2007年06月

日本国憲法を起草したチャールズ・ケイディス氏のインタビュー記録の紹介を続けます。
第9条を書いたケイディス氏は最初の草案のままでは、日本は自国の防衛さえもできなくなってしまうと懸念し、「芦田修正」を挿入することを認めた、というのです。
「芦田修正」とは、第9条の1項の後、2項の冒頭に「前項の目的を達するため」という文句を入れたことを指します。
この結果、日本はかろうじて、自国を守るための自衛の武力行使だけはできるようになった、とされています。
こんな点がまでが一大佐の一存にゆだねられていたというのです。
同時にケイディス氏は当時、「交戦権」という言葉が実際になにを意味するのか、知らなかった、と告白しています。

そうです。日本の憲法はこんな荒っぽい方法で作られたのです。


ケイディス会見(6)

 

古森 一九二八年にパリで調印された国際条約に、パリ不戦条約(ケロッグ・ブリアン条約)というのがあります。ご存知のように世界各国が戦争放棄の原則を申し合わせたもので、日本も署名国となっています。このパリ不戦条約の内容が、あなたが日本憲法を起草するプロセスでなんらかの役割を果たしたでしょうか。とくに戦争放棄をうたった第九条を書く上で、影響を与えたでしょうか。

 

ケイディス はい。ある意味では影響があったといえます。なぜならケロッグ・ブリアン条約は、私自身に極めて強い印象を残していたからです。私が戦争放棄の第九条起草について“この条項は私がやりましょう”とかって出た理由のひとつは、パリ不戦条約の中にうたわれていることを思い出してそれを生かせるだろうと考えたからなのです。パリ条約

ができた時、私は法律学校にいましたが、これは世界の歴史の一大転換点になるだろうと感じたものです。そして条約の内容をすっかり暗記までしたのです。もちろんそれは一九二八年のことで、日本にいたころよりずっと昔のことです。だから憲法起草当時、パリ条約の内容を細かにはもう覚えていなかったかも知れない。でもそれを思い出してみようとは考えていました。だからその意味でパリ不戦条約が日本憲法第九条起草になんらかの役割を果たしていた、とはいえるわけです。

 

古森 そのパリ不戦条約に、自衛権に関してアメリカが留保条件をつけたことは、覚えていらっしゃいますか。その留保とは、“この条約はいかなる形においても自衛権を制限し、または毀損するなにものをも含まない。この権利はすべての主権国家に固有であり、すべての国際条約に暗黙に含まれている”-――という内容です。これをアメリカが後から留保としてつけたのですが。

 

ケイディス それは非常におもしろいですね。なぜならアメリカのそういう留保条件について私が聞くのはこれが初めてだと思うからです。しかし私が“自国の安全を保つための手段としての戦争も放棄する”という部分を削除する時、もしかするとこのアメリカの留保条件に起源を発して、私の頭に影響を与えていたのかも知れません。古森さん、あなたはそのアメリカの留保条件というのを原文どおり引用しているのですか。

 

古森 はい。

 

ケイディス すでに述べたようにすべての国は固有の諸権利を持っています。日本にも当然この固有の自衛権はあると考え、その旨をホイットニー将軍に伝えたわけです。しかしアメリカが同じ趣旨の留保条件をパリ不戦条約につけていたということは、ひょっとすると私自身、ずっと以前にそれを聞いていて、一九四六年にも無意識に頭の片隅にあって、それが表面に出てきたのかも知れません。

 

古森 それが表面に出てきたというわけですか。しかしケロッグ・ブリアン条約は日本の憲法九条にある“交戦権”とか、“陸海空軍はこれを保持しない”といった部分に関連するような規定は、なにも含んでいませんね。

 

ケイディス そうですね。

 

古森 私の資料では、マッカーサー・ノートは“日本が陸海空軍を維持する機能は将来許可されることはなく、日本軍に交戦権が与えられることもない”と記してあったことになっています。

 

ケイディス ああそうですか。“その他の戦力”というのは、私が挿入したのです。それから最後の“交戦権”ですが、これは実のところ日本側がその削除を提案するよう、私はずっと望んでいたのです。なぜなら“交戦権”というのが一体、何を意味するのか私にはわからなかったからです。いまもってよくわかりません。(笑い)

 

古森 それならなぜそんなものを書きいれたのですか。

 

ケイディス 黄色い紙(マッカーサー・ノート)に書かれていたから、そのまま憲法草案に書きこんだのでしょう。交戦者あるいは交戦国が持つ権利が“交戦権”なのでしょうが、私は国際法学者ではないので、これが実際になにを意味するのか、いまもってはっきりとはわかりません。だから当時でも、もし日本政府がこの部分を削除するように求めてきたら、私は“その削除には反対しません”と言ってすぐに修正を認めたでしょう。ちょうど芦田修正を受け入れたのと同様に対応したのです。

 

古森 ああそうですか。

 

ケイディス 憲法草案の、たとえば“交戦権”否定のような部分を削除したり、修正するのに、私はホイットニー将軍や、マッカーサー元帥におうかがいをいちいちたてる必要は、まったくなかったのです。私は元帥から、日本側の修正提案が憲法草案の基礎的、基本的な原則に違反しない限りは、私が日本側に、“(その修正には)反対はありません”と言ってよい、という指令を受けていたのです。私の段階で修正や削除を認めてもよいという一貫した命令を受け、そういう権限を与えられていました。後に芦田氏が修正案を示した時も、私は彼に“上官の承認を得なくてもよいのか”と尋ねたものです。私はその修正案を読んで、了解したので、“反対はありません”と即座に答えました。

 

古森 憲法第九条の、“戦力と武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する”という第一項の後、第二項の冒頭に“前項の目的を達するため”という一節を挿入した、あの芦田修正ですね(その結果、第二項は、「国際紛争を解決する手段としての戦力を放棄するという目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という意味になり、“固有の自衛権”にもとづく自衛隊保持の根拠が生まれてきた、とされている)。

 

ケイディス そうです。芦田氏に私は、“この修正に反対はありません”と告げたら、彼はホイットニー、あるいはマッカーサーという私の上官にまず協議しなくてよいのか、と尋ねました。私は、“その必要はありません。憲法の基本的な原則に違反しない修正や削除なら、すべて受け入れて構わない、という許可の命令を私は受けているのです”と答えました。芦田氏はその修正案によって二つのことを果たそうと意図していたようです。第一には、日本がもし国連に加盟したあかつきには国連の平和維持軍に日本も参加、貢献できることを可能にしておこう、と考えていた。第二には、芦田氏がその修正で、日本はなお自国防衛の権利は有しているのだということを明確にしておこうとした、と私は思いました。とくにこの自衛権については、私もそう言われなくても日本に固有の自衛権があることは当然と考えていました。だからすぐにその修正には反対はない、と答えたのです。芦田氏は私が上官に相談しないでOKを出すことに、とても驚いていました。

 しかし事後に私はホイットニー将軍にその旨の話をしました。と、将軍は“芦田氏は一体、なにをしようとしているのか?”とただしました。私はそれにいまあなたに説明したことをもって答えたのです。この修正が基本的な原則を破るとは、そうみても考えられない、と説明しました。ホイットニー将軍はそれに同意して、事態は落着したのです。

  (つづく)

慰安婦問題で明らかにアメリカ議会の日本糾弾決議を支援する朝日新聞がその政治目的に沿ったプロパガンダ的報道をして、その内容をワシントンの日本糾弾派がアメリカの議会やマスコミに向けて喧伝するーーそんな日米連携の安倍叩きメカニズムをおみせしましょう。

朝日新聞6月6日朝刊の第4面に小さな囲み記事が載りました。
見出しは
「『慰安婦なんか問題にならない』 首相ブレーン・岡崎氏」
「20世紀は人権侵害の時代」
となっています。

本文は次のとおりでした。

「安倍首相の外交ブレーンの岡崎久彦・元駐タイ大使は5日、東京都内で講演し、『20世紀は中国では何千万殺している。(旧ソ連の)スターリンの粛清も何百万、米国も原爆やドレスデン(空爆)をやっている。日本の慰安婦なんか問題にならない』と語った。首相が4月の訪米時に『20世紀は人権があらゆる地域で侵害された時代』として慰安婦問題での日本の責任に言及した背景を解説したものだ。
 岡崎氏は、首相が訪米前に米メディアのインタビューを受けた後、『この文言(=『20世紀は人権侵害の時代』)を全部使いなさい』と助言したことを明らかにした。さらに『供給が十分な場合に強制は必要ない。どのくらいの報酬で募集して供給が十分だったという資料がそろっているといいが、おカネをためて自分のキーセンハウス(韓国の売春施設)を開いたやつが報告するはずもない』と、慰安婦の強制性の調査にも疑問を示した」

以上が朝日の記事です。
まあ、この時期に岡崎氏がおそらく頻繁に述べているようなことをあえて、講演会での言葉まで引き出して報道することの意図のせんさくは後回しにしましょう。

おもしろいことは、このニュース性などほとんどない朝日の記事が即座にワシントンの民主党系活動家のニュースレターに英語で転載され、いかにも大きな出来事のように、流された事実です。
このニュースレターは日米関係を主体とする出来事、情報をクリス・ネルソンという人物が書き、有料で配布している「ネルソン・レポート」(The Nelson Report)です。
このレポートの6月6日版は「日本 慰安婦」という項目で岡崎発言を揶揄する感じで紹介しています。

朝日新聞の記事が出たのは6日の朝、ネルソン・レポートがその英訳を流したのは日本時間の7日の未明、なかなかのスピードです。

このネルソン氏は私ももう30年近く知っている元ジャーナリスト、元議会スタッフです。ワシントンでの活動は長く、とくに日米関係やアジア情勢に対する米側の事情に詳しい敏腕オブザーバーでもあります。個人的にはいつも早口で、ユーモア混じりの楽しい会話の魅力的な人物です。
しかし政治的にははっきりと民主党リベラル派を宣言しており、反ブッシュ、そのブッシュ政権と親密な日本の安倍政権など「普通の国」派にはきわめて批判的です。とくに歴史関連の慰安婦、元米人捕虜、さらには靖国参拝などの課題では、朝日新聞と同じような左傾スタンスを鮮明にし、安倍政権叩きでは一貫したスタンスをとっています。

そのネルソン・レポートが具体的に岡崎発言をどう紹介しているのか、同レポートの著作権の問題もあるようですから、
具体的には書きませんが、きわめて批判的、揶揄的、けしからん調なのです。
たとえばーー
「岡崎氏が無視しているようにみえるのは、温家宝・中国首相の『日本は歴史に正直に直面し、戦時の悪事についてなお謝罪する必要がある』という教示である」

なんていう調子なのです。
そしてこのレポートの主眼は明らかに、この岡崎発言を安倍首相の思考として、アメリカ議会に広範に流すという意図です。
だから結びは以下のようになっています。
「ホンダ議員の決議案はいま約130人の共同提案者を得るにいたった。そして岡崎氏のささやかな応援発言はアメリカ議会にいまや広範に広められているのだ」

実際にはこのレポートによって岡崎発言をアメリカ議員たちに知らせるという意図でしょうね。「安倍は慰安婦問題でまったく謝罪も反省もしていないのだ!」というメッセージを広めたいという姿勢が露骨です。そしてその背後にあるのは、もちろんホンダ決議案をなんとか通したいという願望です。
この点はそもそもの朝日新聞の記事の意図と共通しているように思えます。

日米左傾パートナーの連携とでもいいましょうか。
朝日新聞のエージェントふうの機関紙がワシントンでこのように機能するという一つのケーススタディーでもあります。

しかし日米双方でホンダ慰安婦決議案を採択させたい勢力がこうしていま活発にプロパガンダ的行動にエンジンをかけているのは、かんじんの決議案が少なくとも彼らの予測よりは採択に向けて前進していない、ということを意味するのかもしれません。

日本の憲法を起草したアメリカ占領軍GHQのチャールズ・ケイディス大佐のインタビュー記録紹介を続けます。
憲法第9条はマッカーサー元帥、ホイットニー准将から降りてきた「黄色い紙」にその基本指針が書かれていた、というのです。
第9条はまるでマジックのように生み出されたようです。

 

 

古森 はい、もう少し後で質問するつもりです。それはひとまずおいて、憲法第九条の第二項ですが、ここでは“交戦権”とか“陸海空軍その他の戦力”について述べられています。これらはマッカーサー・ノートにもはっきり書かれていたのですか。あなたがホイットニー准将から受けとった黄色い紙のノートですが。

 

ケイディス そういう表現の言葉ですか・・・・・・

 

古森 はい。字句どおり読んでいるのですが。

 

ケイディス (マッカーサー・ノートとの関連では)ちょっとすぐには思い出せませんが・・・・・・

 

古森 “陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない”となっています。

 

ケイディス ああ、それは憲法そのものですね。

 

古森 そうです。この“その他の戦力はこれを保持しない”という部分ですが、これも黄色い紙のマッカーサー・ノートに書かれてあったのですか。

 

ケイディス いや、なかったと思います。その部分は私自身の発案で挿入したものだと思います。

 

古森 憲法第九条の第三番目の文章“国の交戦権はこれを認めない”という、この部分はどうでしょう。

 

ケイディス 黄色い紙に書かれてあったかどうか・・・・・・いますぐにはおもいだせませんが、しかしその黄色い紙(マッカーサー・ノート)はたしか「日本の政治再指導」(GHQ民政局の作った公式文書)の中に再録されているはずだから、それを見ればわかるのですが、いま私の手元にはないのでちょっとわかりません。“交戦権”という表現がその中にあったかどうか。

 

古森 しかし“陸海空軍”・・・・・・という記述については、おぼえていらっしゃるでしょう。

 

ケイディス それが黄色い紙に書かれてあったかどうか・・・・・・とにかく記録に残っているその紙の内容を、もう一度見るのが最善の方法ですね。

 

古森 ところで一九四六年二月はじめから三月まで、ちょうど憲法が起草された時期のアメリカ政府の秘書文書は、これだけ年数がたっても、なお解禁となっていない部分があるとも聞きます。とくにSWNCC文書など憲法づくりに関係ある文書がそうだそうですが。そういったことを聞いたことがありますか。

 

ケイディス いいえ。アメリカ政府は三十年たてば原則としてすべての秘密文書を公表するというルールがある、というふうに了解しています。だからその時期の文書ももうみな解禁となっているのではないでしょうか。それ以上に確実なことは、私にはわかりません。

 

古森 一九四六年一月の、マッカーサー元帥と幣原首相との会話についてですが、そこで幣原氏が“日本が戦力を持たない”、あるいは“日本が戦争を放棄する”と言ったとされているのは、実は“世界中が戦力を持たない”あるいは“全世界が戦争を放棄する”という理想論を述べたのであり、とくに日本だけに限定して戦争放棄を語っていたのではない、という指摘があります(週刊文春八一年三月二十六日号の幣原道太郎氏の手記、「日本国憲法制度の由来」に記載の“羽室メモ”を引用している)。この点についてなにか記憶していますか。

 

ケイディス さあ、そういうこともあったかも知れない。あなた方の真相解明の助けになれなくて申し訳ないが、その点は私は知りません。

 しかし、それに関してもうひとつ、別の可能性もあります。幣原男爵は国際的な考えの持ち主でした。ベテラン外交官でもあり、一九二〇年代に米英日三国の海軍が軍縮交渉をした時、それにかかわった経験もある。その幣原氏や吉田氏(当時外相)がやがては日本を国連に加盟させることを望んでいたことは間違いない。その国連は国際紛争解決の手段としての戦争を放棄しているのです。だからここで私に考えられるのは、幣原氏が戦争の放棄を日本の憲法でうたえば、将来それによって日本の国連加盟、つまり世界各国への再度の仲間入りが容易になる、と考えたのではないかということです。国連の精神と同じことをはっきりと憲法でうたえば、国連に入るのがよりやさしくなると考えたのではないか。武力の行使ということも、同様に放棄するわけです。しかしもちろん国連は現実には力の行使や戦争をすべて放棄する、というふうにはなりませんでした。けれども一九四六年当時、国連は平和維持の手段として、いまの現実よりはずっと効果的な機構になるだろうと期待されていたのです。その国連に入れてもらうには、日本は国際紛争解決の手段としての武力の行使を放棄する、といわざるをえない。だから幣原氏が日本の国連入りを真剣に望んでいたのなら、戦争の放棄を打ち出すのは、ごく自然だったとも考えられるのではないでしょうか。もちろん私はここで単なる推測を述べているだけです。

しかし幣原氏の子息の言うことを信用するか、あるいは先見の明のある外交官が多分意図しただろうことを信じるか、さらにマッカーサー元帥が“日本占領は大成功である。日本はあれほどの軍国主義から完全に一転した。これなら国際紛争の解決手段としての武力の行使あるいは戦争を放棄するのが自然である”というふうに考えたのかも知れません。だから私には幣原、マッカーサーいずれの側にも、(“戦争放棄”を打ち出す)動機を見いだすことができるのです。また同じことが天皇にも同様の動機を与えたかも知れないのです。

 

古森 あなたが憲法起草を始める以前に、マッカーサー元帥が、“戦争放棄”について何か言っていたのを記憶していますか。

 

ケイディス その時点では私はまだマッカーサー元帥に、直接面会したことはなかったのです。そのころ私が元帥を見るのは彼が第一生命ビルを出入りする時だけでした。

 

古森 ああそうですか。それからあなた自身、前に述べたように例の黄色い紙、憲法第九条が生まれてくるマッカーサー・ノートの起源について、ホイットニー准将に尋ねてみるということはしなかったわけですね。

 

ケイディス 私は軍隊にいたのです。軍隊ではただ上官の命令を受けるだけで、あれこれ質問などしないのです。(笑い)そんなことを尋ねたらホイットニー将軍は機嫌を悪くしたかも知れない。大体、私はその当時まだ彼をよく知らなかったのです。ホイットニー将軍はその五、六週間ほど前に民政局に配属になったばかりでしたから。その前年、四五年の十二月のなかばに彼は民政局に来たのです。だから私がそんな質問をすれば、きっと気分を悪くして、“そんなことはお前の知ったことか”と考えたでしょう。私は命令を“イエス・サー”といって受けただけなのです。質問はなにもしませんでした。

   (つづく)

朝日新聞の「なりふり構わぬ」言葉選びーーちょっと頭を冷やしたら(6月1日午前7時43分)

安倍首相 少し頭を冷やしては(6月2日午前)

上段が古森ブログのエントリーの表題です。カッコ内はアップした時間です。
下段は朝日新聞6月2日の社説の見出しです。
「ちょっと頭を冷やしたら」と「少し頭を冷やしては」と、なんとも奇妙な一致です。
この一致は古森ブログに寄せられたコメントの一つで知らされ、自分でも朝日新聞をみたら、「頭を冷やしては」となっていたので、へえーと、思わずいぶかりました。
まあ偶然の一致なのでしょうか。でも言葉をまったくランダムに選んだ結果の一致であれば、その確率はきわめて低いですね。

私がこのブログで朝日新聞に「頭を冷やしたら」と書いてから、朝日新聞の論説委員がこの社説を書き始めるまでの時間はおそらく7時間ぐらいでしょう。この7時間にたまたま確率のきわめて低い偶然が起きたということでしょうか。

まさか朝日新聞の論説委員の方が私の記者ブログをみることはないでしょう。でも万が一、そんなことがあったとすれば、「こんな言葉をそのまま返してやろう」と、反撃した、なんて想像も、ふっと頭をかすめました。

あるいは他人の表現をそのまま単にまねをして、使った、ということも理論的にはありえますね。そんな場合だと、最近のご時世では、剽窃だ、盗作だという反応も、これまた理論的には起きうるわけです。

まあ以上は私のとりとめのない雑談の範囲と思ってください。
そこでちょっとまじめになって、その朝日新聞の社説を眺めましょう。がっかりするほど単一のおなじみ朝日語法です。

「安倍首相は焦りを募らせている」
「このところの強引さは度を超している」
「押し切った」
「号令をかける」
「ブルドーザーのように野党をなぎ倒し」
「首相は頭を冷やす必要がある」

いや相変わらず、主観的、情緒的、断定的ですね。
やはり「頭を冷やす」のは朝日新聞の側にお願いしましょう。

追記
なお前回のエントリーではアメリカ下院のダルフール大量虐殺での中国非難決議の共同提案者60数人にはマイク・ホンダ議員は名を連ねていませんでしたが、今日、その提案議員が120人以上に増えたなかに、同議員の名前も入っていました。最初のリストには入っていなかった、ということです。

アメリカ議会下院に出ている慰安婦問題での日本糾弾決議案をアメリカ国内で推進する主役はやはり中国系反日団体でした。
5月28日のニューヨーク・タイムズに載った同決議案推進の意見広告の主体は「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会と略)でした。そのウェブサイトのアドレスが大きく掲載されています。
     www.global-alliance.net

マイク・ホンダ下院議員(民主党)が先頭に立ってプッシュするこの決議案は日本を叩いています。その推進には「ワシントン慰安婦連合」などという在米韓国系の団体が表面に出て、真の推進役の中国系の「抗日連合会」は背後に隠れた形でした。現実にはホンダ議員は同連合会の幹部たちから集中的に政治献金を受けて、もう8年以上も同連合会と緊密な連携をとりあって、日本叩きの各種決議案を書き、出してきているのです。抗日連合会は中国の政府や共産党とも密接なきずながあります。

下院にかかる決議案は当初、5月末には上程して、採決に持ち込むというのが推進派の予測であり、希望でした。しかし下院外交委員会は5月分の上程ではその決議案を外してしまいました。だから決議案の成立の見通しもちょっとわからなくなりました。推進派としては必死になるわけです。そんな時点で真の主役の抗日連合会がついに背後から前面へと姿を現したのです。焦っている証左でしょうか。「真実の時」がきたのでしょうか。

これでホンダ議員と中国系団体の歩調が実は一致していることが再確認されました。そのホンダ議員に関して、非常におもしろい事実があります。
ホンダ議員は自称人権擁護派です。ところがいま下院に出ているダルフール虐殺での中国政府非難の決議案にホンダ議員は賛同していないのです。多数いる共同提案者には名を連ねていないのです。中国を非難はしたくない、非難はできない、ということなのでしょうか。

ではこの抗日連合会が姿を現したという報道記事を以下に紹介します。


「米議会、慰安婦決議案 中国系団体も表舞台に」 

採択訴える新聞広告を掲載

 【ワシントン=古森義久】米国議会での慰安婦問題での日本糾弾決議案の推進でこれまで韓国系組織の背後に隠れた形だった中国系反日団体がついに表面に出てきた。同団体が自らの名を明記して米紙ニューヨーク・タイムズに日本を非難して同決議案の採択を訴える意見広告を載せた。

  ニューヨーク・タイムズ5月28日付は第19面の右下半分に米国下院に出ている慰安婦決議案への支持を訴える意見広告を掲載した。同広告は同紙3月6日社説の「安倍首相は『日本軍の性的奴隷』のどこを理解できず、謝罪ができないのか」という記述を冒頭に載せ、「何十万もの女性が性的奴隷へと強制徴用された」と非難した。さらに同広告は安倍首相ら日本の指導者がその真実を無情にも否定したとして、マイク・ホンダ議員が提案して共同提案者が129人となった、日本に明白な謝罪を求める「下院決議案121」の採択を訴えた。

 同広告を掲載した具体的な当事者としては「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会と略)の名がまず記され、そのウェブサイトのアドレスも大きく明記されていた。

 抗日連合会はカリフォルニア州に本部をおく世界規模の華僑、中国系住民の組織で中国政府とも密接なきずなを保つとされる。これまで悪名高い書の「レイプ・オブ・南京」の宣伝や「クリント・イーストウッド監督の南京映画制作」というデマ流布のほか、南京事件、731部隊、米軍元捕虜など一連の戦争関連案件で日本を攻撃し、謝罪や賠償を求めてきた。

 同連合会は2005年春には日本の国連安保理常任理事国入りに反対する署名を全世界的に4200万人分集めたと言明し、中国各地での反日デモをあおった。さらに同連合会は日本の対日講和条約での賠償などを認めておらず、完全に反日といえる。

 同連合会はホンダ議員との結びつきがとくに緊密で、ホンダ氏がカリフォルニア州議員だった1999年には南京事件などで日本糾弾決議案を同連合会の幹部たちが同氏と共同で書いたことや、ホンダ氏が連邦議会下院選挙で出た際は同幹部たちが政治献金を集中的に贈ったことが明らかにされていた。

 しかし米国ではこれまで慰安婦決議案推進ではもっぱら「ワシントン慰安婦連合」という韓国系組織が前面に出て、中国系の世界抗日戦争史実維護連合会は背後に隠れた形となっていた。それが新聞広告に組織名を出すという格好で表面に登場してきたのは、同決議案の上程などが意外に難航し、組織をあげての宣伝工作が必要とみなされるようになったためともみられる。

(2007/06/03 19:27)

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