2012年11月

 中国の新しいステルス戦闘機についての報告の続きです。

 

 日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

 

http://jbpress.ismedia.jp/category/jbpress

 

国際激流と日本

第5世代ステルス戦闘機を開発、
空でも日米を威嚇する中国

 

 

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 以上のような考察の中で、最後の項の「領有権の紛争での軍事力行使という選択肢」は日本にもあてはまる。尖閣諸島を巡る紛争で、中国はこの新たなステルス戦闘機を使う可能性もあるということである。

エンジンはロシア製、実力は未知数

 しかし「リグネット」はその一方、中国の軍事航空業界がまだまだ抱える課題を列記していた。

 

・中国がわずか2年足らずのうちに2機目のステルス戦闘機開発を公表したことは、自国の自立した軍事航空産業の急速な発展への戦略意図を明確にして はいるが、そのステルス戦闘機の性能や品質にはなお疑問が残る。「自国生産」の標語にもかかわらず、J-31のエンジンはロシア製のクリノフRD-93エ ンジンを使用している。

 

・中国の航空機製造業界の水準は、双発ジェット旅客機「C919」開発の遅れに象徴的に見て取れる。同機は重量の問題や翼のヒビという欠陥が指摘され、中国当局の必死の努力にもかかわらず、外国の販売先が見つからず、開発全体が事実上、停止した。

 

・ましてステルス戦闘機の開発は米国のF-22、F-35の例でも障害が多く、ロシアでも同水準の第5世代戦闘機「T-50」の開発は大幅に遅れて いる。だから中国が公式発表どおりの早さでステルス戦闘機を実戦配備することは難しい。米国は、ステルス戦闘機では中国に対して現状では少なくとも10年 分は先行していると言える。

 

 こう見てくると、中国のステルス戦闘機がすぐに実際の戦力となって、日本やアジア駐留米軍に大きな脅威を与える、というわけでもないことが分かる。

 

 しかしその一方、つい近年まで自国製の新鋭戦闘機の生産など夢にも考えられなかった中国がいまや米国との同等水準を目指す本格的なステルス戦闘機の国産努力を推進させるに至ったという現実は明白である。また、そのことの日本への潜在的な脅威は重視すべきだろう。

(終わり)

 中国の新型ステルス戦闘機J-31についての報告の続きです。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

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国際激流と日本

第5世代ステルス戦闘機を開発、
空でも日米を威嚇する中国

 

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  米国にとってさらに懸念材料なのは、中国側のステルス戦闘機のJ-20とJ-31とが米軍のF-22とF-35にそれぞれ似ていることだ。この両機 とも米空軍が誇るステルス戦闘機である。F-22は米軍がすでに2005年から配備を始め、F-35は2017年から本格配備が始まるとされる。いずれも 第5世代戦闘機とされ、米軍のこれからの主力戦闘機である。

 

 米側に懸念があるのは、この両機の設計図を、中国が2009年にコンピューターシステムへの侵入により盗んだという疑惑があるからだ。

尖閣諸島紛争にステルス戦闘機が登場する可能性も

 米国の安保、外交の調査分析機関「リグネット」が、中国のステルス戦闘機J-31について多角的に分析している。リグネットは米国中央情報局(CIA)のベテランたちが最近、創設した民間組織である。

 

 リグネットによる分析の趣旨は次のようなものだった。

 

・J-31の初飛行は、中国が技術的に容易ではないステルス戦闘機2種を同時に開発するという野心的な意図を示し、中国の軍事航空産業が急速な発展をしていることの例証となる。

 

・J-31自体は米軍のF-35への対抗機と見られるが、中国は航空機では年来の外国からの購入から自国製使用へとシフトして、米国のようにその製品を外国に売ることを真剣に考えている。そのためすでに180人乗りの旅客機「C919」の開発にも着手した。

 

・J-31初飛行は、中国の政治指導部交代の次期にそのデビューを宣伝することで、中国国民に対して自国への誇りをあおり、胡錦濤政権の実績を強調するという政治的な意味も強い。

 

・J-31の開発は、アジア地域の米国の同盟諸国や近隣諸国に対し、中国が米国に次ぐ強力な空軍力保有国となることを誇示する。その結果、近隣諸国との領有権やエネルギー資源開発の紛争では中国がその解決に軍事力をも使うという選択肢の存在を印象づける。

(つづく)

 中国が新しいステルス戦闘機の開発を宣言し、その初のテスト飛行を実施したという話です。日本ビジネスプレスの「国際激流と日本」からです。

 

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国際激流と日本

第5世代ステルス戦闘機を開発、
空でも日米を威嚇する中国軍

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  中国が新たなステルス戦闘機の実験飛行を発表した。米国ではこの動きを中国の空軍の本格的強化、そして米軍への正面からの挑戦として真剣に受け止めているという。米中軍事対決の構図がまた一段と形をはっきりとさせてきた兆しだとも言えよう。

 

 中国の官営メディアは「新型ステルス戦闘機『J(殲)-31』の初テスト飛行が成功した」という報道を、10月末から数日にわたり多様なチャンネ ルで流した。テスト飛行自体は10月31日に実施されたという。そのJ-31のモデルはテスト飛行のすぐ後の11月中旬に広東省の珠海で開かれた 「2012年中国航空ショー」に展示された。

米国の設計図を盗んで開発?

 ステルス(本来は「秘密の」という意味)とはレーダーによる捕捉が難しい「見えない」航空機能のことである。つまり、ステルス戦闘機とは「見えない戦闘機」ということだ。

 

 中国はステルス戦闘機の実験を、すでに2011年1月5日に初めて実行している。その日はちょうど米国のロバート・ゲーツ国防長官(当時)が中国 を訪問していた。ゲーツ長官の滞在にタイミングを合わせたように、中国軍が四川省成都の航空基地でステルス戦闘機「J(殲)-20」のテスト飛行を挙行し たことが発表された。もちろん米側を驚かせる意図だろう。

 

 今回、初のテスト飛行が発表されたJ-31は、このJ-20よりは小型かつ軽量の戦闘機で、当初は地上発着だが、やがては航空母艦からの発進用にも配備されるようだと伝えられている。

 

 わずか2年足らずのうちに中国軍が2種類のステルス戦闘機の開発を公表したことは、中国がこの分野でも米国と張り合う軍事超大国への道を目指す意図の宣言を意味している。この2種類とも中国では第5世代戦闘機とされる最新鋭の機種である。

 

 米国はこれまで空軍力では中国に対し圧倒的な優位に立ってきた。まったく足元にも寄せつけないほど先を走ってきた米国に、いまや中国が国力を総投入して追いつこうとする構えを見せたのだ。

(つづく)

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野田政権が北朝鮮による日本国民の拉致の事件を政治目的に利用している気配があります。

 

その実態を「救う会」の会長の西岡力氏が書いています。

 

【正論】東京基督教大学教授・西岡力 拉致を「人気取り」に利用するな


 

 

 

 モンゴルの首都ウランバートルで11月15、16の両日、4年ぶりの日朝政府間協議が開かれた。日本側代表の杉山晋輔外務省アジア局長は、最重要課題と して日本人拉致問題を提起した。北朝鮮側代表の宋日昊大使は、拉致問題は解決済みで協議は拒否するとの従来の立場を変え、日本側主張を聞いていたものの、 立場が違うが継続協議にしようとするにとどまり、具体的な解決策は示さなかった。

 

 ≪横田夫妻訪朝話は北の罠だ≫

 福田康夫政権下の4年前に、北朝鮮の方から拉致問題での協議を求めてきて、調査委員会の立ち上げまで提案してきたことと比べると、まだ消極的だとはいえ、拉致問題を避けて他の問題なら協議できるとの従来の立場からは半歩前進したといえるかもしれない。

 

 問題は、公式協議の裏側で野田佳彦首相の主導する非公式協議が進んでいるという情報が多数、流れていたことだ。公式協議初日の15日、日本の主要メディアは、野田政権が水面下で北朝鮮と横田めぐみさんの両親の北朝鮮訪問を推進しようとしていると報じた。

 

 両親の横田滋さん、早紀江さん夫妻による訪朝と孫との面会は、北朝鮮が「めぐみさん死亡」という虚構を日本に宣伝するために考えた罠(わな)だった。横 田さん夫妻は15日、日本政府からは事前に全く打診がなかったことと、めぐみさんたちの救出ができていない現段階で訪朝する意思はないことを明言し、その 計画を改めて退けた。

 

 ≪「合同調査委」も時間稼ぎ≫

 杉山局長が帰国後、拉致被害者の家族会に今回の協議内容を報告した21日夜、今度は、野田首相が10月下旬から11月にかけて、政権中枢に近い関係者を 第三国で北朝鮮に接触させ、被害者の安否に関する合同調査委員会を作ることを提案した、と報じられた。合同調査委員会も、小泉純一郎政権時代に北朝鮮側が 提案してきてわが国が拒否した罠の一つである。

 

 拉致を行ったのは北朝鮮で、現在、被害者がどのような状況にあるか知っているのは北朝鮮だ。わが国は被害者であり、拉致の全貌を知る立場にない。合同調 査は、北朝鮮の時間稼ぎと責任転嫁に使われるだけで、被害者救出の障害になるというのが当時、わが国がはねつけた理由だ。野田政権が提案したのであれば、 許し難い。

 

 野田政権は2つの報道とも事実でないと否定したものの、いずれも政府関係者を情報源と記しており、完全に無視することはできない嫌な感じを関係者に残した。

 

 10月26日付の本欄で筆者は次のように警告している。

 

〈野田首相はしかし、松原(仁)氏(拉致問題担当相)を外した別ルートで北朝鮮の統一戦線部と接 触したという。拉致を棚上げにし戦没者遺骨問題などで日本の支援や制裁解除を狙う謀略機関である。…圧力をかけつつ、拉致被害者の帰還などを実現させた場 合のみ、支援や制裁解除で応じる「行動対行動」を貫くことが対北交渉の鉄則だ。…人気取りの次元で拉致問題を利用するのなら、野田政権は拉致を軽視したと いう批判のみならず、国民の命と国の主権を蔑(ないがし)ろにしたとの非難をも浴びるだろう〉と。

 

 10月初めに、筆者が入手した北朝鮮内部からの情報はこうだ。北朝鮮にとって日本からカネを取ることが国家的課題となっている。北朝鮮権力の中枢部は、 金正恩政権の安定のためには住民の食糧問題の解決が不可欠と考えており、そのために日本からの過去清算資金が欲しくてたまらない。北朝鮮は、内実はという と、焦っているのだが、日本がこの問題で焦るように持っていかなければならないと考えている。野田政権の間に、次期政権を縛る約束を取っておいて、次期政 権との協議を有利に導くために協議を始めたという。

 

 ≪日本は国家的意思示し続けよ≫

 筆者は、野田政権関係者が11月初め、東南アジア某国で北朝鮮統一戦線部幹部らと接触したとの未確認情報を入手した。総選挙前に北朝鮮が拉致被害者の再 調査を約束するのと引き替えに、日本側が朝鮮総連幹部の訪朝許容や対北貿易停止の一部解除、遺骨収拾などを名目に現金支援を行うといった具体的な提案をし たとされる。

 

 北朝鮮権力中枢では、横田めぐみさん、田口八重子さんら多くの秘密を知っている被害者を帰国させなければ、日本は絶対に納得しないという現実を理解しているグループと、一部の被害者さえ帰国させれば日本は黙ると唱えているグループの対立があるという。

 

 だからこそ、わが国では官民挙げて、被害者全員が帰ってこない限り、対北制裁緩和はしないし、対北支援もしないという国家意思を示し続けなければならない。

 

 野田首相が、そうではなく、拉致という国家の主権と国民の人権に直接かかわる問題を、自らの支持率向上の手段にするという、禁じ手を使おうとしているの であれば、もってのほかである。今後の交渉は、衆院選挙後に誕生する政権に任せて、選挙前の再協議や水面下での譲歩をすべきでない。

 

 主権にかかわる問題を選挙に利用しようとするのは売国にも似た行為であると釘を刺しておく。(にしおか つとむ)

中国の尖閣諸島などへの対日軍事圧力が強まり、日本の防衛が重視されるようになりました。しかし日本の防衛は日本の憲法によって、十重二十重に機能を抑えられています。

 

「戦力の不保持」「交戦権の禁止」「国権の発動としての戦争の禁止」「国際紛争を解決するための戦争の禁止」そして「集団的自衛権の行使の禁止」などなど、いまの憲法を文字どおりに解釈すれば、中国が尖閣に攻撃をかけてきても、まともな反撃はできません。

 

集団的自衛権の行使禁止は日米同盟の深化とは相反する状況です。

どちらをとるか、決めねばなりません。

 

いまこそ憲法の根幹の矛盾を解消すべきときです。

 なぜそうなのか、以下の拙著で十分に説明したつもりです。

 

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