2012年01月

アメリカの大統領選予備選では元下院議長のニュート・ギングリッチ氏が不死鳥のように、またよみがえりました。

 

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ギングリッチ氏はサウスカロライナ州の予備選で共和党候補の本命だったミット・ロムニー氏を破り、首位に立ったのです。

 

このギングリッチ氏とはそもそもどんな政治家なのか。

 

私は実は彼には1990年代はじめから注視してきました。保守主義の旗手、そして論客なのです。そのギングリッチ氏の政治軌跡の一環を私自身が以前に書いた記事から紹介します。

 

アメリカ大統領選挙の嵐ともいえる人物なのです。

 

 

衰退する米国へ保守理論展開 ギングリッチ下院議長、新著で話題さらう
1995年07月04日 産経新聞 東京朝刊 国際面


【ワシントン3日=古森義久】米国の保守主義のヒーローとして脚光を浴びるニュート・ギングリッチ下 院議長の著書が二日、全米で発売され、話題の輪を大きく広げた。「アメリカ刷新」と題されたこの書は四百五十万ドルの前払い金が一時、決まった注目の作 品。内容は下院共和党が同議長の主導で米国政治のパラダイム(規範)を変えたとされる政策集大成「アメリカとの契約」の続編といえ、「米国の伝統の価値観 の復活」「小さな政府」「官僚政治の排除」などを打ち上げている。

「アメリカ刷新」は大手出版社のハーパーコリンズ社から刊行された。この書は共和党が四十年ぶりに多数を占めた下院でギングリッチ氏が議長となった直後のことし一月、話が出た。

歴史学の教授で、新奇なアイデアにあふれ、すでに挑戦的な著書のあった同氏が下院議長となってからの初の新著とあって、大手出版各社が版権の入手を競い、 膨大な額の執筆前払い金を提示した。なかでも最高額の四百五十万ドルを申し出たハーパーコリンズ社が結局、版権を得た。

だが、この金額のあまりの大きさに民主党などから激しい非難が起き、ギングリッチ氏も当初はゴア副大統領らも多額の前払い金をもらって本を書いたではないか、と取りあわなかった。だが、「この問題で共和党の改革に悪影響を及ぼしたくない」として、四百五十万ドルを辞退し、一ドルだけを受領し、残りは印税収入のみという契約へと変えた。

その「アメリカ刷新」は「米国にとっての六つの挑戦」として、

(1)いま衰退し、逸脱しつつある米国の文明を本来の伝統へと戻す(個人の責任や個人の自由 に基づく米国本来の価値観は一九六五年以来、一部エリートにより変えられてしまった)

 

(2)米国の国際的な技術革新の第三情報時代への参入を急ぐ

 

(3)世 界市場での新たな経済競争に備え、国内のシステムを変革する(経済競争の能力を抑える政府の規制、税制、社会福祉、教育、官僚政治などを大改革する)

(4)福祉国家を機会社会へと変える(政府の援助への依存を奨励する福祉制度を根本的に変えて、個人の努力が成果を生む機会均等の社会を築く)

(5)中央 集権の官僚機構を改革し、規制を大幅に撤廃する(米国は首都に座っている官僚の中央集権で統治するには多様性、自由の度合いがあまりに高すぎる)(6)連 邦政府予算の均衡を実現する(種々の社会福祉や救済への政府支出が多すぎるため、このままだと連邦財政は破産する)-ことを列記し、それぞれについて対策 を具体的に提唱している。

世界の中の米国については、この書は他国の領土に野心を抱かない成熟した民主主義国家の米国はいま唯一の軍事超大国であり、混迷する世界では特別なリーダーシップを保持する責務がある、と述べる。

そのためには、米国は一定以上に強い軍事力を保つ必要があるとして、民主党の唱える軍事力の大幅削減には反対し、ギングリッチ氏自身、「私は安全保障に関してはタカ派であり、タカ派的な防衛政策こそが平和を守るのだ」と強調している。

日本に関してはギングリッチ氏の新著は意外に好意的で、一九五〇年に米国人のエドワード・デミング氏が日本の生産性向上を指導したことを詳述し、日本が米国よりも生産性の向上に努力してきたことを称賛している。

しかしギングリッチ氏は「集団の権利と個人の権利」については、個人の権利や自由の絶対的重要性を力説し、日本ふうの「集団のために個人を犠牲にする」といった思考を激しく排除している。

自民党はいまどうなっているのか。

 

ワシントンにも自民党の石原伸晃幹事長がつい最近、来訪しました。

石原氏はアメリカ側の各界要人多数と会談し、演説までして、日米同盟の重要性を強調し、中国の軍事脅威を指摘し、TPPについても柔軟な姿勢を示しました。民主党とは異なる日本の国益や国家観を踏まえての、なかなかの言動だと感じさせました。

 

ところが石原氏が代表する自民党の最大野党としての肝心の日本での言動がどうもはっきりしません。政党としてなにを目指しているのかが、わかりません。メリハリがないのです。

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当の石原幹事長も東京に戻ると、ワシントンでの明確な政策表明の態度とは打ってかわり、八方美人的な、言語明解、意味不明解の竹下スタイルに里帰りした観です。

 

さあ、自民党、これでよいのか。

 

産経新聞の社説もその自民党の「器量」の不足を批判しています。

 

 

【主張】自民党 責任野党の器量を見せよ
2012年01月21日 産経新聞 東京朝刊 総合・内政面

 野党第一党の自民党が、政府批判にとどまっている。

政府・民主党が「社会保障と税の一体改革」の大綱策定に向けた協議を野党に呼びかけたが、自民党は「密室協議になる」「改革案を閣議決定した後に国会で議論すべきだ」などと反論し、他の野党とともに参加を拒んでいる。

自民党はこれまでに自らが打ち出した改革案をさらに議論していると説明するが、詳細は明らかにしていない。社会保障の安定財源の確保策を含む対案を発表しなければ、政権の受け皿としての存在を示すことにはならない。

国民との長期契約となる社会保障制度は、政権交代のたびに変えるわけにいかない。国会で熟議を重ねるのは当然だが、与野党が議論に必要なデータなどの情報を共有し、中長期にわたる課題に取り組むことが不可欠だ。

自公政権時代には、自民党が民主党に協議を呼びかける側だった。野党になったら一転して拒否するのでは説明がつかない。民主党が野党時代に協議への参加を 拒否した責任も大きいが、重要政策を政争の具として、与野党協議が滞ってしまう“悪習”を自民党が率先して断ち切るべきだ。

政党間協議 が「密室」になるとは限らない。昨年は、東日本大震災の復旧・復興策や子ども手当の見直しをめぐる民主、自民、公明の3党協議なども一定の成果を挙げた。 平成17年、社会保障に関する衆参両院の合同会議が設置された例もある。議論をオープンにする工夫を凝らし、政策実現の場を設けることに力を注ぐべきだ。

与野党協議が重要な理由は、政府・与党の改革素案が多くの問題点を含んでいることにある。例えば、70~74歳の医療費窓口負担の2割への引き上げや、年 金の支給開始年齢の引き上げなど負担増につながる項目は軒並み見送られ、制度をいかに長続きさせるかの道筋が見えない。

最低保障年金の創設を柱とする新年金制度も盛り込まれたが、その実現には消費税率の引き上げ幅を「5%」よりも大きくする必要がある。これらの問題点や曖昧さをあぶり出し、見直しを加えていくのが与野党協議の意義だ。

社会保障改革はどの政権も避けて通れない。与野党が協力し、少子高齢化を乗り切る改革を実現することが政治の責任である。

 稲田朋美議員の最新の意見発表です。

 

 稲田議員は現実をきちんと認識するまともな政治家ですが、最近のTPP論議では、フライングと思われる、やや軌道はずれの意見を発表していました。しかし日ごろから彼女の議論は日本という国家への普通の認識から始まる常識的、現実的な主張ばかりです。

 

 今回は稲田議員は野田政権と民主党の公約違反を指摘しています。

  

 

 

 

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【正論】弁護士、衆議院議員・稲田朋美 増税の前にやるべきことがある


 

 野田佳彦首相が、「不退転の決意」で「政治生命をかけた」消費税増税が通常国会最大の課題だ。

 ≪政権公約撤回し真摯に謝罪を≫

 首相は「耳あたりのいいことを言って国民の歓心を買う政治ではなく、選挙が厳しくなるかもしれないが、辛いテーマも理解いただける政治を日本につくれる かの正念場だ」と言うが、「耳あたりのいい」「国民の歓心を買う」ことをいって政権をとったのは、ほかならぬ民主党ではなかったか。本心からそう思うな ら、まずマニフェスト(政権公約)を撤回し、国民に真摯(しんし)に謝罪すべきだろう。

 

 読者の方には、政権公約の中の「民主党政権が政策を実行する手順をご説明いたします」というページを読み返していただきたい。無駄遣いの排除と予算の組 み換えで平成25年までに16・8兆円を生み出し、子ども手当、高校授業料無償化、年金改革、医療、介護、農家戸別補償、ガソリン税引き下げ、高速道路無 料、雇用対策、最低賃金引き上げ、後期高齢者医療廃止を実行すると謳(うた)ってある。

 

 問題は、その16・8兆円に子育て、年金、医療、介護、雇用という社会保障の政策が入っていたことだ。民主党の本来の主張は、消費税を上げずに社会保障改革もするということだった。歴史的政権交代をもたらした公約の財源に、消費税増税は含まれていない。

  

 次に、「社会保障と税の一体改革」を言うのなら、社会保障改革の案を具体的に提示すべきであって、改革は先送りして増税だけというのでは看板に偽りありだ。

  

 国内総生産(GDP)の2倍もの債務を抱える借金大国で財政再建をしようと思えば、社会保障を抑制して増税する以外にない。

 

 首相はまず、できもしない「月額7万円の最低保障年金」の年金改革を取り下げるべきだ。民主党が昨春取りまとめた試算では、その実現には消費税を15% まで引き上げなければならず、それでも、平均的サラリーマン所得(年間400万程度)以上の層では、年金(所得比例年金+最低保障年金)は現状より下がる 計算になる。

 

 ≪議員百人、歳費5割削減せよ≫

 政府はこの試算を公表し、「月額7万円の最低保障年金」の年金改革はできないことを認めて謝るべきだ。素案では、平成25年に年金改革法案を出すとしているが、いつまで国民を欺き続けるのか。

  

 実現可能性のない年金改革を掲げ、2年後に法案を提出する予定だなどと言い繕い、「協議に応じろ」と呼びかけられても、野党として乗れないのは当然である。

 

 もちろん、GDP比2倍の借金は、票とおカネをくれる勢力におもねる政治をしてきたからであって、責任の大半はわが自民党にある。だから、自民党は下野したのであり、下野して当然だった。

 

 その反省をも込めていえば、社会保障を抑制して増税するという国民に大きな負担を強いる改革をする前にやるべきことがある。

 

 まずは、最高裁で違憲判決が出された一票の格差を是正し、政治家の都合による小手先の定数減でなく、衆院を中選挙区制にして、議員定数を100減らす抜本改革を提案する。

 

 次に、国、地方ともに公務員人件費の2割カット、さらに、政治家自らが覚悟をみせるという意味で、国会議員歳費の5割カットを提案したい。公務員の給料 切り下げ分と国会議員の歳費は、基礎的財政収支(プライマリーバランス)が黒字化し、財政が健全化すれば、元に戻してもよい。赤字経営を続けながら役員が 報酬を満額もらう民間企業は少なかろう。

 

 歳費を減らすと政治家が育たないと言う人がいるが、若手政治家が歳費の大半を政治活動につぎ込んでいること自体が問題なのであって、政治活動費について は、その政治家の思想信条への共鳴者から広く浅く個人献金を集められるよう一定献金額まで無条件で税額控除できる制度に改めるべきだ。そもそも、政治家に は、国家のために働くことに生きがいと誇りを感じる人がなるべきで、収入が少ないからなりたくないなどと言う人になってもらう必要はない。

 

 ≪社会保障改革は原則自立で≫

 社会保障改革でも、できるだけ国に頼らないことを前提とした制度を目指すべきだろう。例えば、相続税を支払う前に生前、国が負担した年金、医療、介護の 全額もしくは一部を、相続財産中の金融資産の範囲内で国に返還することも一法だろう。終末期医療も自らの意思で拒否できる制度を整えたり、働く能力のある 人には生活保護の代わりに雇用の場を提供したりすることも検討されていい。要は、社会保障を原則自立の例外と捉え直して、本当に国の手助けを必要とする 人々を対象としたものに変えていく、ということだ。

 

 社会保障制度は国の根幹を成すもので、そこには自民も民主もない。正しい制度を構築できなければ、道義大国は実現しない。しかし、これらの大改革を断行 するには強い政府でなければならない。破綻した公約の上に築かれた砂上の楼閣政権には、大なたなど振るえるわけがない。公約撤回-謝罪から始めるほかない のである。(いなだ ともみ)

 渡辺利夫氏が興味ある一文を発表しています。

 

 いまの民主党政権指導部に欠落しているようにみえる国家への健全な認識についてです。この点はいまの日本、いや戦後の日本に基底として流れる非常に不健全な心情の指摘につながっています。

 

 

【正論】日本再生の年頭に 拓殖大学総長・学長 渡辺利夫


 

 ■「忘れられた日本人」の再発見

 民俗学者の宮本常一が『忘れられた日本人』を著したのは昭和35年である。冒頭には、対馬西北部の小集落を歩きながら、そこここに昔から伝承されてきた 習俗のことが綴(つづ)られている。習俗とは、文化とか伝統といった表現で語ると抜け落ちてしまいそうな、人々のささやかで静かな生活の中に垣間みられる ものなのであろう。宮本には、村々の習俗のありようを紡ぎ上げ、読む者の眼(め)に浮かび上がらせる叙述の力がある。

 

≪宮本常一描く共同体の原風景≫

 村で何かの相談事が起こると、人々は講や辻に集まりひたすら話し合って大声を出す者はいない。語りに倦(う)めば勝手に場を離れ自宅に戻り飯を食ったり 一休みしたりして、また講や辻に赴いて語りに加わる。どんなに厄介な問題でも3日も話を続ければ大抵は片が付くという。共同体における人間関係の平等性、 自治と規律、相互扶助、日本人の原郷としての小集落の深々とした人間模様が宮本の著作には精細に書き込まれている。

 

 宮本は、昭和35年の時点で自身が描写した日本人はすでに「忘れられた」存在となってしまったとみていたのである。日本が高度経済成長、都市化、列島改 造の渦中に巻き込まれて社会の隅々までが変容を迫られたのは、本書が出版された直後からのことであった。太平洋ベルト地帯に向けて人口と労働力が唸(う な)りを上げるように押し寄せ、農漁山村は過疎化していった。忘れられたように秘めやかに存在していた共同体も、その過程であらかたが消失してしまったの ではなかったか。

 

 しかし、東日本大震災が私どもに露(あら)わにしたのは、少子高齢化に悩まされながらも逞(たくま)しく息づく共同体の姿であった。あの悲劇に立ち向 かったのは、共同体に寄り添い力を合わせて復旧・復興へと向かう血縁・地縁共同体の強靱(きょうじん)な絆であった。惨劇に見舞われながらも、地を叩(た た)いて泣き叫ぶ者はいない。巨大な悲しみが静かに広がっているだけであった。

 

 ≪被災地で隊員らが見せた国家≫

 秩序と規律を乱すことなく、死せる者を深く哀悼し自らを癒やしながら立ち直っていく人々の姿に、屈することのない共同体を私どもはありありと「再発見」 することができた。日本人は忘れられてはいなかった。血の通い合う共同体なくして人間は人生をまっとうできない。個としての人間がいかにも儚(はかな)く 頼りないものであっても、それぞれの個は共同体につながることによって生きる力を与えられるのであろう。

 

 しなやかな共同体に支えられて、国家もまた初めてしなやかな存在となる、そのように想像力を掻(か)き立てられた日本人も多かったのではないか。少なく とも私がそうだ。あの惨事に際して自己犠牲を厭(いと)わず救援活動に打って出た自衛隊、警察、消防、海保の隊員、医療従事者の行動の中に私どもが再発見 したものは国家ではなかったか。決して政府ではない。首相官邸の司令塔機能は信じ難いほどに拙劣であった。政府の対応がいかに拙(つたな)くても、むしろ 拙ければ拙いほど、人々は、公の意識をもって献身する隊員たちの行動の中に国家というものの存在を実感し心に深く刻んだにちがいない。

 

 国家とは国民が安んじてそこに帰属し、主権を断固として守り、国民の生命と財産を守護することを運命づけられた大いなる共同体である。政府とは、国家を 運営するために必要な機能体以上のものではない。災後に首相や担当大臣が発した言葉には嫌悪の情しか湧かなかったが、陛下が残されたビデオメッセージや被 災地慰問のお姿に心を揺るがせた国民はきわめて多かったと想像される。国民は国家と政府が異次元の存在であることを本能的に知っている。極限状況におかれ ていよいよ強く、そう知らしめられたのであろう。

 

 ≪国家観なき政府とは対照的≫

 それにしては、日本の執権政党の指導部が胸中に潜ませている、国家に対するあの「反感情」は何なのか。「社会全体で子どもを支える」といって家族再生産 の中心的存在である専業主婦を否定しようという「男女共同参画基本計画」なるものが策定されている。血族・姻族・配偶関係を曖昧化して家族を解体したいと いう情念のゆえなのか、「選択的夫婦別姓制」実現のための民法改正案の議会提出が繰り返されている。

 

 反国家集団を権力の内側に呼び込みかねない「人権侵害救済法」や「定住外国人地方参政権付与法」など、まっとうな国家観を持つ者からは出てくるはずもな い危うい法案が想定されてもいる。東日本大震災という一大悲劇に遭遇してなお、共同体と国家に対しこうもあからさまな反感情を募らせる政党に、私どもは政 治権力をたっぷりと与えているのである。

 

 2012年、国際秩序再編の激しい時代の始まりなのであろう。愚者と戯れている時間はもうない。志高き友よ、日本の伝統に深く思いを寄せ、新しき時代に向け和して心を構えようではないか。(わたなべ としお)

 さて台湾の総統選挙での現職・国民党・馬英九氏の勝利をアメリカはどうみるか。

 

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 オバマ大統領の報道官がさっそく声明を出しました。

 

 その内容は当然ながら、最初に馬総統の再選への祝賀表明です。

 

 そして台湾が民主的な選挙ときちんと実施して、その最高リーダーを選ぶことへの改めての歓迎を述べています。このへんには中国の独裁体制への婉曲な批判がにじんでいます。


 

 そしてさらに注視すべきは以下の一文でしょう。

 「(中台)両岸での恫喝のない環境での平和、安定、改善された関係はアメリカにとっては深遠な重要性を持っています」

 

 「恫喝」という言葉は当然ながら中国に向けられています。中国が台湾を恫喝するようなことがあってはならない、その恫喝のない状態こそアメリカにとっては超重要なのだ、と強調しているわけです。

 

 しかし中国に対する態度となると、明らかに野党の民進党が先を行っています。その民進党の候補の蔡英文氏が僅差で敗れたことはある意味では残念です。馬総統の下での中台接近が中国による台湾の取り込みへとつながらないことを願いたいところです。

 

 この点、アメリカが中国に対し台湾を恫喝するようなことがあってはならないと、警告した点は、注目すべきでしょう。

Statement by the Press Secretary on Taiwan’s Elections

 

We congratulate Ma Ying-jeou on his reelection and the people of Taiwan on the successful conduct of their presidential and legislative elections.

 

Through the hard work of its people and its remarkable economic and political development over the past decades, Taiwan has proven to be one of the great success stories in Asia. In this year's elections, Taiwan has again demonstrated the strength and vitality of its democratic system. We are confident Taiwan will build on its many accomplishments, and we will continue to work together to advance our many common interests, including expanding trade and investment ties.

 

Cross-Strait peace, stability and improved relations, in an environment free from intimidation, are of profound importance to the United States.  We hope the impressive efforts that both sides have undertaken in recent years to build cross-Strait ties continue. Such ties and stability in cross-Strait relations have also benefitted U.S.-Taiwan relations.

 

The relationship between the people of the United States and the people of Taiwan is based on common interests and a shared commitment to freedom and democracy. As we have done for more than 30 years, we will maintain our close unofficial ties with the people on Taiwan through the American Institute in Taiwan and according to our one China policy based on the three Joint Communiqués with the People’s Republic of China and the Taiwan Relations Act.

 

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