5月29日付のニューヨーク・タイムズの15ページに全面の意見広告が掲載されました。日本を「慰安婦問題」で不当に攻撃し、誹謗するデマ広告です。
あえてデマと書くのは、内容が捏造、歪曲、悪意に満ちているからです。広告を出したのは韓国の新聞報道などによると、在米韓国系の活動家たちのようです。
写真は西ドイツのブラント首相がポーランドのワルシャワのユダヤ人収容所の跡でひざまずき、謝罪の意を表している情景です。
そしてこの意見広告は次のような記述を掲げています。
原文はもちろん英語ですが、私がざっと訳してみました。
「1971年にはドイツの首相ウィリー・ブラントがポーランドのワルシャワの戦争犠牲者記念碑の前にひざまずき、許しを求めた。
この行動は世界との和解へのドイツの誠実な訴えの象徴となり、世界平和に大きく貢献した。
だが対照的に、日本政府は、第二次世界大戦中に日本軍兵士のための性的奴隷として行動することを強制された慰安婦たちに適切な謝罪をせず、適切な賠償もしていない。
日本政府はドイツの行動を学ぶ必要がある。
日本政府は慰安婦たちへの心からの謝罪を一日も早く表明しなければならない。そうしてみて初めて日本政府は北東アジアの平和に寄与することができるのだ」
「あなたは覚えていますか?」
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広告の内容は以上です。
ごく簡単に考えても、この記述には以下の重大な間違いがあります。
(1)ナチス・ドイツがユダヤ民族600万人を虐殺したことを日本の「慰安婦」問題と同等にみなしている。
(2)日本の政府や軍が「慰安婦」を強制的に連行したり、活動をさせたことはないとされるのに、「強制」と断定している。
(3)個人の任意による商業的活動での売春活動の従事者すべてを「セックス・スレイブ」(性的奴隷)という実態とは異なる表現で断じている。
(4)「慰安婦」となった人たちの不幸への謝罪は日本政府は「河野談話」などとして表明したのに、日本政府は謝罪していないと断じる(「適切」というひっかけ言葉に逃げる狡猾な手法)
(5)戦争関連のこの種の賠償は政府間では日韓国交樹立の際に済んでおり、さらに「慰安婦問題」ではその後の政府が支援しての民間資金で供しているのに、なにも賠償がないと断じる(ここでも「適切」という主観的な表現を巧妙に使っている)
と、こんな調子です。
さて明白に標的とされた「日本政府」がどう対応するか。
注視したいところです。