ますますエスカレートする中国の人権弾圧

米国議会の政策諮問機関が年次報告書で徹底非難

2016.10.19(水) 古森 義久
チベット仏教寺院の日常風景、中国・雲南省

中国・雲南省迪慶チベット族自治州香格里拉(シャングリラ)県のソンツェリン寺。中国政府はチベット人への弾圧を強化している(資料写真)。(c)AFP/JOHANNES EISELE〔AFPBB News



 2016年、中国共産党と中国政府は平和的な言論、宗教的な活動、結社の動きなどをこれまでよりもさらに苛酷に弾圧し、人権活動家や弁護士、さらには市民社会全体に制裁を与え、インターネットの徹底的な統制と報道の検閲を続けた。こうした中国当局の行動は、人権保護の国際基準と中国の国内法自体に違反しており、中国国民と米国の利益も傷つける――。

 米国の議会と政府が一体となった機関から、中国当局の人権弾圧を徹底的に非難する声明が公表された。

中国共産党の人権弾圧の5つの特徴

 現在、米国の国政は大統領選挙を前に激しく揺れているようにみえる。オバマ政権も末期を迎えて、すっかり機能を低下させた観がある。だが、その中でも米国の一部の国政メカニズムは堅固に機能し続けている。政局の喧騒に惑わされず、国政がしっかりと継続的に課題に取り組んでいる点はさすが超大国と思わせられる。


 その国政メカニズムとは、「中国に関する議会・政府委員会」の活動である。この委員会は、2000年に特別立法で設置された。立法府、行政府両方の代表で構成され、中国の人権状況を精査して米国の対中政策に反映させることを任務としている。(つづく)

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