2009年11月

 地方議員が民主党を離党したというニュースを他の方から私のサイトへのトラックバックで知りました。

 

 とても興味ある動きに思いました。

 

 民主党を離れた2議員自身の説明があったので、それを紹介させていただくことにしました。

 

 これからの日本の政治のあり方、そして日本のあり方を考えるうえで、できるだけ多くの人にこの「民主党離れ」の動きについて知っていただくことが好ましいと考えるからです。

 

 しかも2議員の離党の原因の一つは外国人参政権への反対だというのです。

 

 注視すべきことです。

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マスコミ発表 「離党の決意」  

 

本日マスコミに対しまして、私(安田真也議員)と田中敦美議員が連名で「決意書」を発表しました。



決意書


 吉川市議会議員安田真也は平成21年11月4日に、杉戸町町議会議員田中敦美は同月5日に民主党埼玉県連代表に対しまして離党届を提出致しました。

 

 短い期間でしたが政治活動の場を提供くださった民主党に感謝申し上げます。


 政権与党となった今、なぜ党を離れるのか。

 

 民主党を離党するに至った経緯・理由については、大きく分けて2点あります。


 まずは、私どもと民主党との考え方の違いであります。

 

 日頃、私どもは地域住民を大切にし、地域の政治家として、保守系の議員として活動してまいりました。

 

 しかしながら、総選挙前に発表された「民主党INDEX2009」では外国人地方参政権、靖国に替わる国立追悼施設問題、国立国会図書館法改正等が触れられ、到底私ども保守系議員にとって受け入れられないものであります。

 

 国民一般には「マニフェスト」の実行を約束、「INDEX」はマニフェストでも公約でもないとの認識から、選挙中は公認候補者必勝のための活動を行いました。

 

 今回民主党が大勝し、政権交代が成った今、マニフェストに記載のない、前述の外国人地方参政権問題をはじめとする、極めて国家を二分するような「INDEX」に記載されている事項が実行されようとしており、地域を守る者として、保守系議員として危機感を覚えました。

 

 この「INDEX」の危険性に関し、同じく民主党の東京都議会議員の一人がこの問題を月刊誌や多方面で指摘し、党の逆鱗に触れたのか離党勧告を受けています。

 

 このように極めてイデオロギーが先行する政策を党内議論もなく、また、一部の国会議員だけで決めてしまい、物申す者は排除するという姿勢は「全体主義」そのものではないでしょうか。


 2点目は、私どもの所属する埼玉14区総支部長の資質の問題です。

 

 総支部長たるもの、少なくともその地域のため、地域住民の為に実情を把握し、問題点があれば的確にアドバイスができ、地方議員の良きアドバイザーとなることが本来の姿ではないかと考えております。

 

 しかしながら当該総支部長は14区内の地方議員選挙において、公認候補者以外の他候補者陣営へ数か所応援へ行き、自らマイクをとり街宣している事実もあり、このような行為は大変遺憾であり、これは党紀違反行為そのものであり、総支部長だからと許される行為ではないと思います。

 

 仮に地方議員がこうした行為をとったらどうでしょう。

 

 除名・除籍処分ではないでしょうか。

 

 過去にも数多くの支援者や地方議員、秘書とトラブルを起こしております。

 

 今回の選挙後、支援者周りを行わず、各地方議員の元にクレームが寄せられていて、今始まったばかりのことではなく、以前から指摘されている問題でありますが、全く改善する気もなく改善の見込みがありません。

 

 義を見てせざるは勇なきなりという言葉がすべてではないでしょうか。

 

 私どもは、まだまだ未熟ではありますが地域を守るという責務は、心してしっかりと果たしているつもりであります。

 

 上記のような地域を自ら壊すような動き、「地域のことは地域で」と、私どもは、地域がまとまった形が国であると思いますが、この総支部長は「私は国会の方なので国のことしかやりません」。

 

 なんら関心も寄せないような国会議員とは真剣に全力で闘っていきます。


 今後の動きですが、私どもは地域・国家・国民を守るために離党したわけですから、党派を超えた同じ志のある同士を集め、同士らと共に、誠に地域のため、国家・国民の為に生命を燃やしていこうと考えています。

 

 また、こういった志をもった若者を育てていくことも必要であると考えており、真の「平成維新・改革実現」のため草莽崛起の志で闘っていきます。

                            以上



杉戸町町議会議員

            田中 敦美


吉川市議会議員

            安田 真也  

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 小沢一郎民主党幹事長がキリスト教やイスラム教をあげつらったことに対し、案の定、日本のキリスト教団体から抗議が表明されました。

 

 国際的にも、反発が予測されます。

 

 しかし他者の信じる宗教の悪口を述べて、特定の宗教が最高最善だと断じる政治家の非常識は恐るべきです。

 

 以下は本日の産経新聞記事です。

 

 

 

【朝刊 総合・内政】


記事情報開始キリスト教連合会 小沢氏に抗議文


 

 民主党の小沢一郎幹事長が高野山・金剛峰寺(和歌山県)を訪ねた際、キリスト教について「排他的で独善的な宗教だ」と述べたことについて、日本キリスト教連合会(山北宣久委員長)は16日までに、発言撤回を求める抗議文を小沢氏に送った。

 

 抗議文は「小沢氏の発言は一面的で、それこそ『排他的』で『独善的』だ。責任政党幹事長の言葉として、その見識を深く疑う」としている。

 

 16日の記者会見で小沢氏は発言の真意について「私は宗教論と文明論を言った」と前置きしたうえで「死ねば皆、煩悩がなくなるから仏様だ。みんなが神様になれる宗教が他にあるか? 基本的な考え方が違うということを僕は言っている」と仏教の特質について力説した。

 

 小沢氏は、キリスト教連合会からの抗議文についての感想は述べるのを避けた。

 

オバマ大統領のアジア訪問で最も注視されるのは、やはり中国訪問です。

 

オバマ大統領は中国では日本で過ごしたよりも3倍も長い時間、滞在します。

 

米中関係の新たな展開に一段と注目が集まるところです。

 

オバマ大統領はこの中国訪問でなにを得ようとしているのか。

 

米中両国が二国だけで世界を仕切るという、いわゆるG2体制は本当に現実となるのか。

 

こんな点をワシントンの中国問題専門家のロバート・サター氏に聞くと、「G2論というのは非現実的で愚かな議論だ」という答えが返ってきました。

  

 その記事を紹介します。

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実利重視で協力強化目指す 米の元中国政策担当・サター氏
2009年11月13日 産経新聞 東京朝刊 国際面


 

 【ワシントン=古森義久】
 
 米国の歴代政権で中国政策を担当してきたロバート・サター氏(ジョージタウン大教授)は11日、産経新聞との会見でオバマ大統領の中国訪問の意味について語った。
 
 サター氏は、米中両国が実利的な姿勢で一定分野での協力を拡大することが期待されると述べる一方、米側の一部にある米中二極のG2論は非現実的だとして排した。

 オバマ大統領のアジア歴訪では、訪問国中最長の4日を過ごす中国が中心となるが、サター氏は同大統領の初訪中について「米中両国がいずれも実利的な姿勢をとり、グローバルな経済や金融、気候変動、北朝鮮の核問題などの分野で段階的な協力の拡大と前進を図ることが目的であり、驚くような大きな展開はないだろう」との予測を語った。

 同氏はさらに米中首脳が「相互に丁重な態度を示し、対テロ闘争、アフガニスタン、イランなどという課題についても、協力できる部分での協力強化をうたうだろう」と述べる一方、中国の人権抑圧やチベット問題、軍拡など米中間の食い違いが明白な課題は表面に出すことを避けるだろうとの見通しを明らかにした。

 サター氏は「米中間の協力が可能な分野において段階的かつ小さな協力拡大が得られれば、オバマ大統領の訪中は成功とみなされる」との見解も示した。

 米国側の一部では、オバマ大統領の今回の訪中が日本や韓国訪問に比べ長期であり、最重視するようにみえる点から米中二極のG2論が語られている。

 しかしサター氏は「G2論というのは愚かだ」として、
 
 (1)中国は世界銀行から20億ドル、アジア開発銀行から13億ドルの有償援助を受け、国連分担金も全体の3%ほどという開発途上国としての側面を有しており、米国と互角の立場のG2として国際問題の解決の主役になる地位にない
 
 (2)中国は米国にとって同盟国でも友好国でもなく、米国の世界での指導権やアジア地域での指導権に反対する面が多くある
 
 (3)中国は共産党の一党独裁の統治であり、民主主義を信奉する米国とは基本的な価値観が異なる-などを理由として挙げた。

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【プロフィル】ロバート・サター

 1970年代から米国の議会調査局、国務省、中央情報局(CIA)、上院外交委員会などで中国と東アジアの専門官として活動し、クリントン元政権、ブッシュ前政権の東アジア担当国家情報官を務めた。

オバマ大統領が日本を訪れ、鳩山首相との会談がまた開かれました。

 

その際の鳩山首相の一連の言明から明白となった点があります。

 

その一つは、鳩山首相には日米同盟や日米安全保障条約について語り、考える際に、日本の防衛とか日本の安全保障という概念がすっぽりと欠落している点です。

 

日米首脳会談の冒頭で鳩山首相は「日米同盟は日本の外交の基軸だ」と述べたそうです。

 

しかしこれまでの日本の歴代政権が保持してきた認識というのは、日本の防衛や安全保障の基軸が日米同盟だという基本です。

 

正確にいえば、同盟は軍事同盟であり、外交のためにではなく、防衛のために存在するのです。安全保障のためだともいえます。

 

日本の外交の基軸にアメリカとの関係をあげるのならば、『日本の外交の基軸は日米関係」と述べるべきです。

 

だから鳩山首相がこれまで日米同盟についてあれこれ述べてはいますが、「日本の防衛」とか「日本の安全保障」という言葉は口にしていません。影のブレーンの寺島実郎氏と同様に、安全保障、防衛問題を口にしません。頭の中に日本国にとっての防衛問題や安保問題が存在しないのです。

 

第二に鳩山首相に欠けるのは、自分の価値観、日本国としての価値観です。

 

あれだけ饒舌にアメリカとの関係や日米同盟の継続について語っても、アメリカなどとの「共通の価値観」については一言も口にしません。

 

日本としての当然の価値観といえば、まず民主主義、その延長での人権、自由、個人の権利などでしょう。このへんへの言及が鳩山首相の対外政策での発言にはまったくないのです。

 

オバマ大統領は東京でのアジア政策演説で日米同盟は「我々(アメリカと日本)の共通の価値ーー民主主義の権利への信念ーーを反映してきました」と強調しました。

 

日本とアメリカの共通の価値観が日米同盟の基盤となり、反映ともなる。このことこそ日米同盟の拠って立つところの一つです。

この共通の価値が民主主義です。

 

となると民主主義ではない中国とのつきあいは日本、アメリカいずれにとっても一線を画すことになります。日米中の三国が三角形ではあっても、正三角形にはなれないところです。

 

ところが鳩山首相は決して民主主義とか、共通の価値を指摘しません。鳩山氏の思考にはそういう点が欠落しているから、としか思えません。

 

だから日本の対外姿勢では日本自身の価値観には触れず、

どんな相手にでも通用される「架け橋外交」とか「友愛」が指摘されます。架け橋とか友愛というのは、実に空疎な無意味な言葉なのです。

 

防衛への意識なき日米同盟、共通の価値への意識なき日米関係。

 

これこそ鳩山首相の思考の特徴のようです。

鳩山首相の外交論のネタ元らしき寺島実郎氏の主張の言葉のカラクリについて、私が田久保忠衛氏との共著の『反米論を撃つ』で述べたことをさらに紹介します。

 

『寺島実郎という反米レトリック』という項の記述の続きです。

 

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「現実にはアメリカの政策は客観的にみて、それほど簡単には評せません。でも寺島実郎氏はカギ括弧のレトリックで強引にそうするのです。

 

そのあとはもう議論の余地はありません。この手法ではアメリカの論理を単に「悪い論理」というふうに勝手にカギ括弧で呼んで、だから悪いのだ、という追い討ちをかけるのに等しいからです。

 

大げさで短絡的な用語操作です。もともとアメリカがそういうことを掲げてはいないのに、括弧を使って、虚像をつくりだし、その虚像のみに基づいて、だからアメリカはだめだ、と結論づける。いわば卑怯な論法です。

 

実例をあげましょう。寺島実郎氏が書いた文章です。

 

「『有事法制』も、主体的意志を見失えば、『米国が作り出す有事』を自動的に『有事』として共有せざるをえないところに日本を置きかねない。戦後日本が、国づくりの基軸としてきた『武力を国際紛争解決の手段としない』という理念も、『多国間の協調によって世界秩序を維持する』という国際協調主義も、力によって米国が掲げる価値を実現しようとしているブッシュ政権に歩調を合わせることによって急速に色褪せ始めてている」

 

この文章のカギ括弧手法のポイントは、「米国が作り出す有事」という表現です。寺島氏は有事法制を認めると、本来は日本にとって有事でも危機でもないのに、アメリカが勝手に作り出す有事を押し付けられる、ということを主張したいのでしょう。

 

でもそんな主張には根拠はありません。その点の曖昧さをカギ括弧の「米国が作り出す有事」という表現でごまかし、いかにもそういうアメリカの押し付けが存在するような印象を与えようとするのです。

 

こういう記述は日本とアメリカが安全保障では多数の共通項を有し、共同の防衛努力までを誓っている、つまり日本の有事はアメリカの有事にもなる、という日米協力の基本を無視しています。そういう協力をすることが日本の利益になるという、今の日本の多数派のコンセンサスをも無視しています。結局はアメリカとは協力するな、という趣旨なのです。

 

だからこそ反米だと言えましょう」

 

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