2012年07月

 おもしろい本を読みました。

 

『柔の恩人』(小倉孝保著 小学館刊)です。

 

アメリカ女子柔道界の異色の指導者だった人物の伝記です。

 

ラスティ・カノコギさん、すでに最近、亡くなりましたが、アメリカの柔道界では知る人ぞ、知る、活発な動きをみせていたアメリカ人女性でした。

 

カノコギというのは、鹿子木量平氏の夫人だったからです。鹿子木氏は日大柔道部で活躍し、若くしてアメリカに渡って、柔道をアメリカ人に教えながら定住した日本人柔道家です。

 

私も慶應大学柔道部時代には鹿子木氏の活躍を見上げていました。

アメリカでの近年の柔道活動でも鹿子木氏とラスティ夫人に接触することがよくありました。

 

この本はそのラスティさんの波乱に満ちた一生をノンフィクションとして描いた良書です。筆者は毎日新聞の小倉孝保記者、すでに何冊かのすぐれたノンフィクション作品を出している気鋭の書き手です。

 

小学館ノンフィクション大勝を受賞したこの書、一度、読み始めたら、先入観よりもずっとおもしろく、夢中になって読んでしまいました。いまロンドンのオリンピックでまた脚光を浴びる日本の柔道がいかに世界の柔道として定着しているかを知るにも、格好の読み物です。

 

   
 
 

 

 

 

内容紹介

オリンピック女子柔道躍進を支えた感動秘話

第18回小学館ノンフィクション大賞受賞作。
女子柔道のオリンピック種目化のために闘ったユダヤ系アメリカ人女性柔道家、ラスティ・カノコギの生涯を描く感動のノンフィクション。彼女がいなければ、女子柔道は20年遅れていたかもしれない……。

「釘になるな、ハンマーになれ」それが、彼女の口癖だった。
幼少期は、差別と貧困のどん底にいた。少女時代は、街でけんかに明け暮れた。全てを擲った最初の結婚も失敗……。そんな彼女を救ってくれたのは、「JUDO」という名のスポーツだった。
やがて彼女は、柔道のために、自分の全人生と全財産を懸けた壮絶な闘いに挑んでいく――。

「(日本で)柔道を学ぶうちに、“内に秘めた強さ"というものがあることを知った。……他人に対して何かができることこそ、本当の強さだと知った」(ラスティの言葉より)
「強さ」とは、「力」だけではない。「強い」だけが貴いわけじゃない――。柔道のために孤軍奮闘し続けた、不屈のアメリカ人女性柔道家の知られざる人生の記録。

【編集担当からのおすすめ情報】
今 夏のロンドン五輪でも日本の女子柔道選手――YAWARAちゃん――たちの活躍が期待されています。しかし、多くの選手たちが夢見るこの世界最高峰の舞台 は、男子に遅れること30年近く、ようやく1992年のバルセロナ五輪で正式種目として認められました。その陰には、本書の主人公であるラスティ・カノコ ギさんの孤軍奮闘ともいうべき尽力があったのです。
彼女は、その偉大な功績により、2008年に日本政府から勲章を贈られます。しかし、翌09年秋に、静かにその生涯を閉じました。著者は、彼女が生前に残した未公開の手記と、それまでに重ねていたロングインタビューをもとに本書を書き上げました。
柔道のために尽力し続けた彼女が迎えた最期の描写は、涙なくして読めません。
 

内容(「BOOK」データベースより)

幼少期は、差別と貧困のどん底にいた。少女時代は、街でけんかに明け暮れた。全てを擲った最初の結婚も失敗…。そんな彼女を救ってくれたのは、 「JUDO」という名のスポーツだった。やがて彼女は、柔道のために、自分の全人生と全財産を懸けた壮絶な闘いに挑んでいく―。女子柔道をオリンピック種 目にするために、孤軍奮闘し続けたアメリカ人女性柔道家の人生記。第18回小学館ノンフィクション大賞受賞作。

 

 

 

内容紹介

オリンピック女子柔道躍進を支えた感動秘話

第18回小学館ノンフィクション大賞受賞作。
女子柔道のオリンピック種目化のために闘ったユダヤ系アメリカ人女性柔道家、ラスティ・カノコギの生涯を描く感動のノンフィクション。彼女がいなければ、女子柔道は20年遅れていたかもしれない……。

「釘になるな、ハンマーになれ」それが、彼女の口癖だった。
幼少期は、差別と貧困のどん底にいた。少女時代は、街でけんかに明け暮れた。全てを擲った最初の結婚も失敗……。そんな彼女を救ってくれたのは、「JUDO」という名のスポーツだった。
やがて彼女は、柔道のために、自分の全人生と全財産を懸けた壮絶な闘いに挑んでいく――。

「(日本で)柔道を学ぶうちに、“内に秘めた強さ"というものがあることを知った。……他人に対して何かができることこそ、本当の強さだと知った」(ラスティの言葉より)
「強さ」とは、「力」だけではない。「強い」だけが貴いわけじゃない――。柔道のために孤軍奮闘し続けた、不屈のアメリカ人女性柔道家の知られざる人生の記録。

【編集担当からのおすすめ情報】
今 夏のロンドン五輪でも日本の女子柔道選手――YAWARAちゃん――たちの活躍が期待されています。しかし、多くの選手たちが夢見るこの世界最高峰の舞台 は、男子に遅れること30年近く、ようやく1992年のバルセロナ五輪で正式種目として認められました。その陰には、本書の主人公であるラスティ・カノコ ギさんの孤軍奮闘ともいうべき尽力があったのです。
彼女は、その偉大な功績により、2008年に日本政府から勲章を贈られます。しかし、翌09年秋に、静かにその生涯を閉じました。著者は、彼女が生前に残した未公開の手記と、それまでに重ねていたロングインタビューをもとに本書を書き上げました。
柔道のために尽力し続けた彼女が迎えた最期の描写は、涙なくして読めません。
 

内容(「BOOK」データベースより)

幼少期は、差別と貧困のどん底にいた。少女時代は、街でけんかに明け暮れた。全てを擲った最初の結婚も失敗…。そんな彼女を救ってくれたのは、 「JUDO」という名のスポーツだった。やがて彼女は、柔道のために、自分の全人生と全財産を懸けた壮絶な闘いに挑んでいく―。女子柔道をオリンピック種 目にするために、孤軍奮闘し続けたアメリカ人女性柔道家の人生記。第18回小学館ノンフィクション大賞受賞作。

 

尖閣諸島を守るために、日本はなにをすべきか。

 

政策提言を続けます。

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日本ビジネスプレスからの転載です。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35731

国際激流と日本

尖閣諸島を守るために
日本がすぐに実行すべき5つの対策

                            ======

 第3は日米同盟の強化である。

 

 この対策はもちろん尖閣防衛の軍事能力強化と一体になっている。米国は日米安全保障条約により、日本の統治下にある領土が第三国からの攻撃を受け た場合、日本と共同してその反撃にあたることを責務としている。そしてその条約の責務は尖閣諸島にも適用されることは、オバマ政権の高官たちも公式に認め ている。

 

 だから中国がもし尖閣に対して軍事攻撃をかける場合、その敵となる相手は単に日本だけではなく、米軍となる。その展望が中国にとっては最も恐れる 危険であり、そのことが中国の軍事力行使への最大のブレーキとなる。日米同盟による抑止である。

 

 しかし肝心の日本に有事での断固たる自国領土防衛の意欲や能力がなければ、米国の共同防衛誓約の実行も当然視はできなくなる。まして、いまの米国 はオバマ政権下で「アジア重視戦略」を唱えながらも、その一方で、画期的な国防費削減を計画している。

 

 だから日本の防衛力強化にかける期待も当然、高くな る。だが、その日本は民主党政権下で、防衛費も事実上の削減を続け、米国との軍事面での連携も怠りがちである。日米同盟の強化には程遠い状態なのだ。特に 最近の米軍の新型輸送機「MV-22 オスプレイ」の日本配備に対する日本側のメディアなどの反対論議は、日米同盟の強化や日本の安全保障への配慮が皆無 のように見える。

 

 そこで求められる同盟強化の最有効の対策は、日本の集団的自衛権の解禁である。野田政権はその展望をほのめかし始めた。だが単なるリップサービス である気配も濃い。しかし現実に日本政府が憲法第9条のいまの解釈を変えて、「日本も世界の他の諸国と同様に集団的自衛権を行使できる」と宣言すれば、日 本の防衛へのそのプラスは絶大となる。まず最初に米国との軍事面での連携が強化されるからだ。その強化は当然、尖閣諸島の防衛の増強につながる。

 

 そもそも近年の米国では民主、共和の党派を問わず、官民の両方で「日本の集団的自衛権の行使禁止は日米同盟強化への障害になっている」という認識 が高まってきた。同盟というのは本来、集団防衛態勢なのである。同盟の相手が第三国に攻撃されれば、自国への攻撃と見なして、その相手を助けて反撃する。 その意思と能力が第三国に攻撃を思い留まらせる抑止となる。そんな構造が世界の安全保障の現実なのである。

 

 しかし日本だけは自国を助けてくれる米国でさえ、その艦艇や将兵が日本の領土や領海から100メートル離れた地点で第三国の攻撃をむざむざと受けても、助けはしないと宣言しているのに等しいのだ。

 (つづく)

 日本固有の領土である尖閣諸島を中国の侵略や威嚇から守るための対策についてです。

 

 日本ビジネスプレスの「国際激流と日本」からの紹介です。

 

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 原文へのリンクは以下です。

 

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35731

国際激流と日本

尖閣諸島を守るために
日本がすぐに実行すべき5つの対策

                          ======

 だが尖閣は日本固有の領土であり、その保持が日本国民のコンセンサスである。だとすれば、「中国を刺激するな」論を排して、日本の尖閣諸島での実効統治を強化せねばならない。東京都による購入も、国有化も、その目的に沿った措置として歓迎できるだろう。

【その2】 自衛隊を常駐させて防衛力を強化せよ

 第2には、尖閣諸島の防衛強化である。

 

 中国は他国との領有権紛争では、決して譲歩しない。相手が妥協したからといって、中国も妥協するという発想はツユほどもない。多国間の交渉で紛争 を解決するという方法も排除する。国際機関の調停や裁定にも一切、応じない、という方針は中国政府の公式政策として言明している。これらの特徴は本連載の前回までで伝えてきたとおりである。

 

 国家同士の争いで、一方が譲歩も妥協も国際調停も排除するとなると、解決策としては他方だけの全面的な屈服、あるいは力の行使だけが残される。で なければ、両国間に「永遠の摩擦」が続く。中国からすれば、全面的に屈服しない相手には軍事力行使という手段で自国の主張を飲ませようとする方法だけがオ プションとして残ることにもなる。

 

 現実に中国は、自国が主権を唱える外国統治の領土に対しては、軍事力を容易に行使してきた。中国が領土紛争で軍事力を使う「敷居」は極めて低いの である。これまで書いたように、中国海軍は1974年、南ベトナムが統治していた南沙諸島に軍事攻撃をかけ、いくつかの島を奪った。94年には中国軍は フィリピンが統治していた中沙諸島のミスチフという環礁を襲って、奪取した。南ベトナムからは米軍が撤退し、フィリピンでは米軍がスービック基地を放棄し て、いずれも防衛面では弱体になった時期だった。中国は領土紛争では軍事力に依存し、しかも相手の軍事力が弱いと判断した際に攻撃に出るのである。相手が 強ければ、軍事力は使わない。歴史がそんな軌跡を明示しているのだ。

 

 だから日本も尖閣諸島を日本固有の領土として保持したいならば、その防衛のための軍事力を強く保たねばならない。尖閣への自衛隊の常駐も、基地建設も、適切な手段だろう。尖閣防衛の軍事力を強めることが、中国の軍事攻撃を抑える抑止力となるのである。

 

 韓国が日本領土の竹島を不当に占拠して、軍事基地まで建設してしまったことが、日本側の士気をどれだけ弱くしたことか。その実例を見れば、尖閣に 自衛隊を配備することの対外的な効果がよく分かるだろう。また尖閣周辺での海上自衛隊、航空自衛隊の軍事能力を高めることも当然、尖閣防衛に直結してい る。

(つづく)

 

 尖閣諸島防衛についての提言を書きました。

 

 「中国を刺激するな」論にだまされるな、ということです。

 

 日本ビジネスプレスの「国際激流と日本」からです。

 

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 原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35731

国際激流と日本

尖閣諸島を守るために
日本がすぐに実行すべき5つの対策

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  これまで2回のリポートでは南シナ海領有権紛争での中国の理不尽な態度を伝え、中国の海洋戦略一般の特徴を説明してきた。この戦略は当然、東シナ海の日本の尖閣諸島に対する中国の領有権主張をも含んでいる。

 

 では日本は中国の尖閣への動きにどう対応すべきなのか。ワシントンでの米国側の考察や意見をも踏まえながら、私自身の見解を述べてみよう。

【その1】 実効統治を強化せよ

 第1に日本が取るべき行動は、尖閣諸島の実効統治の強化である。

 

 自国領土を自国固有の領土として確保するためには、当然ながら、その統治を内外に鮮明にしなければならない。ごく自明の基本である。だが、わが日 本政府はその自明な措置さえをも長年、避けてきた。日本政府は尖閣に対しては、「中国を刺激しないため」という理由で日本国民の接近や上陸を長年、禁じて きた。灯台の建設まで阻んできた。つまり尖閣の統治をあえて明確にしないという政策を取ってきたのだ。

 

 だが、その結果はどうだったか。

 

 2010年9月には中国漁船が尖閣付近の日本領海に堂々と侵入し、わが海上保安庁の巡視船に体当たりした。その前後から中国の漁業監視船と称する 艦艇が頻繁に尖閣領海に侵入するようになった。しかも中国当局は尖閣諸島を中国領土だとする宣言をますます先鋭にしてきた。最近では沖縄でさえ日本領土で はないという趣旨の中国政府高官らの言明が目立ってきた。中国側は日本がいかに「刺激しない」ための宥和策を取っても、尖閣を自国領土だとする主張を薄め はしないのである。いや逆に、その主張を強めたと言えるのだ。

 

 「中国を刺激するな」論の欠陥は、他の実例でもいやというほど実証された。東シナ海の海洋資源を巡る日中紛争である。日本と中国は排他的経済水域 (EEZ)の境界線が競合する海域での石油やガスの開発を巡って、主張を衝突させた。日本政府は「中国を刺激するな」という思考から、その海域での資源開 発を日本企業に対しては禁止した。だが、中国は政府機関自体がどんどん開発を進めてしまった。しかも日本政府はその中国の動きを目前に見ながら放置したの だった。

 

 だから「中国を刺激するな」論の背後には、場合によっては紛争の核心である尖閣の主権を譲ってもよいとするような思惑がにじんでいると言える。中 国を反発させない、中国を刺激しない。こんなことが日本側の最終目的ならば、そもそも尖閣諸島の領有権でも、東シナ海でのガス田開発の権利でも、中国の要 求通りに譲り渡してしまえば、よいことになる。

(つづく)

 

この問題について、多角的で、バランスのとれた主張を以下にみました。

 

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【土・日曜日に書く】論説副委員長・高畑昭男 首相はオスプレイに試乗を
2012年07月21日 産経新聞 東京朝刊 オピニオン面

 沖縄の米軍普天間飛行場への配備が決まった米海兵隊の新型垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの第1陣(12機)を載せた輸送船がまもなく米軍岩国基地(山口県岩国市)にやってくる。

米政府は当初、沖縄へ直接配備する計画だったが、「安全性」をめぐる地元の懸念に配慮していったん岩国基地へ搬入し、安全性を確かめた後に沖縄へ配備する よう修正した。さらに、モロッコや米フロリダ州で墜落事故が続いたため、米政府の調査報告が出るまで試験飛行を自粛することで再調整したのがこれまでの経 過だ。

これに対し、山口、沖縄両県を中心とする反対運動は全国に広がる気配で、見通しは険しい。

◆政府・与党にも亀裂

前原誠司・民主党政調会長が現行計画に「党として反対」などと唐突に異を唱えたことで政府・与党の亀裂も露呈し、日米同盟の信頼関係に響きかねない情勢となってしまった。

新装備導入に安全性の確保が大前提となるのはいうまでもない。だが、それが基地反対運動などに政治利用され、配備に支障が生じるようでは日本の信頼に関わ る。日本政府は世界の運用実績、技術面を含む安全性、オスプレイの必然性や利点などについて国民に丁寧に説明することが肝要だ。

前原氏は「事故でも起きれば同盟が傷つく」と述べたが、それならなおさらのこと、政府を助けて地元へ足を運び、オスプレイ配備の戦略的意味や同盟への意義などの説得に努めてほしかった。

それでも、「安全」に名を借りた一部の反対論を制するには説明だけでは不十分かもしれない。

玄葉光一郎外相も「首相も官房長官も民意を軽く見てはいない」と語った。

◆「夢の多目的機」

そうであるなら、ここはオスプレイの到着後、野田佳彦首相を筆頭に政府首脳や民主党幹部が率先して試乗し、「安全性の証明」を国民にアピールすべきだろう。

オスプレイは傾斜式回転翼(ティルトローター)を備え、傾斜角度を変えることでヘリコプターのように垂直離着陸ができ、固定翼機として高速飛行もできる。 開発のきっかけは、カーター政権下の1980年、特殊部隊とヘリを中心としたイランの米外交官人質救出作戦の失敗だったという。世界で初めてヘリと固定翼 の利点を兼備した「夢の多目的機」が長年の労苦を経て実現したといえる。

だが、それ以上に日本や在日米軍にとって重要なことは、老朽化 した現役のCH46中型ヘリと比べて、最高時速約2倍、航続距離は約6倍、積載重量が3倍になるなど、安全保障上のメリットが多いことだ。北朝鮮の核・ミ サイル開発や尖閣諸島などを狙う中国の海洋進出などで、日本の安全保障環境は着実に悪化しつつある。

来日したクリントン国務長官が「沖縄に配備すれば日本の防衛や人道・救難支援の任務が格段に強化される」(8日)と強調したように、海兵隊の展開能力や行動範囲を飛躍的に高めるオスプレイ導入は、日本の安全に直結する。同盟の抑止力を高める上でも不可欠といっていい。

また、東日本大震災や最近、九州などを襲った集中豪雨では、多数の住民が危難にさらされたが、オスプレイが日本にあれば、大量輸送・高速運用などの利点を生かして大活躍したに違いない。

開発から量産開始までの22年間には、大事故が続いて「ウィドーメーカー(未亡人製造機)」と酷評された時期もある。

だが、数々の改善を経て事故率はヘリを含む海兵隊の全航空機種平均を大きく下回る。海兵隊はイラク、アフガニスタンなどで既に約140機を運用、最終的に360機を配備する。米空、海軍も各50機を導入する。それも安全性の検証を踏まえた結果だ。

オバマ大統領自身も上院議員時代の2008年7月、大統領選の一環でイラクを訪問した際にオスプレイに搭乗し、安全性を実証した。また、ホワイトハウスは来年夏からCH46ヘリに代えて随行職員や報道陣の国内移動に同機を投入する予定という。

◆オバマ氏も乗った

オスプレイのメリットは、もう一つある。CH46よりも騒音が少なく、1機あたり運搬能力の向上などで普天間での年間飛行回数を1割以上減らせることだ。騒音やヘリ墜落の危険性を訴える地元の要望にも応えるものといえる。

反対派は普天間を「世界一危険な飛行場」と呼ぶが、その騒音や危険性を減らせる装備に「反対」ばかり叫ぶなら、その真意はどこにあるのかが疑われよう。普 天間問題の全面解決には、日米合意に基づく移設も欠かせない。首相が先頭に立ってオスプレイの意義を実証し、移設推進の一歩にしてほしい。(たかはた あ きお)

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