2011年06月

対中ODAの再開是非をめぐる議論です。

 

青木直人、高原明生両氏の意見表明です。

 

青木氏の言葉で注目すべきなのは、中国が日本からの経済援助によって軍事能力を高めてきたことです。

 

日本政府は中国の鉄道の建設、電化、整備に巨額の資金を提供し、そのことを中国の経済開発に役立ったなどと、自己宣伝してきた経緯がありますが、中国の人民解放軍にとっては歴史的にも、現在も、鉄道は軍備力整備の重要な基盤なのです。

 

そのうえに日本政府は空港、高速鉄道、光ファイバー通信網など、みな軍事目的に資する援助プロジェクトに多額のODAを投入してきました。

 

考えてもください。日本の国民の血税や公的資金が中国の人民解放軍の活動の強化に費やされてきたのです。

 

高原氏の議論はこの「軍事」という点からはまったく顔を背けているようです。

 

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【朝刊 オピニオン】


【金曜討論】対中ODAの継続 青木直人氏、高原明生氏

 

青木直人氏

 

高原明生氏

 

 東日本大震災に巨額の復興資金が必要とされる中、世界第2位の経済大国となった中国に対するODA(政府開発援助)について注目が集まっている。前原誠 司・前外相は3月、援助額を大幅削減する方向で外務省に見直しを指示したと明言。丹羽宇一郎・駐中国大使は同月、自民党の外交部会などで「国益のために必 要だ」と継続の重要性を強調した。継続か否か。ともに中国情勢に詳しい東大教授の高原明生氏と、ジャーナリストの青木直人氏に見解を聞いた。(溝上健良)

                   ◇

 ≪青木直人氏≫

 ■効果はない、すぐに中止を

 --これまでの対中ODAに効果があったと思うか

 「なかったと思う。中国では南京事件の犠牲者数の誇張も含め、一貫した反日教育がなされている。両国の国民感情を考えると、とても成功とはいえない。軍事的にも日本にとって最大の脅威になってきた。何より中国では、援助を受けていることが国民に明らかにされていない」

 ●透明性がない

 --対中ODAのどこに問題があったのか

 「一番の問題は透明性がないことだ。対中ODAによる事業をどの企業が受注したか、外務省は明らかにしていない。中国を抜いて最大の被援助国となったイ ンドネシアへのODAについては、スハルト政権時代の腐敗につながったとして国会やメディアで大問題になったが、対中ODAについては同じ構図があっても ほとんど問題にされない」

 --そういうことになっている原因は

 「日本の外務省もODAは(外交上の)武器だといいながら、外務省のホームページをみても中国語でのODAの説明は何もない。中国の人は日本の外務省のページにアクセスできるのに。中国政府が国民に周知しないなら、日本が発信すればいい」

 --中国は世界第2位の経済大国になった

 「まだまだ内陸は貧しいと中国政府はいうけれど、軍拡に使う金があるのなら内陸部に回すべきだ。自分たちの内政問題であり、他国に援助をたかるべき話ではないだろう」

 --中国はアフリカなどに対してODAを実施している

 「その一方で日本からはODAをもらっている。まったく変な話だが、それは日本側に、ODAを出すことで利益を得る集団があるからだ。円借款で建設された鉄道や道路、港は軍事的にも利用されている。そもそも、よその国に援助する金があるなら内陸部に回せばいい」

 ●援助の理念が不明確

 --対中ODAはすぐにでも中止すべきか

 「そう思う。援助の理念も明確でない。ましてや相手は『尖閣諸島は自国領』などといっている国だ。外務省は国民が納得できるような、過去の対中ODAの総括文書を公表すべきだ」

 --世界第2位の経済大国が援助を受けるなど、中国のプライドが許さないのでは

 「もらえるものはもらっておこう、ということ。第二次大戦の賠償金は昭和47年の日中共同声明で周恩来首相(当時)が放棄しているのだが、中国にとって日本からのODAは戦勝国への“賠償金”という感覚なのだ」

                   ◇

 ≪高原明生氏≫

 ■まだ途上国、援助は必要だ

 --世界第2位の経済大国に対して、まだODAは必要か

 「外貨保有高世界一の中国へは本来、援助する必要はないが、余っているお金の分配がうまくいっていない。地方では資金の足りないところがたくさんある。開発ニーズはまだ多く、それは中国がまだ発展途上国であるということで、援助の必要はある」

 --中国はアフリカなどへODAを実施しているが、むしろ“自国への援助”をすべきでは

 「その通りで今後、日本は中国と協力して内陸で必要なプロジェクトを実施すべきだ」

 ○日本国民に見える形で

 --今後はどこに重点を置いて支援すべきか

 「もっと日本国民に見えやすい援助をする必要がある。地域の面では中国の東北地方への重点的な援助、分野では貧困解消や衛生、教育、環境がいいだろう。中国の沿海地方や大都市では富裕層が厚みを増しているのだから、日中が協働する仕組みを作るのがよい」

 --中国の国民にも日本の援助は見えにくい

 「もっと広報をせねば。それは中国政府に期待するというよりは日本政府がやるべきだ。日本人ですらあまり知らないのだから。メディアもODAについて報道してほしい。それは国民の外交センスが高まることにもつながる」

 --過去の対中ODAには効果はあったか

 「そういえると思う。これまでどんな援助をしてきたかの記録をまとめて公表することが、両国間の関係発展にとっても重要だ」

 --政治的にはどんな効果が

 「援助開始当初の重要な目的に中国を文革時代に戻さず、改革・開放を支持するということがあった。これは大成功だったと思う」

 --経済的な面では、援助で日本にもメリットはあったか

 「もちろんだ。中国が市場経済化を目標に掲げてから、日本は中国の発展によってどれだけ裨益(ひえき)したことか。今では多くの国が中国の経済成長に頼っている状況だ」

 --環境分野については、今後も支援していく意義は大きいか

 「大きい。中国も頑張ってはいるが、環境汚染は深刻化していく可能性が高い。環境分野への援助は、中国に対してだけでなく日本のためにもなる」

 ○人道主義の観点必要

 --有人宇宙飛行や空母建造までしている中国への援助には違和感をもつ人もいる

 「中国には遅れている面もある。ODAは経済効果・政治効果・人道主義を目的に援助するものであり、人道主義の原則から、中国へのODAは当面続ける必要がある。いずれ援助をやめる日がくるだろうが、日本は隣国として最後にやめる国になるべきだ」

                   ◇

【プロフィル】青木直人

 あおき・なおと 昭和28年、島根県生まれ。58歳。中央大卒。フリーのジャーナリストで専門は中国・朝鮮半島情勢。20年以上前から対中ODAを取材 し、著書に「中国に喰い潰される日本」「中国ODA6兆円の闇」など。平成21年からメールマガジン「ニューズレター・チャイナ」を配信中。

                   ◇

【プロフィル】高原明生

 たかはら・あきお 昭和33年、兵庫県生まれ。53歳。東大法学部卒、英サセックス大開発問題研究所博士課程修了。立教大法学部教授などを経て平成17 年、東大法学部教授。専門は現代中国の政治と外交。アジア政経学会理事長。著書に「毛沢東、トウ小平そして江沢民」(共著)など。

 

 

 

 

 




平成23年 (2011) 6月24日[金] 先負

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 東日本大震災が日米関係に与えた影響がいろいろ論じられています。

 とくに日米関係のカナメである日米同盟にどんな変化をもたらしたのか。

 

 このテーマについて東京の日本工業倶楽部から講演を依頼されて、数日前に一時帰国した際、お話しをさせていただきました。

 

 その講演の内容を草稿から紹介します。

 

                 =========

          

日本工業倶楽部

 

       古森義久講演概略

    「大震災と日米同盟

                                 

    2011年6月23日

 

 本日はお招きをいただき、ありがとうございました。この場ではちょうど昨年のこの時期、「どうなるのか、日米関係の行方、ワシントンからの報告」というタイトルでお話しをさせていただきました。今回のご報告も広い意味ではその続きとなりますが、ただしその間に東日本大震災という歴史的な規模の天災が起き、日米関係にも重大な影響をさまざまな形で与えました。そこで、本日はその大震災以降のアメリカ側の状況をご説明し、日米関係の基盤となる安全保障上のきずな、つまり日米同盟がどんな現状にあり、どんな展望が描かれるのか、をお話ししたいと思います。

 

私は日ごろワシントンを拠点とし、日本に報道や評論を送る新聞記者活動を続けています。産経新聞の記者ですが、その前は毎日新聞記者としてベトナムやワシントンで特派員活動をしてきました。産経でも北京やロンドンにも駐在してきました。現役の記者、とくに海外特派員としては最古参の部類です。ワシントンでの活動だけでも、駐在が通算3回、合計の期間はすでに20数年となります。その長い体験でも、今年3月11日の東日本大震災という出来事は日本自身にとっての衝撃や痛手は言わずもがな、アメリカ側にも、そして日米関係にも、比類のない巨大なインパクトや深遠な意味を投げかけることになった、と痛感しました。

 

さてその3月11日の時点での日米同盟というのは、どんな状態にあったのか。簡単にいえば、まあ、なんとか従来のきずなの基本は保たれていくだろうが、なお不安はふっきれない、という状況でした。それまでの揺れが激しかった。日米関係全体でも鬱々とした不安定な状況が続いていました。鳩山政権時代に日米同盟ははっきり危機と呼べる異常事態に直面していたのです。なにしろ日本の総理大臣が日本はアメリカから離れ、中国との中間に立って、架け橋の役割を果たすという。アメリカの市場原理主義にはついていけないと、批判をする。沖縄の米軍基地移転についても、年来の日米合意をまったく無視するような発言を続ける。しかもその発言が二転三転して、なにが本当だか、わからない。それにはオバマ政権の高官たちも、イライラする。ついに鳩山首相をルーピー(愚かな)と呼ぶ声が出る。このままだと日米同盟は一体どうなってしまうのか、と真剣に懸念されるほどでした。だから昨年6月の鳩山首相の辞任は日米関係では久しぶりに、ほぼ唯一の明るいニュースだと感じたものです。鳩山政権はこと外交に関しては悪しき政治主導の強烈な実例だとも感じました。

 

 その後に登場した菅直人首相は「日米同盟は堅持する、日本の外交の基軸にする」というスタンダードな言明をまず内外に向けて発表しました。ごく当然の政策表明ですが、前任者の日米同盟に背を向けるような言動の数々に比べれば、日米双方の関係者たちをほっとさせる言明でした。しかしそれでもなお、菅首相が日米同盟を「緊密かつ均等にする」とか「深化する」と述べても、うつろに響くという状況が続きました。菅首相や仙石由人氏ら民主党幹部たちには、日米安保条約に反対、あるいは少なくとも疑問を提起し続けた活動の軌跡があります。アメリカ側もそれはよくわかっています。さらに菅政権は日米同盟の深化の当面、最大の障害になっている普天間基地移設の問題に関しても、解決に向かっての具体的な措置はなにもとろうとしない。アメリカ側には、なお菅政権に対して、日米同盟への真の考えや取り組みがよくわからないという不安感が強かったといえます。(つづく)

 

 

 この問いへのまともな答えは「とんでもない」でしょう。

 

対中ODAを最初に正面から取り上げて報道し、その疑義を強調した記者として、今回の世論調査の結果は、はるばると来つるものかな、と感じます。

 

でも日本国民の思考というのは健全なのだなと、気をよくしています。

 

 

【朝刊 オピニオン】
【私も言いたい】テーマ「対中ODAの継続」 97%が「援助必要ない」

 

 「対中ODAの継続」について、21日までに8239人(男性7245人、女性994人)から回答がありました。

 「対中ODAは継続すべきか」については98%が「NO」。「ODAに日中関係を改善する効果があったか」という設問には、89%が「なかった」と答えています。「現在の中国に外国からの援助が必要か」については、97%が「必要ない」としています。

                   ◇

(1)対中ODAは継続すべきか

    2%←YES  NO→98%

(2)ODAに日中関係を改善する効果があったか

   11%←YES  NO→89%

(3)現在の中国に外国からの援助が必要か

    3%←YES  NO→97%

                   ◇

 ○「政治カード」に

 中国在住・女性会社員(26)「中国の経済規模は確かに日本を上回ったが、まだまだ貧しくて学校に行けない子供がたくさんいる」

 岐阜・男性会社員(26)「ODAを単なる経済援助としてあつかうのではなく、相手国に対しての『政治的カード』と見なしていくべきだ。中国に対して、 好印象を持てないのは分かるが、現在、世界最大規模の内需を保有していることは事実であり、これは日本にとってはチャンス」

 福岡・男性教師(51)「ODAが中国の経済発展に寄与したことは中国も認めている。その中国の発展が日本の経済を支えていることも事実。資金的な援助 は不要だが、最大の貿易相手国である中国には、経済関連の法整備の支援(日本の経験の伝授)や、相互理解促進のための青年同士の交流事業などを継続してい くべきだ」

 中国在住・女性会社員(34)「ODAの話を中国人にすると『日本はいい支援を中国にしてくれている』と感謝される。現在の中国にも、貧しい人々は多い。その人たちを支援するために継続すべきだ。日中関係を改善していくにはODAが必要だ」

 ●やめてしかるべきだ

 神奈川・無職男性(49)「とっくにやめてしかるべきだった。(日中の)関係改善に何の役にも立っていない。そもそも反日教育を行っている国に、なぜODAなど行う必要があるのか」

 熊本・自営業(44)「世界第2位の経済大国であり、有人宇宙飛行をも成し遂げた大国に対し、血税を使ってODAを行うなど、ばかげている」

 大阪・男性自営業(40)「中国の対日姿勢を見ると、とても援助された側の対応ではない。感謝の意を示せ、とは言わないが、友好や協力といった姿勢を見せてほしい。また、日本の援助について中国国民は認識不足。これでは日本の『やりがい』がない」

 東京・男性会社員(41)「アフリカの資源産出国に経済援助ができる余裕のある国に、ODAを与える必要はない。既に日本から有償で与えたものは繰り上げ返済を要求してもいいと思う」

 東京・男性会社員(50)「これまでの効果は否定しないが、一定の役割は終えたのではないか。過去の外交的経緯や財政的な優先順位を考えれば、継続は不要と言うしかない」

 海外在住・女性会社員(40)「まだ継続しているとは知らなかった。直ちに停止すべきだ。捨て金どころか、日本を脅かす資金を出資しているようなものだ」

                   ◇

【用語解説】対中ODA

 昭和54年の大平正芳首相訪中を機に始まった対中ODA(政府開発援助)は(1)円借款(貸し付け)(2)無償資金協力(贈与)(3)技術協力(無償) で構成され、平成21年度までの総額は3兆6千億円に達しています。このうち3兆3千億円に達した円借款については19年度で終了。環境保全などが対象の 無償資金協力と技術協力は現在も続いており、21年度は約46億円でした。

                   ◇

 


平成23年 (2011) 6月24日[金] 先負

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中国が日本の新幹線の技術や製品を明らかな知的所有権違反の方法で取得して完成させた高速鉄道車両をアメリカで特許申請するそうです。

 

 なんとか猛々しいとは、まさにこのことでしょう。

 

 それにしても驚嘆すべきは中国の厚かましさと同時に、日本側の関係者の愚かさでしょう。にせものの「対中友好」 そして媚中の危険がここでまた立証されました。

 

 私が北京に駐在した10ほど前には日本側の官民で「中国に新幹線を輸出して、日中友好を!」という声がしきりにあがっていました。日本のODAまで動員して、中国に日本の新幹線一式をあくまで「日本製」として輸入してもらおうという掛け声でした。

 

 しかしいまとなっては、中国側は日本の技術だけをいいところ取りして、「中国製」にしてしまおうという計算だったことが明白です。

 

 こうした中国側の策謀を見破っていた少数の識者も日本側に存在したことが、唯一の慰めかもしれません。JR東海の葛西敬之氏です。

 

  ではまず、最新の動きです。

【朝刊 経済】


日独から技術供与 中国版新幹線を 米で特許申請へ


 

 
 

 
 

 
 

 来月1日 北京-上海見切り発車

 【上海=河崎真澄】23日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、中国の鉄道車両メーカー、南車集団が中国版新幹線の車両「CRH380A」の技術特許を 米国で申請する方針だと報じた。

 

 将来の車両輸出をにらんだ作戦とみられる。

 

 南車集団は独自開発を主張しているが、実際は川崎重工業など日本企業が開発した 新幹線「はやて」の技術供与を受けて改造した。

 

 中国版新幹線には手抜き工事などの指摘もあり、北京-上海線の7月1日開業は“見切り発車”だとの声が高 まっている。

 

 中国鉄道省は23日、北京と上海を最短4時間48分で結ぶ高速鉄道「京滬(けいこ)線」を中国共産党の創立90周年記念日の7月1日に正式開業させると発表した。南車集団が特許の申請を予定している「CRH380A」型車両も採用されている。

 

 同社は、営業運転時の最高時速を引き上げるため車両の車台部分やロングノーズ(先端部)などが、中国の独自技術で作られたなどと主張して特許申請する。

 

 ▼輸出は契約違反 

 しかし、中国鉄道省の元幹部、周翊民氏が証言したとして21日付の中国紙、21世紀経済報道が報じたところによると、中国の高速鉄道車両は日本やドイツ からの導入技術がほとんど。欧州系メーカーから「技術供与はあくまで中国国内での使用に限定している」として、車両輸出は契約違反と警告されているとい う。

 

 川崎重工は「どのような技術が特許申請されるか確認が取れないので、回答を差し控えたい」としているが、欧州も含めた特許紛争に発展する可能性もある。

 

 一方、周氏はそれ以外にも、中国版新幹線の営業時の最高時速が当初計画の350キロから300キロに引き下げられた問題に関し、汚職で2月に失脚した劉 志軍・前鉄道相が「世界一」にこだわり、安全性を無視して最高時速を350キロに設定するよう命じていたと暴露。技術供与元の日独企業から時速300キロ 以上の営業運転は設計上も乗客の安全を保証できないと指摘され、前鉄道相の更迭後に方針変更したという。

 

 ▼手抜き工事横行 

 周氏は、路線の安全設計や工事が不十分で、地盤沈下による走行支障が起こり得るなど土木工事の問題も告発している。また、香港紙は、高速鉄道の建設に携 わった技術者が、工事代金にからむ汚職の結果、手抜き工事が現場で横行したと証言し、「自分は絶対に乗らない」と、不信感をあらわにしていると伝えた。

 

 京が北京、滬が上海を意味する京滬線は全長1318キロの専用路線で、所要時間は在来線の半分以下に短縮される。2008年4月に着工し、強制的な土地 収用が可能な共産党政権下ながら、わずか3年あまりの突貫工事で建設された。国威発揚の期待も高い京滬線は安全性を置き去りにしたまま動き出す懸念があ る。

 

                                                       =========

 

さてこの同じ問題で以前に取り上げた記事類を再びここ紹介しておきます。
             
             
             
             
             
             

  日本の新幹線技術が中国にそっくり利用された。(2010年11月)

 

 

 おもしろいニュースがウォールストリート・ジャーナルに出ていました。日本の新幹線技術が中国に「盗用」され、中国製の高速鉄道や高速列車として全世界に輸出されつつある、というのです。

 

 私が中国に駐在していたころ、日本の政府も民間も「中国に新幹線を売り込もう」というキャンペーンに熱をあげていました。日本の政府は中国ODAを与えて、その資金で日本の新幹線を導入させようという計画まで立てていました。

 

 ところが中国は買うようなそぶりをみせながらも、買いません。その一方、ヨーロッパのフランスやドイツの高速鉄道にもその気をみせ、各国を競争させるのです。

 

 それから10年後、中国は日本の新幹線より高速の列車を「自主的」に開発して、世界の各国へ売り出そうとしています。ところがその技術はどうみても、一部、中国に売られた日本の新幹線の技術そのものだというのです。

                       (中国の最新の高速列車)

 

 この報道のとおりならば、日本は墓穴を掘ったことになります。独自の世界に冠たる製品と技術を中国に売ったら、それをそっくり盗用され、完全な中国製の製品として各国に輸出されてしまったのです。

 

 しかしこの日本側の「中国に新幹線を売ろう」ブームのなかで、いまからみれば最も見識があったといえるのはJR東海葛西敬之氏でした。ブームのなかで超然と「中国に新幹線は売らない」と明言していたのですから。

 

                                  ========

日本の鉄道技術“盗用”中国が各国に売り込み攻勢
  • [ワシントン=古森義久】 中国の国有企業が日本の高速鉄道技術を基礎に日本製より速度の高い高速列車を作り、中国独自の製品として諸外国に売り込もうとしていることについて、日本 側から「約束違反」との抗議が起き、新たな日中摩擦となりつつある。米紙ウォールストリート・ジャーナルが18日、報じた。

     同紙は「(各国の)列車製造者たちは中国の高速のデザインに非難の声を高めている」との見出しの記事を掲載。その中で、日本の川崎重工業やドイツのシーメンス、カナダのボンバルディアなど鉄道建設各社がここ数年、中国に高速鉄道の列車や技術を売り込んできたものの、中国企業が外国製より速い列車を開発して米国やサウジアラビアブラジルなどに売り込もうとし、外国企業が不満を高めている、と指摘した。

     

     青島に拠点をおく中国の国有企業「中国南車」(CSR)は最高時速約380キロの列車「CRH380A」を完成させ、開発は中国独自の技術の結果だと主張。ただ、CSRは2004年に川崎重工と契約を結び、新幹線の「はやて」9両編成分を輸入、中国領内で日本の技術を利用して計51両を製造した。川崎重工は中国側の「独自技術を開発した」との主張には明確に異論を唱えているという。

     

     中国の国有鉄道関連企業は高速鉄道の売り込みを国際的に広げ、ベネズエラやトルコでのプロジェクトに参入し、日本企業の強力な競争相手となっているが、川崎重工は、中国に提供した技術は中国国内だけで使うとの約束があったと主張しているという。

     

     同記事は一方、日本や欧州企業には中国が高速鉄道でも知的所有権を違法に取得したとの見方が多いとし、中国側の今回の出方を予測して、新幹線の対中輸出を拒んだJR東海葛西敬之会長が「中国はすべての技術を無料で移転しようとした」と話したことを“先見の明”があったと指摘している。

    ======


 

日米同盟のあり方がまた真剣に論じられるべき時機のようです。

 

一つには中国の海軍の動きが日本の近海だけでなく、南シナ海、東シナ海全般で不吉にみえるほど活発になっています。堂々たる艦隊が沖縄沖を航行していきます。宮城沖にも別の艦艇群が登場しました。

 

ワシントンで開かれた日米両国政府間の2+2、つまり外務と防衛の閣僚の会談も、日米同盟についてきわめて具体的な合意を成立させました。

 

共通戦略目標とされる日本とアメリカが同盟に基づいて具体的に目指す防衛上の目的も打ち出されました。

 

 

http://gd.image-gmkt.com/mi/242/588/406588242.jpg

その日米同盟については私の近著が背景や経緯を立体的に解明しているつもりです。

 

この書で強調したかったのは、日米同盟には反対勢力が多々あったこと、その反対勢力はかなりの勢いを得ていたこと、しかもその反対勢力の内部にいた人たちの一定部分はいまの民主党政権にも入っていること、

などなど、です。

 

もし日米同盟がなかったら、と考えると、いまの中国の攻勢的な軍事活動もまた異なる妖光を放ってくるようにみえます。

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