国際激流と日本 中国 米国で怒りが広がる中国政府のウイグル人弾圧
 議会・政府委員会で証人が語った過酷な弾圧の現状

                                            2015.7.29(水) 古森 義久






 久しぶりに会ったラビア・カーディルさんに力強く抱擁された。相変わらず強靭な気力と品のある優雅さを同時に感じさせる女性だった。

  カーディルさんは「世界ウイグル会議」の議長である。彼女は私との数年ぶりの再会を大いに喜んでくれ、私にこう語りかけた。

  「また近いうちに、ぜひ日本を訪問したいと思います。日本のみなさんの支援を期待しています」

 彼女と話をしたのは、7月23日、米国連邦議事堂の一室で「中国に関する議会・政府委員会」が開いた公聴会の合間だった。

 委員会は米国の立法府と行政府が合同で設立しており、公聴会の名称は「習近平の中国での弾圧と支配」であった。  

 公聴会は主に中国での信仰の弾圧に焦点を当て、その弾圧対象となっている新疆ウイグル地区のイスラム教徒、チベットの仏教徒、中国各地のキリスト教徒、気功集団の法輪功信者の4集団の各代表が証人となった。

 カーディルさんは最初に登場し、新疆ウイグル地区での中国当局によるウイグル民族への過酷な弾圧の近況を語った。

        民族抑圧批判の演説で中国政府が激怒  

 私がカーディルさんに初めて会ったのはちょうど10年前の2005年9月だった。ワシントン市内のジョンズホプキンス大学院の講堂で彼女の講演会が催されたときである。
(つづく)