非常に重要だからきちんと解
決した方がよいのではないか』と述べた」と発表していた。
 だがドイツ政府は「メルケル首相は過去の問題について『日本政府がどうすべきだ』という発言をし
た事実」はないと通告してきた。

朝日新聞のその記事はこんな内容のごく簡単な記述でした。その扱いもきわめて微小でした。
しかしその記事は実は非常に重大な意味を持っています。

民主党の岡田克也氏がメルケル首相が慰安婦問題をわざわざ持ち出していかにも日本政府に対して
その解決を求め、暗に安倍政権のいまの姿勢を批判したかのように発表していたことが裏打ちされた
からです。

メルケル首相が日本の内政に干渉するような発言をしてまで、慰安婦問題で安倍政権を非難
する。そんな印象を与える発表を岡田氏がしていたことになります。しかしドイツ政府は、そうではないと
否定したのです。

だからドイツ政府の通報が正しければ、というより、ドイツ政府はメルケル首相の言動についてまず正確なことを述べる立場にあるはずですから、その発表は正しいでしょうから、岡田氏の発言が不正確だったということになります。不正確というか、故意のウソというか。全体の展開からみると、どうも後者ということになりそうです。

ドイツ政府からの通報はある意味では岡田発言への抗議であり、訂正です。ウソを正したといっても、
見当違いではありません。

しかし一般の読者はこのメルケル発言に関しては不正確な岡田発言だけを知り、後からのドイツ側の訂正
は知らないままにすませてしまうでしょうね。新聞の読み方は難しいということにもなります。あるいは岡田
克也氏の発言には気をつけろ、ということでしょうか。