6月4日午前10時すぎからのNHKテレビの「くらし解説」という番組を偶然みていたら、NHKの政治偏向を
実感させられました。

テーマは安保法制、この課題をノンポリ主婦層にわかりやすく解説するという趣旨の番組でしたが、その趣旨
はもっぱら政府が進めようとする安全保障関連法案への反対をあの手この手で発信するのです。

これだけの大きな政治課題を公共放送が解説するならば、賛否両論をきちんと紹介する義務が放送法などで決められているはずです。しかしこの番組では安保関連法案をけなすばかりでした。しかもきわめて核心をそらしての姑息な反対論なのです。

とにかく大前提が「安倍政権はなぜこんなに急ぐのか」「こんなたくさんの法案が一時に出ると、理解できない」「アメリカの戦争に巻き込まれる」といった反対意見の反映がまずありきでした。

法案を説明する島田敏男解説委員という方が日米同盟を説明するのに「アメリカが米軍を駐留させることができる同盟国」というのにも、口あんぐりでした。アメリカが日本を防衛する責務を負うのが日米同盟の日本にとっての最大の効用です。それをいかにもアメリカの都合のためだけの取り決めのように切って捨てる。

島田氏の解説ではさらに、「アメリカが世界の警察官を止めたから日本に防衛の負担を増大させる」という趣旨も述べていました。「世界の警察官」というのは粗雑な比喩的表現です。オバマ大統領はそんな表現を確かに述べたことはありますが、同盟国の防衛責務や国際秩序の保持責務は捨てていないことは南シナ海での中国との対決をみても明白です。

島田氏のおもしろいことはさらに「安倍政権の集団的自衛権の行使はあくまで限定的だから、そのことをきちんとアメリカに説明しなければならない」と述べた点です。アメリカにきちんと説明していないから、この法案はよくない、という示唆です。本気でそんなことを思っているのか。アメリカが日本の安保関連法案の内容をきちんと知ってはいない、というのですか。

そして決め付けは番組の進行役の女性が「日本はアメリカにばかり接近していると、かえって他の敵をたくさん作ってしまいますね」と述べたことです。日本の安全保障にとってアメリカは唯一の同盟国であり、特別に近い国です。そのきずなによって日本の戦後の平和や安定は守られてきたといえるでしょう。ところがこの女性はあっさりと、アメリカに接近することは危険だというのです。彼女個人の特別な意見なら大いに結構、しかしNHKは公共放送です。そこで事実上の日米同盟反対論を稚拙で乱雑な表現で述べる。いいのですかね。

こんな放送が少なくとも特定の意見に偏りすぎていることは明白だと思いました。