2012年04月

日本の憲法の改正(あるいは廃棄)に対し、アメリカはどう対応するのか。以下の記事を書きました。

 

【朝刊 1面】


同盟強化妨げ 米は改憲歓迎

 

 【ワシントン=古森義久】日本が現行憲法を変えようとする動きを同盟国の米国はどうみるのか-憲法第9条に基づき、日本は集団的自衛権を行使できないと の解釈が日米同盟強化への大きな障害になるとする認識はいま米側で広範に強まり、改憲自体にも長年の多様な対応を経ながら、現在では党派を問わず反対はな く、むしろ暗に歓迎するという姿勢が大勢となったといえる。

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 ◆「反対まったくない」

 東京都の石原慎太郎知事が16日にワシントンでの討論会で憲法破棄を提唱したとき、米側の討論者のリチャード・ローレス元国防副次官は「日本の憲法は確 かに米軍占領時代の遺物であり、日本はそれを変える権利も自由も有している」と述べ、日本の憲法改正にいまの米側には抵抗がないことを明示した。同じ討論 者のジム・アワー元国防総省日本部長はさらに「米国が反対することはまったくないだろう」と確言した。

 

 米側には日本の憲法はあくまで主権国家としての日本自身が決める課題であり、米国が是非を表明する立場にはないという建前に近い大前提がある。前記の2 元高官もその点を強調した。だがなお米国は日本憲法の起草者である。そのうえ主権中枢の自国の安全保障を現憲法で制限した日本の国家としての欠落を補って きたのが同盟国の米国だという事実は重い。改憲では米国の意向を考えざるをえない歴史であり現実だろう。

 

 ローレス、アワー両氏は共和党系の識者だが、日本の改憲を受け入れる基調はすでに党派を超えた。2007年4月、訪米した当時の安倍晋三首相が米側主要 議員と会談した際、民主党リベラル派のトム・ラントス下院外交委員長は「日本が安全保障でも大国にふさわしい役割を果たすために安倍首相が憲法を改正しよ うとすることを強く支持する」と述べたのだった。

 

 ◆より緊密に防衛協力

 連邦議会の調査機関として中立性を保つ議会調査局も一昨年5月に作成した日米関係の報告書で「日本の憲法が日米防衛協力への障害となる」という見解を記 していた。正確には「米国が起草した日本の憲法は日本に集団的自衛を禁ずる第9条の現行解釈のために日米間のより緊密な防衛協力への障害になっている」と いう記述だった。

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 ■揺れ続けた改憲賛否

 米国の日本憲法への態度は長い年月、錯綜(さくそう)する変遷をたどってきた。記者(古森)が長時間インタビューした憲法起草者で連合国軍総司令部 (GHQ)の民政局次長、チャールズ・ケーディス氏は憲法の最大の目的が日本から全ての軍事能力を永久に奪うことだったと率直に回顧した。だからその「日 本封殺のための憲法」保持という思考は戦後の長い期間、米側のコンセンサスだった。

 

 民主党のケネディ政権に重用されたリベラル派の知性ジョン・ガルブレイス氏に1992年に日本の憲法について問うと、「日本は現憲法を絶対にそのまま保 つべきだ」という答えがすぐ返ってきた。その数年前のエドウィン・ライシャワー元駐日大使への同様の質問にも、「日本の振り子は激しく揺れすぎる」という 表現での改憲反対の見解が示された。

 

 だが同じ米国でもほぼ同時期に保守系識者の間では日米同盟の強化のために日本が憲法での防衛面での自縛を解くことが米国をも利するという意見が広がって きた。92年にはヘリテージ財団が「米国は非公式に日本に改憲を促すべきだ」とする政策提言を発表した。「マッカーサー憲法は現実の世界で欠かせない力の 行使や戦争を全て否定することで日本に例外意識を与え、国際社会の正常な一員となることや日米同盟に十分な寄与をすることを妨げてきた」と説いたのだ。当 時の先代ブッシュ大統領も公式会見でこの提言を認め、日本が改憲を求めるならば問題はないと言明した。

 

 一方、21世紀にもニューヨーク・タイムズ紙社説のように「日本の憲法改正は危険な軍国主義志向」とする日本不信の改憲反対論は一部に存在した。だが国 政レベルでは日本が日米同盟を堅持し、民主主義国として米国との共通の価値観を保つという前提での改憲の容認あるいは奨励の見解がここ数年、大多数となっ た。

 

 そうした見解の識者でも日本の改憲への賛否を正面から問われると、当面は日本が憲法解釈を変え、集団的自衛権を行使できるようにするだけでも日米同盟強化への効果は十分に大きいと答える向きが少なくない。

 

 だが民主党クリントン政権で国防総省日本部長を務めたポール・ジアラ氏は「日本の現行憲法は日本の政府や国民に防衛力は保持しても実際の戦闘に使うこと は決してないのだという政治心理の枠をはめている点で明白に日米同盟への障壁であり、改憲が好ましい」と述べた。このへんが米側対日安保政策関係者の本音 だといえそうである。

 中国のサイバー攻撃の最大標的となるアメリカの現実です。

 

 レポートの続き、最終部分です。

 

 日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35064

 

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 同公聴会では、議会を代表するフランク・ウルフ下院議員(共和党)が、自分自身の事務所のコンピューターが中国当局からのサイバー攻撃に侵入され、中国の民主化活動家たちについての秘密情報を奪われた、という体験を語った。

 

 ウルフ議員は「中国の軍や国有企業が間違いなく発信源であるサイバー攻撃が米側の広範な組織に仕掛けられ、軍事機密や産業秘密が盗まれているだけでなく、米軍の開戦時の運搬能力や兵站能力をもテストされている」とも証言した。

 

 それを踏まえてウルフ議員は、中国の対米サイバー攻撃に反撃する措置を盛り込んだ一連の法案をすでに米国議会に提出したことを改めて強調した。

 

 この公聴会では、米国政府とも関係の深い民間のサイバー攻撃への対応専門機関「マンディアント」のリチャード・ベトリッヒ代表も出席し、同機関が米側の官民組織からの委託を受けて中国の20ほどのサイバー攻撃組織の活動を監視していることを明らかにした。

 

 同代表は、これら中国側組織がどこも米国の軍関連機関や民間の宇宙・防衛企業、電子企業、通信企業などに体系的にサイバー攻撃を仕掛け、機密情報などを盗もうとしている、と証言した。

 

 またベドリッヒ代表は、「サイバー侵入を受けた米国の組織がその侵入に気づくのは平均して400日以上」などという調査結果が出ていることをも明らかにしたのだった。

 

 こうした米国側の報告や証言から浮かび上がるのは、中国が明らかに軍事作戦としてのサイバー攻撃の能力を大幅に増強させ、すでに大規模にその攻撃を実行しているという現実である。その中国のサイバー攻撃の標的にわが日本も含まれていることは自明だろう。(完)

中国人民解放軍がアメリカに対してしかけるサイバー攻撃の具体例と全体像を明らかにするレポートです。

 

日本ビジネスプレスの「国際激流と日本」からの紹介です。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35064

 

 

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 同報告書には具体的には以下のような指摘が記されていた。

 

・中国人民解放軍は米国を主目標とし、対米戦争の想定でも、戦闘の開始前と初期には米軍の「指揮・統制・通信・情報・コンピューター(C4I:軍隊の中枢情報システム)」機能にサイバー攻撃を仕掛けることを不可欠と見なすにいたった。

 

・中国軍はこの米側コンピューターネットワークへのサイバー攻撃を「情報戦争」や「情報対決作戦」と名づけた。有事には総参謀部の第3部と第4部が指揮するが、平時は共産党中枢からの命令で、国有大手企業や全国各地合計50ほどの大学の研究機関をも動員している。

 

・中国軍は有事の際にはサイバー攻撃を特に重視し、台湾への軍事攻撃のシナリオを決め、米軍の介入をサイバー攻撃で最大限、遅らせることを目標にしている。

 

・中国軍は2011年10月の山東省での合同軍事演習で、サイバーの攻撃と防御の両作戦に火砲発射や早期警戒と同様の重要性を与えて、訓練した。一方、同年11月の第3軍管区合同の演習でも、敵軍のC4Iを破壊するサイバー攻撃能力を持つ部隊に大きな比重を置いた。

 

・中国軍はこのように米軍を敵と想定してのサイバー攻撃能力の増強に努めるとともに、軍事、非軍事両分野でのサイバー攻撃によるスパイ活動で米国の情報を盗み、軍事技術の向上や産業分野の発展を目指している。

 

・米国は、中国がサイバー攻撃の犯人であることを示す状況証拠がいくらあっても、現行の法規では決定的にその関わりを実証しない限り、対応が消極的かつ曖昧のままに留まる点が危険である。

米国の組織はサイバー攻撃を1年以上気がつかない

 こうした指摘を見ると、「米中のサイバー戦争はすでに始まった」との記述が決して誇張ではないという実感が迫ってくる。

 

  米中経済安保調査委員会はさらに3月下旬、中国のサイバー攻撃についての公聴会を開いた。中国の人民解放軍や国有企業による米側へのサイバー攻撃が実害を急速に増大させているという警告が主眼だった。

(つづく)

 拉致問題の解決への努力に関連して、以下のような動きがありました。

 

 

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2012.04.22)松原大臣が北朝鮮自由放送を通じてメッセージ

 

■ 松原仁大臣が北朝鮮自由放送で収録した北朝鮮へのメッセージ

 

 本日4月22日午後、韓国ソウルの自由北朝鮮放送スタジオで松原仁拉致問題担当大臣が北朝鮮向けメッセージを収録した。約10分間の対北朝鮮メッセージ(朝鮮語翻訳つき)の後、金聖玟代表との対談形式で収録がなされた。西岡力救う会会長が全体のアレンジと通訳を担当した。

 

 同放送は、米国関係機関の毎年の脱北者設問調査によると北朝鮮国内で一番聞かれている海外放送だ。救う会西岡会長が2005年の放送開始以来継続して、固定番組を持って、拉致問題の現況を伝え、被害者に関わる情報提供などを求めている。

 

 また、西岡会長を委員長とする自由北朝鮮放送支援日本委員会が組織され、カンパ集めなどを日本国内で展開している。

 

 同放送局を日本の大臣が訪問して、番組収録を行うのは初めて。なお、本日収録されたメッセージは明日から1ヵ月間、毎日同放送で流される。対談部分は今週の土曜日の西岡会長の番組で放送される予定だ。

 

 松原大臣のメッセージは以下の通り。

 

松原大臣メッセージ

 

  この放送をお聞きの皆さん、私は、日本政府の拉致問題担当大臣に任命された、松原仁です。

 

  まず最初に、この放送を聞いている日本から連れて行かれた被害者の皆さん、私は大臣に任命される前から、10年以上の長きにわたり、国会議員として、北朝鮮に連れて行かれた拉皆さんを早期に救出するための活動に取り組んでまいりました。

 

  野田総理は、昨年9月に日本の総理大臣に就任されて以来、常に日本から連れて行かれた被害者を必ず取り戻すという真剣な思いを持たれています。

 

  日本政府は、国の責任において、あらゆる手段を用いて、皆さんを一刻も早く救出するために全力を尽くします。決して希望を捨てずに、お体を大切にしてください。

 

  次に、北朝鮮の指導者の方々に申し上げたい。

 

  我々は引き続き、日朝の国交正常化が、双方の国益にとって、更には北東アジアの安定と繁栄にとって重要であり、これを我々の目標とするべきであると考えております。

 

     一方、拉致問題の解決なくして日朝国交正常化はありえない、これは我が国の一貫した基本方針であります。

 

  また、基本的な認識として、拉致問題はどれほど時間が経過しても風化することはありません。具体的な進展がなければ、圧力が強まることがあっても弱まることはありません。

 

    関係者の中にご高齢の方も多い中、万が一にも、解決を見ずして関係者が多く亡くなられるような事態に至れば、国交正常化の機会は未来永劫に失われることになります。そして、残された時間は少ないということを強く申し上げたい。

 

  北朝鮮が国際社会の声を無視してミサイル発射を強行したことは極めて遺憾であり、国際社会はこれに厳しく反発をしています。また再びのミサイル発射や核実験をしないことを強く求めます。

 

    一方で、北朝鮮が、発射失敗を率直に認めたように、新政権が現実に真摯に向き合い、具体的な行動を示すならば、我が国を含む国際社会はこれを評価することもあるでしょう。

 

    拉致問題において、既に死亡していると主張してきた方々が、例えば、再調査の結果、実は生存していたと主張を変えたとしても、過去の責任を問うのではなく、大きな進展と評価してまいりたいと、あえて申し上げたい。

 

  具体的な進展が見られるなら、我が国としては歴史的にも地理的にも近い北朝鮮ですから、如何なる他国にも劣らぬ人道支援が可能だという立場です。

 

    更には国交正常化の暁には我が国は北朝鮮にとって最も必要な隣国となるということを、あえて私は申し上げたい。

 

    拉致問題という避けて通ることのできない課題に対して、新体制が一定の新たな方向性を出すことを期待してやみません。

 

  以上、私は日本政府拉致問題担当大臣として北朝鮮指導者の皆さんに強く真摯に訴えます。

 

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■野田首相にメール・葉書を

 

首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。

 

下記をクリックして、ご意見を送ってください。

 

[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html

 

[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi

 

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 野田佳彦殿

 

■救う会全国協議会ニュース

 

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)

 

TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784  http://www.sukuukai.jp

 

担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)

 

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905

 

カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会

 

みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎

 

 米中関係の緊迫した一角はサイバーの世界です。

 

 アメリカ側にいわせると、中国のサイバー攻撃による米中戦争はもうすでに始まったのだそうです。

 

 日本にとって、それはどんな意味があるのか。

 

 そのへんの現実をレポートしました。

 

 日本ビジネスプレスの私の連載コラム「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35064

 

 

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「サイバー攻撃に関する限り、米中戦争はすでに始まった」

 

 私がちょうど1年ほど前にワシントンの大手シンクタンク「ヘリテージ財団」の首席中国研究員ディーン・チェン氏から直接に聞いた言葉だ。チェン氏は中国の人民解放軍のサイバー攻撃や宇宙兵器など高度技術がからむ領域を長年研究してきた専門家である。

 

 それから1年が過ぎた今、改めてこの言葉の現実性を痛感させられた。米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」が、この中国のサイバー攻撃を大きく取り上げ、米国の対応に警鐘を鳴らしているからだ。

 

 この調査委員会は、「米中経済関係が米国の国家安全保障にどう影響するか」を調査し、議会や政府に政策を勧告する組織である。

 

 共和、民主両党の有力議員がそれぞれ推薦した合計12人の委員で構成され、毎月2回平均の頻度で、公聴会を開いている。公聴会は米中関係での米国 の安全保障に関わる時の課題をテーマとし、その分野の専門家たちを招いて証言を聞く。同時に特定のテーマについて同委員会独自の調査報告を作成し、公表す る。

 

 米中経済安保調査委員会は、中国のサイバー攻撃をすでにいくつかの角度から取り上げてきたが、この3月にも新しい報告書と公聴会の両方でその恐るべき実態を改めて明らかにしたのだった。

米国へのサイバー攻撃、犯人は中国人民解放軍

 同委員会は、3月上旬、「中国のコンピューターネットワーク作戦とサイバースパイ活動」と題する報告書を公表した。

 

 この報告書は、中国人民解放軍がサイバー攻撃を対米軍事戦略の中枢に位置づけ、実際にその攻撃能力を画期的に増強している、という骨子だった。ま た同報告書は、中国軍が米国のコンピューターネットワークへの攻撃を実際の戦争の不可欠な一環としているのに対し、米側はまだその対応が十分ではないと警 告していた。

  (つづく)

(ディーン・チェン氏の写真)

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