2010年03月

興味ある新刊書の紹介です。

 

筆者は気鋭の政治評論家の山際澄夫氏、テレビでも活躍しています。

 

 

 

この書の帯には以下の記述があります。

 

日米同盟は崩壊!

国を売る「友愛外交」!

デフレは深刻化!経済戦略ゼロ

CO2 25%削減で国民生活崩壊!

天皇まで利用する小沢独裁政治!

 鳩山政権の「日米密約」暴露の意図を拓殖大学学長の渡辺利夫氏が問いただしています。

 

 確かになぜ、この時期に、という疑問が起きます。

 その背後にある政治意図をも感じさせられます。

 

 しかしこれからの将来を眺めると、非核三原則も密室部分が明らかになったのだから、こんごは2・5原則でいこうというのが最

現実的な選択肢だと思います。

 

 この最、もう一度、非核三原則の「持ち込ませない」という部分は陸上にのみに限り、日本の港や領海に核兵器を搭載した米軍艦艇が入ってきても、それは「持ち込み」にはならないのだ、という立場をとるべきです。

 

 

反感を広げた「密約」検証


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 「密約」に関する有識者委員会報告が3月9日付の外務省ウェブサイトに掲載された。
 一読、よく練られた文書だとは感じた。
 しかし本報告書が、普天間基地移設問題をめぐって日米同盟が危殆(きたい)に瀕(ひん)しているこの時期になぜ作成されねばならなかったのか、まことにもって不可解である。
 北岡伸一座長を初めとする優れた研究者を糾合し、密約に関する分析と検証に3カ月を費やして報告書が作成されねばならなかったのはなぜなのか。
 もちろん、岡田克也外務大臣による報告書作成の委嘱があったからである。

 ≪米国の核を遠のける思惑≫

 岡田氏は、かねてより非核三原則を制度化し、核先制不使用政策を米国に迫って、米国の核の傘から日本を少しでも遠のかせたいと考える政治家である。

 

 昨年以来、村田良平氏ら外務省次官経験者などから、1960年の日米安保改定に際して米軍の核搭載艦船の寄港、領海通過は日米の事前協議の対象外である旨の密約が存在するという発言が相次いだ。

 

 これを好機として岡田氏は検証を決意したのであろう。

 

 岡田氏とて検証を行えばこういった類の報告書が出てくることは予想したはずである。

 

 1981年、当時の毎日新聞記者、古森義久氏が元駐日大使ライシャワー氏から日米密約が存在するとの確証を得たいわゆるライシャワー発言のことを、岡田氏はもちろん知っていよう。

 

 安保改定の時点、日本の国内では東側に親和的な左派勢力が跋扈(ばっこ)して政治は左右に分裂していた。

 

 かかる状況にあってみれば、非核三原則を表で標榜(ひょうぼう)しながらも、裏では密約によって米軍の核抑止力に依存するより他なしと考えたのは、愛国的指導者であれば当然のことであろう。

 

 ≪不正直とは幼児的な判断≫

 

 国民の多く、少なくとも外交と安保に関心をもつ日本人であれば、米国の核の傘の下で自国の安全が確保されているのであるから、非核二・五原則も致し方ないとしてこれに暗黙の了承を与えていたのであろう。

 

 それゆえ政権と政府は核密約の存在を、これが俎上(そじょう)に載せられるたびに否定しつづけてきたのであろう。

 

 これを曖昧(あいまい)だとか不正直だというのは少々幼児的に過ぎまいか。

 

 曖昧といったが、米国の核戦略自体が曖昧戦略、すなわち核抑止力を効果あらしめるには核の存在を肯定もせず否定もしないというものであり、この核戦略と折り合いをつけなければ、有効な日米同盟の維持は不可能だったのである。

 

 米国による核抑止力維持と日本の非核三原則の2つをバランスさせるには、密約は不可避の外交的「狡知(こうち)」であった。

 

 密約といい狡知といい響きはあまりよくないであろうが、少なくとも政治家と呼ばれる者には、外交とは元来がそういうものだという構えがなければならない。

 

 1961年には朝鮮半島で南北対立が激化しこれに呼応して韓国で軍事クーデターが発生、1962年には旧ソ連がキューバに核配備を目論(もくろ)んで米ソが一触即発の事態となり、中国が1964年に原爆実験、1967年に水爆実験を敢行した。

 

 このような不穏な情勢を前にして非核三原則はあまりにリアリティーを欠く理想論であった。

 

 昨年12月に故佐藤栄作元首相の家で朝鮮半島有事の際の沖縄への核配備に関する佐藤=ニクソン合意のメモが発見された。

 

 有識者委員会は、この合意は密約には当たらないとしたものの、この種の合意なくして沖縄の返還がありえたとは考えにくい。

 

 ≪ただの「気迷い」に終わる≫

 

 検証すれば当然出てくるはずの密約の数々を、いまの時点で洗い出そうとする現政権の真意は一体何か。

 

 委員会の報告書を受けて岡田氏は“これが日米安保体制の運用に影響を与えることはない。

 

 非核三原則を見直すこともない”旨を表明した。

 

 それでは再び何のための検証だったのか。

 

 米国の核戦略に対する日本人の不信感を強め、有事の際の核持ち込みを否定する論拠としてこの報告書が用いられはしまいかという米国の対日不信を増幅させただけである。

 

日米双方にアンチフィーリング(反感情)を拡大するだけの効果しか残さなかったではないか。

 

 外交と安保については、検証、透明性、説明責任というお定まりの概念を自己目的化してはならないと私は考えるのだが、どうやら今回の報告書は現政権の幼い意図を反映してその自己目的化に「貢献」してしまったのではないかと恐れる。

 

 そういえば、報告書を受けて岡田氏から具体的に出されたのは、みずからを本部長とする外交記録公開・文書管理対策本部設置の提案のみであった。

 

 北朝鮮が核ミサイル保有を宣言する時期がほどなくやってこよう。

 

 アジアの核大国中国が東シナ海の制海権を掌握する日もそう遠くはあるまい。

 

 米国の核の傘の下で安全を保障されている日本が非核三原則との整合性をどう国民と米国に向けて説明するのか、安全保障政策の基本戦略を打ち出そうという構えをもつことなくなされた核密約検証は、ただの気迷いである。(わたなべ としお)

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 沖縄の学者は日本国民を信用しないそうです。

 

 だから米軍が日本に駐留し、日本の自主防衛も抑え続けてほしいというのです。

 

 なんかおかしくて、悲しい話ですね。

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【外信コラム】ポトマック通信 ビンのフタ論


 

 日米安保に関する「ビンのフタ論」を久しぶりで聞いた。
 日米同盟の効用の一つは日本が自主防衛に走り、軍国主義の道を歩むのを在日米軍の存在や米国の日本防衛誓約で抑えることだという論である。
 危険な日本をビンの中に入れ、米国がそのフタをするというのだ。
 かつて沖縄の米軍海兵隊司令官がそんな発言をして、すぐ更迭された。

 今回は日本側発の「ビンのフタ論」だった。

 

 ワシントンでこのほど開かれた「アジア地域の安全保障と日米同盟での沖縄」というセミナーでの沖縄国際大学の佐藤学教授の発言だった。

 

 東西センターや北海道大学、笹川平和財団の三者共催の同セミナーの沖縄と日米同盟についてのセッションでは佐藤教授が報告者として普天間飛行場はそもそも不要だと述べ、米軍の駐留理由に関連しても中国の軍拡や北朝鮮の核も特に日本への脅威ではないと明言した。

 

 つい私が「では日米安保や日米同盟にそもそも反対なのでしょうか」と問うと、佐藤教授は「いや賛成です。なぜなら私は日本の国民を信用しないからです」と答えたのだった。

 

 日米安保がなければ、日本の政府や国民は自主的な防衛政策を求め、危険な道を進みかねないから、日米同盟で米国がそれを抑えておくことが好ましい、というのである。

 

 実にすっきりした「ビンのフタ論」だった。

 

 沖縄の学者の日本国民観というのはこれほどなのかと、普天間問題の難しさを改めて思わされた。

 

(古森義久)

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グーグルがついに中国本土からの撤退を決めました。

 

中国当局の執拗な検閲に抵抗した結果です。

 

米中関係では経済での協調は良好といわれてきましたが、いよいよその経済面での両国の利害が露骨にぶつかるようになりました。

 

その状況を産経新聞で報道しました。

 

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グーグル撤退 米中対立、さらに悪化 「人民元」契機に表面化


 

 【ワシントン=古森義久】
 米中関係の多様な領域のなかでも協調が強かった経済面で両国の対立が表面に出て、険悪な様相を呈してきた。
 人民元の通貨レートをめぐり米国議会が中国のへの制裁も辞さない姿勢をみせたのに対し、中国の商務相が報復を言明したことは米側でもとくに波紋を広げた。
 米インターネット検索大手グーグルの中国本土撤退の動きもさらに事態を悪化させている。

 

 中国の陳徳銘商務相は米紙ワシントン・ポストとの会見で「米国が中国の通貨レートでの不当な要求をぶつけ、制裁措置などを取れば、中国も報復し、米国が結局は苦しむだろう」と言明した。

 

 この言明が22日にワシントンで流れ、議会や政府関連機関の関係者の不満や懸念を高めた。

 

 米国議会では3月中旬、下院議員約130人が米財務長官に書簡を出し、中国当局が人民元レートを操作して不当に低く設定していると述べ、財務省が4月15日の定例の「通貨レート操作報告」で中国を明記して非難することを求めた。

 

 上院でも民主党有力政治家のチャールズ・シューマー議員らが中国に人民元の切り上げを求め、実行しなければ、制裁として中国製品の米国への輸入に特別関税をかけることなどを盛り込んだ法案をすでに提出した。

 

 米中間の経済や貿易の摩擦では中国と実際のビジネスをする米国企業代表たちが一貫して緩衝役となってきた。

 

 中国側の主張に理解を示し、米国の政府や議会の強硬路線を抑えるという動きも多かったのだが、全米商工会議所のマイロン・ブリリアント副会頭は21日、「中国側はもう米国実業界に抑制役を期待することはできない」と述べ、米側の議会や政府の中国に対する強硬な経済、貿易の措置を止めたり、緩めたりする役割を果たせなくなった、と言明した。

 

 同副会頭はその理由として議会の広範な硬化と中国側の外国企業差別の政策をあげた。

 

 事実、在中国の米国商工会は会員企業のアンケート調査として、「外国企業差別や一貫しない法的処遇のために中国ではもう自社は歓迎されないと強く感じる」と答えた企業が全体の38%に達したという結果を3月中旬、発表した。

 

 中国政府はこうした米中両国間の経済・貿易関係の険悪化に対応して鍾山商務次官を24日からワシントンに派遣する。

 

 鍾次官はオバマ政権の当局者や議会の代表と会談し米中間の対立減少に努めるというが、現状は極めて厳しいといえる。

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 オバマ大統領が必死に押していた医療保険改革法案がやっと連邦議会の下院本会議を通りました。僅差でした。

 

 この可決はオバマ大統領の勝利といえるでしょう。

 

 しかし他の多くのことをも意味しています。

 

 そのへんの解説を書きました。

 

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米医療保険改革法成立へ 「大きな政府」反発強く 国内政治さらに分裂の恐れ


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21日、ワシントンの米連邦議会議事堂前で、プラカードを掲げ医療保険改革法案に反対する人々(ロイター)

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 【ワシントン=古森義久】米国議会下院での医療保険改革法案の可決はオバマ大統領のリベラル政策の主要な前進として歴史的な意味が語られることとなろう。
 一方、医療という国民生活の最も私的な領域の国営化への動きを「大きな政府」の介入として反発する米国独特の潮流もなお強く、国内政治のさらなる分裂も予測される。

 下院での投票がいかに僅差だったかは単に数票という票差だけでなく、オバマ大統領がオーストラリア、インドネシアという主要同盟国、親米国への公式訪問日程を二度も変えてワシントンに残り、投票日の当日にも妊娠中絶についての特別の大統領令を緊急に出したことにも反映された。

 

 その背後には一般国民の多数派が今回の「オバマ医療改革案」に強く反対するという大きな現実があった。

 

 21日に公表されたラスムセン全米世論調査では大統領の改革案への賛成は41%、反対は54%だった。

 

 オバマ大統領とペロシ下院議長ら民主党議会首脳はためらう民主党議員に最後まで猛烈な圧力をかけ、全体の逆境をはね返したわけだが、なお与党側34議員が反対票を投じたことの重みは大きい。

 

 オバマ大統領がこの改革で究極の目標とする国民皆保険はここ半世紀も民主党リベラル派の悲願だった。

 

 近年では1993年にクリントン政権がヒラリー夫人の主導で国民皆保険を試み、無残に失敗した。

 

 オバマ大統領は就任後まもない昨年3月から医療保険改革に本格的に取り組み、以来、一貫して施政の最優先課題としてきた。

 

 その集中ぶりは他の内政問題や外交課題に犠牲が出るとされるほど徹底していた。 

 

 オバマ氏のこの姿勢は彼が実利的な政治体質をちらつかせながらも、政治家としての核心はリベラリズム信奉のイデオローグだろうという評を裏づける結果となった。

 

 今回の大統領の政治軌跡は有力政治評論家のチャールズ・クラウトハマー氏の「オバマ氏は外交にも経済にも真の関心はなく、ただひとつ米国の政府と国民との関係をトランスフォーム(変容)することだけに熱意を抱いている」とするオバマ政治の特徴づけにも合致してみえた。

 

 しかしこうしたオバマ氏の医療保険に示される「大きな政府」の基本姿勢に対しては保守派、中道派からは「国営が民営を圧することでの民間産業の活力の衰え」や「医療面での個人や民間の選択の自由の政府による抑圧」という非難がぶつけられる。

 

 米国古来の個人の自由と権利という次元に戻ってまでの哲学的な反撃が加えられる。

 

 そしてより身近な課題として政府が医療を受託することの巨額の経費をどう調達するかが問われることとなるわけだ。

                   ◇

 ■医療保険改革のポイント

 ・中低所得者向けの減税措置や低所得者向け公的医療保険(メディケイド)の対象拡大により、約3200万人が保険加入。

 ・既往症が原因で患者の保険の適用を拒否する民間保険会社の慣行を禁止。

 ・費用は10年間で9400億ドル(約85兆円)。財源は、高所得者や高額保険への課税、高齢者向け公的保険(メディケア)の支出削減で捻出(ねんしゅつ)。

 ・保険未加入者や従業員に保険を提供しない企業には罰金を科す。

 

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