[古森義久]【米大統領選、共和党ブッシュ候補先頭走る】~圧倒的な集金パワー~



古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

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 アメリカ大統領選の共和党側候補ではやはりジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が抜群の集金パワーを発揮して、先頭に立つ形となった。しかもこれまではためらっていたブッシュ家の家名や家族をフルに利用する選挙態勢をも打ち出した。


 ブッシュ氏は7月9,10の両日、主要な選挙資金提供者ら約300人をブッシュ家の有名な海辺の別荘に招いて、これからの予備選へのキャンペーン戦 略を協議した。同時にこの会合でこれまで半年間にブッシュ陣営が合計1億1400万ドルという、この時点での記録破りの巨額の寄付金を集めたことが公表さ れた。この額はこの半年では共和、民主両党の多数の候補の間でも最高額だった。ちなみに二位は民主党のヒラリー・クリントン候補の6900万ドルだった。


同時に注視されたのはジェブ・ブッシュ氏がこれまでは「私は生まれや家族を利用して大統領になるのではない」と宣言していたのに、現実には伝統ある ブッシュ家を総動員する形でこの集会での気勢が上げられたことだった。そもそも集会の舞台がアメリカ北東部メイン州ケネバンクポートという海岸の町にブッ シュ家がもう100年以上も保有する広大な別荘だったことが象徴的だった。


私も1991年7月、この別荘で日米首脳会談が開かれた際に訪れたことがあるが、なにしろアメリカの古きよき伝統とブッシュ家の重く豊かな歴史を感 じさせる圧巻の大邸宅なのだ。大西洋に突き出したウォーカーズ・ポイントという岬全体を占める風光明媚な地の海岸に沿って古い家屋や森や小川が優雅に広が るのだ。


今回の集会ではジェブ氏の父のジョージ・H・W・ブッシュ元大統領と母のバーバラさんが支援者たちを出迎えた。同元大統領はいま91歳だが、なお健 在、文字どおりに「息子をよろしく」というアピールである。ジェブ氏の兄のジョージ・W・ブッシュ前大統領の姿こそなかったが、この舞台設定自体がジェブ 氏の選挙活動には全ブッシュが総力を投入する構えを示していた。この点ではアメリカの国政でのまさに「ブッシュ王朝」の起動なのである。


2016年11月の大統領選挙の本番に向けて、いま名乗りをあげた共和党候補はジェブ氏を含めて16人、まずは共和、民主両党での指名争いが熾烈に始まるわけだが、共和党側では現時点では各種世論調査での支持率でもジェブ・ブッシュ氏が先頭に立っている。