2008年01月

アメリカの大統領選挙では予想外の展開が続いています。
共和党側でのジョン・マケイン候補の躍進もその一つでしょう。
すでに大々的に報道されたように、フロリダ州で圧勝しました。

つい最近まで、大統領選レースからの撤退までがウワサされたマケイン候補がいまや
共和党側の先頭走者と呼べるところまで進出したのです。
 
マケイン候補は長年、上院議員として安全保障や外交戦略の諸課題に積極的に取り組んできたベテラン政治家ですが、日本との同盟関係を重視する声明をなんども発表してきました。今回の大統領選に立つに際し、みずからの外交政策に関する論文を改めて大手外交雑誌の『フォーリン・アフェアーズ』に寄稿しています。

その論文で目立つのは、日本との関係の重視です。日米同盟の米国にとっての重要性を説き、その強化を提唱しています。この点はヒラリー・クリントン候補の外交政策論文での日本の軽視、日米同盟の無視とは鮮やかなコントラストを描いています。マケイン候補はしかも日本が「普通の国」になることをも支持しています。

マケイン候補はこの寄稿論文で「アジア太平洋の世紀の形成」という項を設け、まっさきに日本の民主主義推進の実績を挙げています。具体的には「日本の前首相はアジア全体に広がる『自由と繁栄の弧』について語った」と述べて、安倍晋三首相の政策を称賛するとともに、北朝鮮問題では「日本国民の拉致」の解決の重要性をも強調していました。

 マケイン候補はさらに変化するアジアでの挑戦への対応のカギはアメリカと同盟国との協力強化だと強調し、ここでもまた第一に日本を挙げ、次のように述べていました。

 「私は日本のグローバル・パワーとしての登場と国際的リーダーシップを歓迎し、日本の礼賛すべき『価値観外交』を激励し、国連安保理常任理事国入りへの努力を支持する」

 言葉どおりに読めば、正面からの日本重視、日米同盟尊重の姿勢だといえるでしょう。 

なおマケイン候補をはじめアメリカ大統領選に立つ各主要候補たちが日本についてなにを述べているか、いないか、下記のリンクも参照してください。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/67/

 

米国下院外交委員会の共和党側筆頭メンバー、イリアナ・ロスレイティネン議員がこのほどライス国務長官に書簡を送り、日本が要請する北朝鮮の「テロ支援国家」指定の継続などを強く申し入れました。

この動きはすでに産経新聞1月27日朝刊で報道されています。同議員のライス国務長官あてに書簡は日本がインド洋での給油活動を再開したことへの感謝の意の表明が主ですが、それと引き換えにアメリカが拉致問題で日本に全面協力することを求めています。その協力は当然、北朝鮮の「テロ支援国家」指定を続け、その解除をしないことで、日本側への連帯を示すことをも含んでいます。

ロスレイティネン議員は昨年11月、日本から平沼赳夫議員らがワシントンを訪問した際、その合同訪米団が真っ先に面会して、日本側の要望のすべてを強く訴えた相手なのです。その同じ議員が平沼訪米団の要望どおりの拉致問題での協力をブッシュ政権に求めたということは、平沼訪米団の必死の要請が米側議員に届き、その要請が行政府であるブッシュ政権の中枢にまで届いた、ということでしょう。

ここにそのロスレイティネン議員の書簡全文があるので、その重要部分を紹介しましょう。平沼訪米団の要望が明確に浮かびあがってきます。

「日本の政府や与党が努力してくれた結果、日本の海上自衛隊の艦隊がインド洋にもどって、給油活動を再開したが、これに対し、われわれは日本の政府と国民に対し、謝意の最も深い表明をする必要がある」

「われわれが日本側のその善意に報いる特別な方法は日本の政府と国民にとってきわめて重要な外交問題に対しアメリカ側が最大の考慮を与えることだ。北朝鮮政権の敵対的な行動は日本のある学者が述べたように、『日本のキューバ・ミサイル危機』に等しい」

「日本にとっての北朝鮮政権との枢要な未解決案件は日本人の拉致被害者の運命に関する問題だ。日本にとっては北朝鮮政府からこのテロリズム行為の不運な犠牲者たちに起きたことの完全かつ透明な説明を受けることが致命的に重要である。それを受けたときのみ、被害者家族や日本国民一般はこの拉致事件に対し、終結という受け止め方をすることができる。われわれアメリカ側は友好的な同盟相手に対し、その拉致被害者たちを支援する努力に対し誠意と活力にあふれた援助を続ける責務がある」

「私が懸念するのは、アメリカが北朝鮮の核問題を解決する目的の六カ国協議の一部として、完璧でもない取引を実行するために、拉致被害者やその他の人権問題への懸念を放棄してしまうことだ」

「アメリカはテロに対する闘争への誓約を改めて実行する誠意のある同盟国を裏切るような合意に署名することはできない」

さあ、こうみてくると、このロスレイティネン議員のライス長官への要望は、そっくりそのまま北朝鮮問題での日本側合同訪米団の意向を率直に表明しているに過ぎない、という感じになってくる。日本側の平沼訪米団の強い要請や講義をそのまま素直に聞いて、その内容をライス国務長官にそのまま伝達したように思えてくる。つまりは平沼訪米団の効果がそれほど広まった、ということだろう。


給油感謝「拉致」支援を 米共和党議員 国務長官に書簡
2008年01月27日 産経新聞 東京朝刊 国際面

 【ワシントン=有元隆志】米下院外交委員会のロスレイティネン共和党筆頭理事は25日までに、ライス国務長官に書簡を送り、海上自衛隊のインド洋での給油活動の再開を称賛するとともに、米国として日本人拉致事件の解決に、「積極的な支援」を行うよう求めた。

 書簡は23日付で、日本政府が昨年11月に失効したテロ対策特別措置法に代わり、新テロ対策特別措置法を57年ぶりとなる衆院再議決で成立させたことを「驚くべき努力」と、高く評価した。

 そのうえで、「給油活動再開に対し感謝を示す特別な方法は、日本が重要と位置づける政策に最大限の配慮を示すことだ」と指摘。拉致事件などの解決を目指し、米国として支援する必要性を訴えた。

 同議員は核問題をめぐる6カ国協議の進展に向けて、「完ぺきではない合意」のために、拉致や人権問題が置き去りにされることへの懸念を表明。日本や新政権が発足する韓国という同盟国を、「裏切るような合意を結ぶことは望まない」と強調した。

 同議員は昨年11月、訪米した拉致被害者家族会や拉致議連(平沼赳夫団長)などの合同訪米団と面会した。今回書簡を送ったのも、拉致事件の解決への協力を求めた訪米団の働きかけが影響しているものとみられる

昨年11月に北朝鮮による日本人拉致問題で日本の国会議員の平沼赳夫、古屋圭司、松原仁各氏らが「家族会」「救う会」の代表とともに、ワシントンを訪れ、アメリカ側の政府や議会に北朝鮮を「テロ支援国家」の指定リストから外さないことを強く要請した経緯は、すでにこのブログでも詳しく、報告しました。いわゆる拉致問題での合同訪米団(平沼団長)です。

その当時、日本側の官民のアメリカ通とされる向きの間では「ブッシュ政権は北朝鮮のテロ支援国家の指定解除をすでに決めており、平沼訪米団の要求は無駄だ」というような悲観的な見解が頻繁に述べられていました。平沼訪米団が日本の国会議員団のワシントン訪問では初めて、米側の政府や議会に対し、一つの案件に絞って、明確で強固な抗議や要求をぶつけたのにもかかわらず、日本側ではこの訪米をことさら過少評価する向きが多かったのです。

ところが、現実にはこのワシントン訪問での平沼赳夫議員らの言動はアメリカ側にも大きなインパクトを与えたようです。とにかく行政府、立法府の両方の代表たちとの一連の会談で、平沼議員は「アメリカ政府が北朝鮮をテロ支援国家の指定から解除すれば、日本の国民や国会議員が激しく反発し、日米同盟の基盤に悪影響を及ぼす」と警告し続けたのです。
平沼議員らのこの言明は米側でブッシュ政権の最近の北朝鮮への軟化過剰に反対するジョン・ボルトン元国連大使らにより、引用されて、「日本も激しく反対しているのだから、なおのこと北朝鮮をテロ支援国家リストから外してはならない」と強調されたのです。そして結果として現在にいたるまで、平沼議員らの要望が容れられた形となっています。

 (靖国神社に参拝する平沼議員)東京での活動
最近の米朝関係では、この平沼訪米団の要求が結果として容れられたような展開が起きているのです。ブッシュ政権は多くの観測筋が予測した2007年末までの北朝鮮のテロ支援国家指定解除をしていないのです。ブッシュ政権のクリス・ヒル国務次官補ら実務担当者はその遅れの理由として、北朝鮮がアメリカに対し誓約した「すべての核兵器開発計画の申告の宣言」を果たしていないことをあげています。
しかし北朝鮮はその「すべての申告」を実行していないのに、1月4日には「北朝鮮側はもう申告を果たしたが、米国側は公約を実行していない」と非難しました。米側はその非難にまた反発しています。

その一方、アメリカが北朝鮮をテロ支援国家のリストから外していないのは、北朝鮮自身の行動だけでなく、アメリカ側にそのリスト外しに対し、強い反対があるからだといえます。上下両院に「北朝鮮が日本人拉致事件の解決に応じない限り、テロ支援国家指定から解除されてはならない」という趣旨の法案や決議案が上下両院に出されています。その背後には「日本の強い反対」もあるのです。

アメリカ議会調査局は北朝鮮が国際テロ組織の「ヒズボラ」や「タミル・イーラム解放のトラ」に最近も武器類を供与していたことを指摘し、「北朝鮮はまさにいまテロ支援国家である」と断定する報告書を発表しました。そして前述のボルトン氏はこの1月上旬に、大手新聞への寄稿で、北朝鮮の核開発を阻止するための六カ国協議をもう破棄することを提言しました。「北朝鮮はそもそも核兵器を放棄する意図はなく、アメリカ側をだましているのだ」というのです。

そしていままたショッキングな意見の発表がありました。
ブッシュ政権の現在の北朝鮮問題特使ジェイ・レフコウィッツ氏が1月17日のワシントンでのセミナーで次のようなことを語ったのです。

「北朝鮮は適切な期限内に核兵器を放棄することに真剣になってはいない。おそらく時期のアメリカ大統領が登場するまで、核兵器保有といういまの状況を変えないだろう」

「北朝鮮に対しては六カ国協議とは異なるアプローチを考えるべきだ。北朝鮮の人権と核問題のような安全保障案件とを連結させねばならない」

「核問題の解決を急ぐあまり、北朝鮮の人権問題への対処を怠ってはならない」

ごく当然にも思える発言ではあるが、レフコウィッツ氏がブッシュ政権の現職の高官であることを考えると、重視せざるをえない。「北朝鮮の人権問題」といえば、日本人の拉致にも当然、触れてくることになる。しかも現職のブッシュ政権高官がそんなことを述べるのだ。だからここでも平沼訪米団が目指した目標が別な形で、別な比重と表現とで、
形を現したような感じさえするのである。

  

アメリカ大統領選挙のニューハンプシャー州予備選ではヒラリー・クリントン候補の首位獲得が大きく報じられたましたが、その陰で共和党側でジョン・マケイン上院議員が注目すべき復活を果たしたことは日本の多くのメディアではさほど取り上げられていません。
マケイン議員は今回の選挙では出馬を表明しながらも、人気が高まらず、もう脱落かとも観測されていました。それが1月8日のニューハンプシャー予備選では共和党の第一位の座を獲得しました。37%の票を得て、第二位のロムニー候補の32%を断固として引き離しました。

マケイン議員はそもそも2000年の大統領選挙でも共和党側の有力候補として現大統領のジョージ・ブッシュ氏を予備選段階でかなり脅かした大物政治家です。このマケイン上院議員は北朝鮮の核兵器開発では早期段階での拠点爆撃を提唱したこともあります。

しかし最近の外交や安全保障政策でマケイン議員を最も著名にしたのは、イラク政策です。マケイン議員はブッシュ大統領のイラク米軍増派にきわめて積極的に賛成したのです。その増派は民主党側は猛反対、アメリカ一般国民の間でも不人気な措置だったのですが、ブッシュ大統領は断固として実行しました。そしていまやその成果がイラクでの治安の改善、情勢の好転として発揮されてきました。

マケイン議員の人気の再上昇もこのイラク情勢の改善と関係があるとされています。結果として増派賛成という主張は正しかったではないか、という認識が有権者の間でも広まったということでしょう。
日本のマスコミでも読売新聞が1月10日付朝刊でその因果関係を報じています。
「マケイン氏 復活」「イラク治安改善 追い風」という見出しです。
その本文には以下の記述があります。
「米軍の増派が効果を上げ、イラクの治安状況が改善するに従ってマケイン株も再上昇した」

しかしこのマケイン人気がどれほど保たれるか, 予断は許されません。 
Why John McCain
                                        
マケイン議員については私が過去に書いたことを一部、紹介しておきましょう。


マケイン氏を有名にしたベトナム体験

 マケイン氏は2000年の大統領選挙でも有力候補として、今のジョージ・W・ブッシュ大統領と共和党の指名を激しく争った。その時点ではマケイン氏の方がブッシュ氏より全米的な知名度は高かった。上下両院の議員として既に数々の実績を上げていたからだ。 

 マケイン氏の政治家としての特徴は議会専門の権威ある出版社「コングレショナル・クォーターリー」の2006年版『アメリカ政治年鑑』に以下のように記されている。 

 「共和党内部で一部から攻撃されることがある一方、民主党側の多くや無党派層から好まれる保守政治家で、どんなことを発言しても、実行しても、マスコミによって膨大な分量の報道をされる対象となり、しかもその報道の内容はほとんどがポジティブである」。 

 「マケイン氏は保守とはいえ、その主張はブッシュ政権とは必ずしも合致しない場合も多い。上院では彼がブッシュ政権に同意する場合は政権にとってきわめて大きな力となる。同意しない場合は彼がブッシュ政権への反対を堂々と述べるので、政権にとってきわめて大きな支障となる」。 

 「マケイン氏の自主性は、一部は2000年の大統領候補指名争いでブッシュ陣営に畏敬の念を感じさせるほど健闘したことに由来するほか、ベトナム戦争中、北ベトナムの捕虜として5年半の辛苦を耐え抜いたことにも原因があるといえる。この捕虜時代の拷問などの後遺症で、彼の上半身は今もやや傾くことがあるが、同時に政治面を含めて闘いを恐れない性向を強くしたのだろう」。 

 マケイン氏を全米的に有名な人物にしたのはこのベトナムでの体験だった。 

  人の思考に繊細な神経を向ける人柄

 1936年、海軍の軍人を父に生まれたマケイン氏は自分自身も海軍士官学校に入り、海軍パイロットとなった。そしてベトナム参戦で当時の北ベトナムの首都ハノイ地区の軍事施設への爆撃に出撃し、地上からの砲火で撃墜された。パラシュートで降下したものの捕虜となる。1967年のことだった。捕虜生活が5年半、73年春に米国と北ベトナムとのパリ和平協定が結ばれた結果、解放された。 

 捕虜としての拷問や強制労働などの苦労、そして他の米軍捕虜たちを励ましながらリーダーとして軍事機密を保った忍耐は米側で広く知られるに至り、その体験記は記録的なベストセラーとなり、映画化までされた。マケイン氏はやがて政界入りし、1982年に下院議員に当選、86年には上院へと転じた。 

 このベトナム体験のおかげと言うべきか、わたしは上院議員になってからのマケイン氏と何度も語りあう機会を得た。わたしもマケイン氏が捕虜になっていた期間の一部を含めて合計4年近くベトナムに駐在し、戦争の報道にあたっていた。彼が解放され、北ベトナムから南ベトナムに運ばれてきた73年4月もサイゴン(現ホーチミン市)にいて、その動きの一部を目撃した。だからベトナムへの思いはいろいろな意味で深かった。 

 ワシントン勤務となってマケイン上院議員に戦争体験回顧などについてインタビューを申し込むと、すぐ応じてくれた。質問の合間に自分のベトナム体験をちらりと話すと、彼は関心を示し、二人だけのベトナム論議にずいぶんと熱がこもった。1990年代はじめのことである。以来、米国の対ベトナム関係や対アジア政策、ひいては日米安保関係など、テーマこそ変わっていったが、数年間にわたり何度も話を聞くことができた。 

 その体験で感じたのはマケイン氏が他の人間の思考や感情に繊細な神経を向けるという印象だった。また日本との同盟関係には強い関心を抱き、同盟の堅持が両国にとってプラスであることをいつも強調していた。 

アメリカの大統領選挙が熱気を増し、日本でもアメリカへの視線が改めて強く、鋭く向けられるようになりました。

もっともアメリカという超大国、同盟国の動向は日本にとって当然ながら超重要であり、
その一進一退から目をそむけることは、なかなかできません。経済しかり、政治はもちろんのこと、安全保障となると、アメリカの比重は致命的です。

だからこそ日本でのアメリカ情勢理解は正確な事実に基づかねばなりません。しかし日本のアメリカ情勢理解には構造的な欠陥があります。それは日本のマスコミの多くだけでなく、いわゆる知米派の文化人、知識人までがアメリカの民主党リベラル傾斜の大手マスコミの報道や論評に全面依存する傾向があるからです。

アメリカでの動きの報道といえば、日本側ではまずニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNN,CBS,ABCなどのテレビへの依存でしょう。これらの新聞やテレビはそれぞれ報道機関としては、非常に優秀です。尊敬に値する側面が多々あります。
しかし全体の政治的な基調としては民主党びいき、リベラル寄り、という特徴が顕著です。いまの大統領選でも、ヒラリー候補に関するポイジティブな報道が洪水のように多いのもその一例です。ヒラリー候補がなんと85万ドルもの不正献金を受け取っていた中国系犯罪者のノーマン・シューの事件も、これら大手マスコミは「調査報道」などほとんどしていません。あってもほんの表面的です。これがもし共和党候補への85万ドルの不正献金だったら、ニューヨーク・タイムズなど、ものすごい追跡報道キャンペーンを展開していたでしょう。

とにかくアメリカのリベラル傾斜の大手マスコミはアメリカ国民の多数派である保守派の動向を軽視する点で、構造的な偏向があるといえます。共和党の政治家に対してもその種の偏りをもっての報道や論評が顕著です。だからアメリカ全体の情勢を知るためには、大手マスコミ以外にも目を向ける必要があります。

ところが日本のマスコミはニューヨーク・タイムズやCNN(よくクリントン・ニューズ・ネットワークと揶揄されたほど民主党びいきとされます)に依存する度合いが非常に高いのです。どうしても民主党びいきの米国マスコミの受け売りになりがちです。

私はこんな偏向の危険を意識しながらアメリカ報道にあたっているわけですが、最近、日本人による日本語のアメリカ報道・論評で貴重なブログを発見しました。上記のようなリベラル・バイアスをみごとに排した客観的なスタンスでのアメリカ情勢の報道と論評なのです。
このブログは「苺畑より」と題されています。
アドレスは以下のとおりです。

http://scarecrowstrawberryfield.com/

この「苺畑より」の最新のエントリーの一部を紹介しましょう。


January 6, 2008

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ニューハンプシャー民主党大統領予選を斬る!

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私がかなり信用できると考えている世論調査機関ラスマスンのリポートから、火曜日に迫るニューハンプシャー州大統領予選について、民主党候補者たちの状況を考えてみよう。

一番新しい電話アンケートによるとバラク・オバマが支持率39%、ヒラリー・クリントンは27%と、ヒラリーはかなりオバマに差をつけられている。このアンケートはアイオワコーカスが終わった金曜の夜から昨日の討論会の始まる前の夕方にかけておこなわれたもの。同調査でジョン・エドワーズは18%、ビル・リチャードソンは9%、デニス・クシニッチ3%。

バラク・オバマが指名された場合88%の予選投票者がオバマに投票すると答えた。まったく同じ数値の88%の投票者がジョン・エドワーズの場合も同じだと答えている。しかしヒラリー・クリントンの場合、ヒラリーが指名された場合に投票しようと考えていると答えたひとは80%をわずかに上回る率であった。

民主党の投票者たちはヒラリーが「実績、実績」と騒ぐたびに使い古されたレトリックだというイメージを持つようだ。それに対してオバマは経験は浅いが、何かをかえてくれるという希望を市民に与えるという印象を持っているようだ。共和党候補たちと比べて、民主党のトップ候補者たちは三人とも経験が浅い。となってくると彼等の魅力は政治家としての実績よりも人間として誰が一番信用できるか、つまりパーソナリティーの問題になってくるわけだ。夫のビル・クリントンと違ってヒラリーには他人を魅了するチャームというものがない。ビルの場合は嫌なやつだと思っていても、つい好きになってしまう魅力を備えていた。

(以下、略)

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ジェンダーフリー、左翼が幅を効かす女性運動

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ちょっと前に私は『ジェンダーフリーという神話』というエントリーを書いたが、この時、私は日本語でいうところのジェンダーフリーという言葉の意味をあまりきちんと理解しておらず、ウィキペディアで検索した定義をそのまま紹介して、どうやら私が理解しているところのジェンダーフェミニズムのようなものだろうと書いた。

「ラディカル・フェミニズム」においては、「ジェンダー」は、男性と女性を平等で相互補完的に位置づけているものではなく、「男が上で女は下」「男が支配し女が従う」といった、一方的な支配関係として機能している、と捉えている。「ジェンダー」は男女の支配従属の関係を維持するための装置であり、また、ジェンダーを根底から規定し、女性を差別的状況におく社会的仕組みの中心をなすのが、性別役割分業
     (以下、略)




以上のような内容には私も感心しました。従来の日本側のアメリカ報道の枠を破り、地に足をつけた報告だと思ったからです。

このブログの作成者はアメリカ生活の長い日本人女性だそうです。私はその人について、なにも知りません。ただし自己紹介というのがあったので、それを再現しておきます。

アメリカに関心のあるみなさんは、ぜひともみてください。

自己紹介

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みなさん初めまして、苺畑カカシと申します。

日本生まれの日本育ちですが、現在夫のミスター苺と一緒にアメリカは南カリフォルニアの在住です。高校卒業とほぼ同時に渡米。以来ほとんどずっとアメリカ生活です。

苺畑の主旨:

私がアメリカに住むようになって気が付いたことは、私がアメリカについてどれだけ無知だったかということです。この情報時代、アメリカからは映画や音楽を通じてアメリカ文化がどんどん日本へ入ってくるし、新聞やテレビのニュースでもアメリカの話題がことごとく取り上げられるので、日本人はアメリカのことをかなり知っているという印象を受けます。しかし実際には日本にいて得るアメリカの情報は非常に限られており、また報道機関による偏向も混じって、日本ではアメリカの事情はかなり誤解されていると思います。

私が日本語の掲示板などで政治討論をしたり、日本人報道員の意見を読んだりして一番いらだつのは、無知なゆえにおきた誤解に基づく間違った分析です。アメリカ社会にはいろいろな問題があるし、外交問題でも首をひねるものがいくつもあります。しかし正しく事情を把握した上でのアメリカ批判なら納得もいくのですが、完全に間違った角度からの分析だと最初にその間違いをただしてからでなくては議論がなりたたず、非常に歯がゆい思いをします。

そこで私はこの場を借りて、私なりに誤解されやすいアメリカの事情を私の体験をもとに正しくお伝えしたいと考えます。皆様にアメリカの本当の姿をご理解頂きたい。それがこのブログの主旨です。


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