.社会  投稿日:2015/9/14

[古森義久]【安倍首相に対する常識外れの罵りに疑問】~「お前は人間じゃない!」と叫ぶ大学教授~



古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

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「お前は人間じゃない!」


こんな言葉を大勢の人が集まる場で浴びせられたら、あなたはどうするか――


その表現の非常識さにあきれて、言葉を失うかもしれない。だが同時にその表現の粗暴さを逆に非難するかもしれない。いずれにしても、相手を人間ではないなどと断ずる表現は言葉の暴力だといえるだろう。


前述の言葉は実は法政大学教授の山口二郎氏により安倍晋三首相に浴びせられた公開の場での発言だった。


産経新聞の報道などによると、8月30日、国会周辺での安保法制関連法案反対の集会での演説だった。


安保法制法案への反対のなかでは、映画監督の宮崎駿氏も安倍首相を「愚劣」と断じた。


専修大学教授の広渡清吾氏も「バカか、嘘つきか」と述べた。


こ の反対運動での学生団体「SEALDs(シールズ)」代表の奥田愛基氏は安倍首相の名をあげて「バカか、お前は」と述べたという。


いずれもニュースメディ アの報道に記録された発言である。これらはいずれも常識の範囲を超えたののしりだといえよう。


簡単にいえば、悪口雑言、最近の流行の用語を使えば、「ヘイ ト・スピーチ(憎悪表現)」である。


いよいよ大詰めを迎えた国会での安保法制関連法案の審議は国民の間でも当然、大きな論議の輪を広げる。

反対側ではとくに国会の付近に多数の人数を集め、連日のように気勢をあげる。そうしたなかでの反対派の代表たちが安倍首相個人へのこんな乱暴なののしりを発するのだ。


こうした言葉はどうみても市民社会の発言としては理性も礼儀をも失った表現として響く。とくに平和や生命の大切さを説くはずの陣営の言葉としては自己否定とも受け取れる。


そんな言葉の暴力について中国出身の評論家の石平氏が産経新聞への寄稿で「日本の『リベラル』すでに死んだ」という一文を書いていた。


1989年の 天安門事件に象徴される中国での民主化運動にも加わった石平氏は「私たちは中国共産党の独裁者たちに対しても『お前は人間じゃない』などという乱暴な言葉 を吐いたことはない」と強調する。そのうえで「こんな言葉の暴力を容認する日本のリベラル派はすでに死んだのか」と疑問を呈するのだ。


意見の異なる相手への言葉の激しさ、鋭さ、険しさ、言論の自由はあっても誹謗の自由というのはないだろう。