オバマ氏が家族とともに信仰の師と仰いできたライト牧師がシカゴの黒人キリスト教会で白人主導のアメリカ社会に対し、扇情的な糾弾発言を繰り返してきたことは、このブログでもすでに伝えました。
そのライト牧師が4月28日、ワシントンのナショナル・プレスクラブでスピーチと記者会見をして、さらに爆弾発言を改めて繰り返ししたのです。
「アメリカよ、呪いあれ!」
「エイズはアメリカの(黒人など)少数民族への攻撃武器としてアメリカ政府がつくった」
「アメリカ海兵隊はキリストを殺したローマの兵士のようだ」
「アメリカが9・11テロを受けたのは自身がテロを実行したからで、自業自得だ」
「アメリカは罪のない人々を殺してきた」
ライト牧師は以上のような言葉を何度も述べました。
さてオバマ候補はどう対応したか。これまでのライト牧師を擁護するような態度を一変させたのです。
29日のオバマ候補の言葉です。
「私はライト牧師の見解にまったく同意しない。ライ牧師の見解は間違っている」
「ライト牧師の言葉に失望し、憤慨した」
「ライト牧師はもう私が20年前から知っていた人物とは異なるといえる」
さあ、このライト発言はオバマ候補にどんな影響を与えるのか。
ニューヨーク・タイムズのコラムニストのボブ・ハーバート氏は29日のコラム記事で次のように書きました。
「ライト牧師がワシントンにきたのはオバマ候補を賞賛するためではなく、同候補を葬るためだったのか」
「オバマ氏は白人の労働者層やカトリック信徒の間で人気を高めることができなかったが、ライト牧師はこの弱点をさらに悪化させる間違った薬のようだ」
ワシントン・ポストも29日付の社説で「ライト牧師の厚顔ぶり」と題して、同牧師の発言を厳しく非難しました。そしてその発言がオバマ候補に悪影響を与えるという見解を示したました。
「こうした発言はどれ一つ、オバマ候補に役立ちはしない」
ヒラリー・クリントン候補も、ジョン・マケイン候補もいまのところ、ライト牧師の再度の爆弾発言に対してはコメントを差し控えています。
アメリカ大統領選はますますおもいしろい展開となってきました。