2007年04月

 元大本営参謀、戦後は明治薬科大学理事長などを務めた高橋正二氏の報告の紹介を続けます。
以下、高橋氏の講演録からのレポートです。


ここにいわゆる「従軍慰安婦」の仕掛け人および支援者の名前を掲げますが、とうてい全部を網羅することはできませんので、その一例を拾いあげてみます。

青柳敦子(「朝鮮と朝鮮人に公式陳謝を」事務局長、大分県医師夫人。韓国に赴き、寝た子を呼び起こすように、現地の慰問婦と称する人を探し、日本政府に対する訴訟を呼びかけ、発起人には各10万円を、なお日本国では400万円の訴訟金を準備している、とけしかける)

高木健一(弁護士 「従軍慰安婦」訴訟弁護団長)

臼杵敬子(「従軍慰安婦」問題は国家犯罪。「日本の戦争責任をハッキリさせる会」を主催)

戸塚悦郎(弁護士、平成2年2月、国連人権委員会でこの問題を提言)

吉田清治(「従軍慰安婦」強制連行報道の仕掛け人。元山口県労務報国会、下関支部動員部長。済州島で部下とともに200数十人の婦女子を強制連行したとする記事を発表(「私の戦争犯罪」)これは嘘の記事であることを千葉大の秦郁彦教授の現地取材で暴露されている)

本田昭次、清水澄子(ともに社会党参院議員。昭和58年8月、スイスのジュネーブの国連人権委員会に出席し、「従軍慰安婦」問題を提訴)

カトリック教会、日本キリスト教会(白瀬誠一枢機卿、清水範子修道女ら多数)

日本弁護士連合会(会長・土屋公献)平成8年2月7日付声明文「日弁連はこの報告書(クマラスワミ報告書)が国連人権委員会で採決されることを強く望む。日本政府がその実行を逡巡することなく着手することが、国際社会の中で日本が名誉ある地位と評価を得る最後の機会ーー」
私(高橋)の友人の弁護士に聞いてみたが、「そんな声明文は私たちの知らない間に出された」と云っていました。

以上のごとき根元は平成3年12月6日、「アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件」が提訴されるや、平成4年1月17日、宮沢喜一総理(当時)が盧泰愚大統領に反省とお詫びを言上し、さらに平成5年8月4日、河野洋平官房長官(当時)が、政府調査の結果として、ありもしない「従軍」「強制連行」があたかもあったかのごとき談話を発表したことが問題の根元をなしているのです。まさに国賊的言動というべきであります。

以上が引用です。
まだ続きます。(次回の記載で)

 慰安婦問題についての貴重な証言を受け取りました。陸士、陸大卒、歩兵連隊中隊長、南方総軍参謀、大本営参謀などを歴任した高橋正二氏の発言です。戦後は明治薬科大学理事長などを務めた高橋氏は93歳ですが、健在で、つい数日前にも世田谷郷土大学で一時間以上の講演をされています。
 その高橋氏から「いわゆる従軍慰安婦について」というレポートを共通の知人を介して拝受しました。高橋氏ご本人がその内容を私のブログで紹介してもよいと言われたので、その要点を以下に記します。

 「戦争間、従軍記者、従軍報道班、従軍作家、従軍看護婦等は存在しましたが、いわゆる『従軍慰安婦』なるものは絶対にありませんでした。ましてや『強制連行』云々は絶無であったことを強調しておきます。
 いわゆる『従軍慰安婦』なる造語も戦後、出現したものであり、戦時中、現地に『慰安婦』が存在したことは事実であります。その理由は現地住民を犯さないこと、性病を防ぐこと、それに防諜の立場からであり、いわゆる慰安婦は公娼制度の延長線であり、それぞれ民間人との契約によるものでありました。
 平時において、これらの事柄は警察が取り締っておりましたが、戦時中の現地においては軍が前述の理由で取り締り、かつ慰安婦を保護していたのであります」
(以下、つづく)

 なお高橋氏のこのレポートは以前の氏自身の講演記録から要点を拾い上げたものだそうです。そのへんの事情を高橋氏は以下のように説明し、提言を加えています。

 「平成十九年二月十五日、米下院の小委員会が元慰安婦女性の公聴会に踏み切り、目下、日、米、いな全世界の問題視するところとなってきた。ここで私は黙視できず、おこがましくも過去の講演要旨を引っ張り出し、真相を皆様に訴えたいと思います。
 そこで私は次のことを提言したい。
 一、問題の根源を為し、まさに国賊的言動を今日でも言い続けている張本人 河野洋平氏(現衆議院議長)を即時、罷免すべし。
 二、同類外国軍による(売春買春の)例を全世界に公表せられよ。日本糾弾決議案を推進している日系三世マイク・ホンダ下院議員(中国系の支援甚大)にとくに説得すべし。

 ひとまず以上を報告します。
 残りは回を改めます。

ホンダ議員がアメリカ議会下院に出している慰安婦問題での日本糾弾決議案の背景について、月刊雑誌「文藝春秋」五月号にかなり長い論文を書きました。
「『慰安婦決議』ホンダ議員の策謀」というタイトルです。
副題は「米高級紙までが非難、安倍包囲網の背後にうごめく勢力」となっています。

ではその文藝春秋の論文の冒頭を以下に紹介します。



日本とアメリカとの間でいわゆる「従軍慰安婦」の問題がすっかり波紋を広げてしまった。安倍晋三首相の訪米にも微妙な影を投げかねない状況ともなった。

しかし六十年以上も前の出来事のためにアメリカの議会やマスコミの一部がとげとげしい非難をいまの日本に浴びせ、日本の政府はその非難を「事実に反する」として反撃するというのも、考えてみれば、なんとも奇妙な話である。

アメリカ側は「慰安婦」という戦争中の遠い過去の出来事を理由に、あたかも現在の日本が国をあげて理不尽な人身売買でもしているかのように、政府や国民を攻撃する。現実にはいまの日本とアメリカの間には重大な対立案件などなにもないのに、である。日本が最近になって「慰安婦」問題に関してみずから進んで、なにか新たな言動をとったという事実も、とくにない。であるのに突然、まさに晴天の霹靂のごとく、アメリカ議会から斬りつけられるような攻撃を受けたようにみえる。これはいったいなぜなのか。

日本軍のための慰安婦が存在したことは事実である。売春が当時、合法だったとか、日本の軍や政府が女性たちを強制徴用はしていないと主張する前に、そうしたセックスの供与が痛ましく遺憾な事態だと認めるべきなのは現代の価値基準からすれば自然であろう。その点では現在の日本国民の大多数もその女性たちへの同情は当然、感じるはずだ。

しかしアメリカという存在は歴史的にはどの角度からもこの日本軍の慰安婦問題には直接からんでこない。いまのアメリカの国家でも社会でも、別にこの問題での被害者や当事者が現存するわけではなく、外交、内政どこを眺めても、アメリカ自体にこの案件をいま提起せねばならない必要性も事情もまるでみあたらない。

にもかかわらず、いまアメリカの立法府が「慰安婦問題」で正面から日本を糾弾してくるのだ。しかも日米両国間では経済摩擦は消えて、同盟そのものなど安全保障関係はこれまでで最高とされるこの時期に、である。この奇異な現象はなぜなのか。







アメリカの議会調査局が日本の慰安婦問題についての調査報告書を作成していますが、その報告書の骨子を昨年分と今年分、産経新聞で報道しました。
昨年分から今年分にかけては内容にかなりの変更や修正があります。
また今年分では私は「日本軍の組織的な強制徴用はない」という見解に焦点をしぼって報じましたが、韓国の新聞などは一部の強制徴用とみられるケースの存在を拡大して報じたようです。
以下に産経新聞掲載の2本の記事を紹介します。


慰安婦決議案 報告書に「吉田証言」 米下院「根拠」は虚構

 【ワシントン=古森義久】米国議会下院が慰安婦問題で日本を糾弾する決議案を審議する際に資料とした同議会調査局の報告書に「日本軍による女性の強制徴用」の有力根拠として「吉田清治証言」が明記されていたことが12日、判明した。同証言は「昭和18年、日本の軍隊が韓国の済州島で女性200人以上を慰安婦として強制連行した」という趣旨だが、その後、虚構だったことが立証されており、米国議会はこの虚構をもとに慰安婦決議案を審議してきたことにもなる。

 問題の報告書は今回、4月3日付で作成された報告書の前の版で、「日本軍の『慰安婦』」と題され、2006年4月10日付、11ページから成る。同報告書は慰安婦についてまず「徴用あるいは欺瞞(ぎまん)によってシステムに入れられた女性たち」と記して強制徴用を示唆した上で、初めの「慰安婦システムの説明」という部分で「強制」の根拠をあげている。その冒頭で同報告書は「早期の詳細の暴露は『私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行』という本を1983年に書いた元日本軍憲兵の吉田清治氏によってなされた。吉田氏は同書で日本軍への性のサービスを提供する『慰安婦』として韓国内で合計1000人以上を強制徴用することに自ら加わったことを描写している」と明記している。

 つまりこの記述は吉田氏が日本軍の一員として自ら韓国人女性の強制徴用に参加したことを認めた貴重な証言として提示されているわけだ。

 吉田氏は同書の中で自分が済州島で日本軍兵士とともに地元の若い女性たち数百人を「慰安婦狩り」として無理やりに連行したという体験を述べていた。この「吉田証言」は朝日新聞などによっても大きく報道されたが、その後、歴史家の秦郁彦氏らの調査などで虚構だったことが立証された。

 しかし米国の議員用に法案や決議案の背景などを説明する資料を供する議会調査局では「吉田証言」を事実として扱い、慰安婦決議案の指針として議員たちに提供した。「吉田証言」はこの3日に作成された改訂版の慰安婦問題報告書では削除されているが、実際の決議案が1月末に提出され、2月15日にその審議のための公聴会が開催されるというプロセスでは議員たちはみなこの「吉田証言」を中心にすえた報告書を参考資料として使ってきたことになる。



「組織的強制徴用なし」 慰安婦問題 米議会調査局が報告書 

  【ワシントン=古森義久】米国議会調査局は日本の慰安婦問題に関する決議案に関連して議員向けの調査報告書をこのほど作成した。同報告書は安倍晋三首相の一連の言明を「矛盾」と批判しながらも、焦点の「軍による女性の強制徴用」については軍や政府が全体としてそうした政策をとってはいなかったことを認める見解を明らかにした。同報告書はさらに決議案の日本側へのこれ以上の謝罪要求に懐疑を示し、賠償を求めれば、日本側から原爆の被害者への賠償請求が起きかねないという懸念をも表明した。

 議会調査局の専門家により3日付で作成された「日本軍の『慰安婦』システム」と題する同報告書は議員の審議用資料で23ページから成る。

 いわゆる慰安婦問題の主要争点とされる「日本軍による女性の強制徴用」について同報告書は「日本軍はおそらくほとんどの徴募を直接に実行はしなかっただろう。とくに朝鮮半島ではそうだった」と述べ、いま下院に提出されている慰安婦問題での日本糾弾の決議案が「日本軍による20万人女性の性の奴隷化」という表現で非難する日本軍による組織的、政策的な強制徴用はなかったという趣旨の見解を示した。

 しかし同報告書は安倍首相らの強制徴用否定の言明について(1)慰安婦システムの一部分である「徴募」だけの否定の強調は軍が大きな役割を果たした慰安所の設置や運営、慰安婦の輸送、管理などを矮小(わいしょう)化する(2)一部の言明は徴用にはいかなる軍の強制もなかったと受け取られ、日本政府自身の調査をも含む元慰安婦らの証言に矛盾する-と批判し、「強制性」の最大の論拠としては2002年に米英両国で出版された「日本の慰安婦」(田中ユキ著)という英文の書を挙げた。

 同報告書はその一方、日本政府が慰安婦問題に対して1990年代前半から「アジア女性基金」の設立などで謝罪や賠償の努力を重ねてきたことを詳述し、「同基金は元慰安婦たちに償い、助けるための日本政府の真実の努力だ」して、女性たちによるその基金からの賠償金の受け取りを韓国政府が事実上の脅しにより阻んだとして非難した。同報告書はとくに賠償について政府間ではすでに対日講和条約や日韓関係正常化で解決ずみとの見解を示し、もし諸外国が日本にいま公式の賠償を求めれば、「日本側は戦争中の東京大空襲の死者8万人や原爆投下の被害への賠償を求めてくる潜在性もある」とも指摘した。

 下院決議案は日本の首相や政府に改めて謝罪の表明を求めているが、同報告書は河野談話や歴代首相の「アジア女性基金」賠償受け取りの女性への謝罪の重要性を強調し、「それでも不十分だとする批判者たちはなぜ不十分なのか理由を明示していない」として、謝罪要求への懐疑を明確にした。同決議案はさらに米側の一部が「日本の国会での謝罪決議」を求めることに対しても、「そうした決議が成立する見通しはきわめて低い」として、この種の要求の非現実性を指摘する形となった。

遅まきながら慰安婦決議案論議に関しての重要な展開を報告したいと思います。
それは米国上院の民主党長老ダニエル・イノウエ議員がこの決議案への明確な反対を表明したことです。当面、この決議案を審議している下院外交委員会のトム・ラントス委員長あてに書簡を送り、もうこの決議案を本会議に送るなと要請したのです。
イノウエ議員といえば、私もその活動はこの30年来、みてきましたが、日米貿易摩擦などでは日本の政策を厳しく非難してきました。日系人であるからといって、決して日本側に理解や同情を安易に示す政治家ではなかった実績があります。
このイノウエ議員の反対はその後の慰安婦問題論議で重要な新要素として提起されることがまだ少ないので、あえてここで再提起する次第です。

そのイノウエ議員の今回の書簡の最重要部分を以下に原文のまま紹介しましょう。

-----I sincerely feel that House Resolution 121 is unnecessary and it may adversely impact our relationship with Japan.  Since the signing of the San Francisco Peace Treaty in 1951, Japan has served as a strong ally and trading partner to the United States.  I
am certain that you are aware the Japanese also sent members of their military to assist our nation in the war in Iraq.

イノウエ書簡全体については産経新聞のワシントン特派員有元隆志記者が4月1日付で報道しました。以下にその記事を紹介します。


慰安婦決議案 米上院議員が反対書簡 「日本との関係に悪影響」
2007年04月01日 産経新聞 東京朝刊 総合・内政面

 【ワシントン=有元隆志】米民主党の日系米国人、ダニエル・イノウエ上院議員(ハワイ州選出)が下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難決議案について「不必要なだけではなく、日本との関係に悪影響を及ぼす」として採択しないよう求める書簡をトム・ラントス下院外交委員長(民主党)らに送っていたことが30日、明らかになった。

 上院議員が下院の決議案に異論を唱えるのは異例。決議案は同じく日系米国人のマイク・ホンダ議員(民主党)によって提案されているが、民主党の大ベテラン議員でもあるイノウエ議員の反対表明は、決議案の行方にも影響を与えそうだ。

 書簡は3月5日付で、ラントス委員長をはじめ、この問題に関係する議員に送られた。

 書簡の中で、イノウエ議員は「決議案によって取り上げられた事柄は日本政府にとってつらく微妙な問題だ」と指摘した上で、植民地支配や侵略でアジア諸国の人々に損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省」を表した「村山談話」(1995年)、国会での「戦後50年決議」(95年)や「戦後60年決議」(2005年)を通じ、日本は反省の念を十分に表しているとの認識を示した。

 慰安婦問題についても、財団法人「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を通じて「金銭的な償い」をしたと記している。

 日米関係について「サンフランシスコ平和条約以来、日本は米国にとって強固な同盟国であり貿易相手となっている」とした上で、イラク自衛隊派遣など日本の対米協力を挙げ、決議案が日米関係に悪影響を与えるとの懸念を示した。

 イノウエ議員はかつて日米貿易摩擦などで日本を非難することもあったが、最近は日米の議員交流に力を入れている。それだけに日系米国人のホンダ議員が決議案の旗振り役になっていることを「憂慮していた」(日米関係筋)という。

 決議案は日本政府に対し、「若い女性たちを性的奴隷にしたことを公式に認め、歴史的責任を受け入れるべきだ」として首相による公式謝罪を求めている。 

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