天皇陛下発言の政治的利用を許してはならない

独善的な解釈を堂々と掲載する朝日新聞

2016.11.2(水) 古森 義久
天皇、皇后両陛下パラオに到着 戦没者を慰霊へ

2015年4月にパラオに向けて出発される天皇、皇后両陛下(資料写真)(c)AFP/Toru YAMANAKA〔AFPBB News


 天皇陛下の「生前退位」をめぐる議論が波紋を広げている。

 この議論において、国民も政治家も絶対に避けるべきなのは、天皇陛下の発言を政治的に利用することだ。ご発言の「真意」なるものを自分の政治的な主張に都合のよいように曲解し、「天皇陛下は実はこう思われているのだ」と断じる政治操作である。


 なぜなら、天皇陛下ご自身が日本の政治には直接関与せず、あくまで中立の立場を保たれることが絶対に守られなければならない鉄則だからだ。


 日本国憲法第1章「天皇」の第4条は、天皇陛下は「国政に関する機能を有しない」と明記している。天皇は憲法の交付や国会の召集などの国事行為を委ねられていても、それらの行為はすべて「内閣の助言と承認」に基づき、「国民の総意」が大前提とされる。天皇はあくまでも内閣や国民が決めたことの儀礼的な手続きの実施にあたるだけである。つまりは、政治の実権には関わらない「象徴」なのである。


だから今回の「生前退位」も、天皇陛下は単に自らの退位を求められただけであり、その背景に政治的な意図や意思があるはずがない。あってはならないのだ。

(つづく)

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