2012年03月

 オバマ大統領やオバマ政権が鳩山由紀夫首相にどれほどの怒りを感じ、それでもどれほど忍耐を続けたか。

 

 そのレポートの続きです。

 

 原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34803

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 だからこの構想にはオーストラリア、シンガポール、韓国、インドネシアの各国も明確に反対していたとのことだった。要するに鳩山政権はアジア各国の反対を押し切る形で東アジア共同体構想を進めようとしたと言うのだ。

 

 ベーダー氏は「鳩山政権のこうした言明は戦略的にも、外交的にも、日本の従来の立場にはあまりに矛盾していたが、正面から反発することを懸命で避けた」と述べ、オバマ政権内には鳩山政権のこうした動きへの怒りや不満が渦巻いたことを明らかにしていた。

 

 そして「鳩山政権のそうした矛盾した愚かな政策スタンスは日本国民の反発をも招き、日米同盟の現実の重みにも押しつぶされて、政権自体の命運を終わらせる結果となった」と総括していた。

 

 ベーダー氏はこの時期が米国にとって、さらには日米同盟にとっては、「非常に苦しく危険な時期だった」と評し、「それでもなお米国側の忍耐がどうにか最悪の危機を避けることとなった」とオバマ政権側に危機回避の功を与えていた。

 

 オバマ政権の内部には、鳩山政権の対米外交姿勢にこれほどの反発があったのである。だからオバマ政権の高官たちが鳩山首相自身を指して「ルーピー(愚かな)」と断じていたというのも、いわば自然ということになりそうだ。

 

 1人の無知な政治指導者の登場は、長年、両国民が汗を流して築いてきた日米同盟の基盤さえ一気に崩しかねない、ということでもあろう。

 (終わり)

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 こんな記事を書きました。

  橋下徹の画像

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【朝刊 総合・内政】


「橋下氏、キングメーカーになる」 マイケル・グリーン氏


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 □米国家安保会議 元アジア上級部長

 【ワシントン=古森義久】いま日本の政治を揺さぶる大阪市長の橋下徹氏と同氏が率いる「大阪維新の会」について、米国政府の元国家安全保障会議 (NSC)アジア上級部長、マイケル・グリーン氏が20日、「橋下氏は異色のリーダーシップ技量を備え、国政舞台では首相の任命を左右するキングメーカー となりうる」などと論評した。

 

 現在は戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長やジョージタウン大学教授を務めるグリーン氏は、アジアの新リーダーについてのセミナーで、「橋下氏への 人気は日本の政治での異色の重要現象で、同氏はポピュリスト(大衆に訴える政治家)として明確な技量を備えている」と述べた。

 

 グリーン氏は、日本では県や市などの地方自治体の長やそのグループが国政にすぐに進出することは構造的に容易ではないと指摘する一方、橋下氏がこの枠を 破って国政の場で活躍する可能性もあるとの見解を示した。その場合、「首相あるいは首相の任命を左右できるキングメーカーになることも考えられる。小泉純 一郎元首相のような国民の信託を得るリーダーになるかもしれない」という。

 

 日米関係への影響についてはグリーン氏は「橋下氏がたとえ首相になっても日米同盟支持、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)支持の立場を考えると、米 国との安保関係も経済関係も円滑にいくだろう」と語った。ただし、橋下氏の反原発の姿勢には「日本の経済を考えれば、夢想しているに等しい」と批判した。

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オバマ政権のアジア担当高官だったジェフリー・ベーダー氏の新刊書の内容紹介を続けます。

 

鳩山由紀夫首相が唱えた「東アジア共同体」構想は、オバマ政権が猛反対だっただけでなく、アジアの中国以外の諸国も反対だった、というのです。

 http://2chradio.com/image/73921b6febb51c6b110cc9e9d82ead11.jpg

日本がもしこんな構想をまじめに推進していたら、日本の外交は孤立から破滅へと進んだことでしょう。

 

日本ビジネスプレスからの転載です。

 

原文へのリンクは以下です。

 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34803

 

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 米側では、日本が中国との関係をそれまでより友好的にすることこそ歓迎したが、最重要の唯一の同盟国である米国と中国とを等距離に置こうとする姿勢には当惑させられた。小沢一郎訪中団の媚中ぶりが米側をさらに懸念させた。

 

 第3には、鳩山政権が米国の核政策に反対し、日本への核抑止さえも揺らがせる結果となった。鳩山政権の外相は米国に「核先制不使用」政策の採択を 求め、日本の防衛の基盤を除去することを迫る結果となった。また、鳩山政権はさらに米国の核兵器の配備や持ち込みについての両国の秘密合意の調査をも開始 した。

 

 さらに最大の悪影響をもたらした第4の出来事として、鳩山政権が東アジア共同体の構想を推進しようとしたことが挙げられる。

 

 この構想は米国をこの共同体なる組織から除外することを意味しており、米国のアジアからの排除を示していた。アジアでの米国の最も緊密な同盟相手であるはずの日本がこんな米国追放の構想を打ち上げたことは、オバマ政権を仰天させた」

アジア各国も反対した東アジア共同体構想

 ベーダー氏はこんな実態を明らかにしたのだが、特に「東アジア共同体」構想については、「ベトナムまでが深刻な懸念を表明した」と述べていた。 「米国と戦ったベトナムがこの東アジア共同体なる構想の戦略的な愚かさを認識し、他方、米国のアジアでの最大の同盟パートナーである日本がそれを認識しな いという皮肉は痛烈だった」とも言う。

 

  アジアの他の諸国も鳩山政権の主張するような東アジア共同体への動きが現実に始まれば、もっぱらその構想の中心に立つのは中国であり、中国の影響圏の拡大をもたらすだろうと考えていたとも言う。

(つづく)

オバマ政権が日本の民主党政権をどう思っているのか。

 

その真実の一端がついに明るみに出た、という感じです。

 

日本ビジネスプレスの私の連載コラム「国際激流と日本」に以下のようなレポートを書きました。

 

原文へのリンクは以下です。 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34803

 

 

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 いやはや、はや米国のオバマ政権が日本の民主党、鳩山由紀夫政権に対し、これほど激しい不信や憤慨を抱いていたとは思わなかった。

 

 特に当時の鳩山首相の「東アジア共同体」構想にオバマ政権はびっくり仰天し、反米の極致として怒り心頭に発していた、というのである。

 

 まさに日米同盟の深刻な危機だった。米国側のこんな真相がオバマ政権の対日政策の中核にいた元高官によって明らかにされた。

オバマ政権が鳩山政権に抱いた4つの心配

 この暴露はオバマ政権の国家安全保障会議の東アジア担当上級部長を務めたジェフリー・ベーダー氏が今月出版した『オバマと中国の台頭』(ブルッキングス研究所刊)という新著に記されていた。

 http://wwww.harvardchina.org/www/backup/conference/conf2007/speaker_photo/jeffrey_bader.png

 ベーダー氏はオバマ政権誕生冒頭の2009年1月から2011年4月まで大統領のそばにいて、日本をはじめとするアジアへの政策について助言する同上級部長のポストに就いていた。日本についての回顧は同書の第5章「日本:自民党から民主党の統治へ」に書かれている。

 

 ベーダー氏はその中で次のように述べていた。まず2009年8月の日本の総選挙で民主党が大勝して鳩山政権が誕生した時、オバマ大統領は公式には 鳩山政権を歓迎し、鳩山由紀夫首相にも温かい祝辞を送り、ニューヨークでの初の首脳会談でも日米連帯をうたった。しかし、すぐに鳩山政権の側にいくつかの 「阻害を起こす出来事」が生じた、という。

 

 それらの「心配な出来事」としては4項目が記されていた。その趣旨は次のようだった。

 

 「第1に、普天間基地に関して、鳩山氏が沖縄からすべての米海兵隊を撤退させると選挙中に宣言していたことだった。米側では鳩山氏が首相となれば、現実を理解して、その宣言を引っ込めると期待していたが、なかなかそうはならず、米国側はいらだっていった。

 第2には、鳩山氏が日本の米国依存を減らし、米国と中国との中間に立つような外交政策方針を述べ始めたことだった

 

(つづく)

 民主党のばらまき政策の典型の「子ども手当」が崩壊しました。

 

子育てのためにかわって出てきたのが「新・児童手当」のようですが、基本思想が変わったようです。

 

次の読売新聞社説をみてください。

 

「子ども手当は『社会全体で子育てする』という理念を掲げていたが、新手当は『子育ては父母が第一義的責任を有する』ことを基本に据えている」

 

やはりそうだったのです。民主党の子ども手当はジョージ・オーウェル的な全体主義国家の思想の産物なのです。子どもを育てるのは両親でも家族でもなく、まずは社会全体だというのです。

 

その点、こんどの児童手当は「子育ては父母が第一義的責任を有する」と明記しています。ごく当然で、常識的な思考です。

新・児童手当 民主が「看板」外せば前進する(3月17日付・読売社説)

 遅きに失したものの、政府・民主党が「子ども手当」の看板政策を完全に取り下げた。

 民主、自民、公明3党は、新年度から導入される現金給付制度の名称を「児童手当」に戻すことで合意した。

 新たな手当を支給するための法案は、ぎりぎり今年度中に成立する見通しだ。手当の仕組みが定まらずに、自治体の支給窓口などが混乱する事態を回避できた点は一応評価できよう。

 民自公3党は、昨年8月に、一律支給の子ども手当を廃止することでいったん合意した。だが、政府・民主党は「子どものための手当」という呼称を用いた法案を提出し、子ども手当が存続するかのような印象を持たせた。

 政権公約(マニフェスト)に掲げた「看板」にこだわったのだろう。そんな民主党の姿勢が、自公両党をいっそう硬化させた。

 新手当は一律支給ではなく、子の年齢や人数、親の所得で支給額に差をつける。

 子ども手当は「社会全体で子育てする」という理念を掲げていたが、新手当は「子育ては父母が第一義的責任を有する」ことを基本に据えている。

 内容も理念も自公政権時の児童手当の延長線上にある。「児童手当」の呼称に戻ることは、妥当な決着だろう。だが、名称をどうするかの議論に多くの時間が空費されたことは残念だ。

 新・児童手当の支給額は3歳未満が月1万5000円、3歳から小学生の第1子と第2子は月1万円、第3子以降は月1万5000円、中学生は一律月1万円だ。

 自公政権の児童手当よりも手厚い。この額は、昨年10月から特別措置法で先行実施されている。

 疑問なのは、新たに導入する所得制限の基準である。

 夫婦と子ども2人のモデル世帯で、支給が制限されるのは、親の年収が960万円以上の家庭だ。それも無支給ではなく、当分の間は子ども1人あたり月5000円を支給する。

 約1割が所得制限の対象になるというが、これほどの年収のある親に月5000円を支給することで、どのような政策効果があるのか、首をかしげたくなる。

 子ども手当のばらまき色が残る部分は、今後も与野党で見直すべきだろう。

 新・児童手当の合意によって、与野党の協力を阻む障害が、また一つ取り除かれた。社会保障・税一体改革の建設的議論につなげてもらいたい。

(2012年3月17日01時21分  読売新聞)

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