2013年11月

以下の記事を産経新聞に書きました。

 

 

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【緯度経度】古森義久 「改革開放」逆行、メディア威圧
 
2013年11月23日 産経新聞 東京朝刊 国際面

 
中国政府と米国大手メディアの水面下での衝突が激しさを増し、表面にまで浮上してきた。中国側は自国の指導部について、批判的な報道をしたメディアの記 者の中国駐在を認めないという威圧に出てきたようなのだ。習近平政権になっての「改革開放」のかけ声も報道の自由に関してはまったく逆行のようだ。

ニューヨーク・タイムズ11月8日付記事は、中国政府による欧米の大手ニュースメディアへの圧力や締めつけを報じ、そのなかで自紙も昨年10月に中国の当 時の首相、温家宝氏の一族の巨額の財産について報じた直後から、新規に中国駐在を求める記者への入国査証(ビザ)が出なくなったことを明らかにした。同じ 時期から、同紙の新たな中国語版を含むウェブサイトが中国内ですべてブロックされるようになったという。

この結果、同紙はこの1年以上、中国駐在の特派員を新たに送れない状態が続いているというのだ。

この記事によると、米国の大手経済通信社ブルームバーグも昨年6月以降、中国政府から同じような扱いを受けてきた。同月に中国共産党の習近平氏を含む複数 の幹部の私有財産について一連の記事を流した後、新たに中国当局から抗議を受け、以後に申請した中国駐在記者へのビザは出ないままとなった。

さらに複数の米国報道機関によると、国際通信社ロイター(イギリスのロイター通信をカナダ系の情報企業トムソンが買収した総合通信社)の次期中国駐在特派 員に予定され、中国駐留記者ビザを申請していたポール・ムーニー記者も11月上旬、却下の通知を受けた。同記者は今年4月にビザ申請をしたが、7カ月ほど 中国側からなんの返事もないまま、今回、唐突に拒否を告げられた。中国政府側はムーニー記者が前回の駐在期間に、チベット民族の抑圧などの記事を書いたこ とがビザ拒否の理由であることを示唆したという。

ムーニー記者は香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙などの中国駐在特派員を20年近く務め、今年4月に同紙を辞めて本国の米国に戻っていた。その後、ロイターに雇われ、中国にまた駐在する予定だった。

この3つの例は、中国政府が外国の特定メディアの報道内容を理由に、そのメディアの記者の中国駐在を拒むという新たな威圧政策を明確にしたといえる。

さらにニューヨーク・タイムズの11月8日の報道によると、ブルームバーグは中国共産党幹部と民間の大富豪たちとの絆についての記事など2本をすでに取材 を終え完成ずみにもかかわらず、未使用にすることを内部協議で決定した。同社上層部は「これらの記事を流すと、わが社全体が中国から追放されかねない」と 社内で説明したという。

同社が中国官民に配信する国際経済ニュースの端末機の契約(1件当たり年間約200万円)も同時期から激減し、後に中国政府が諸機関にその契約を一定期間以上、続けないよう指示していたことも判明したという。

中国側の威圧が効果をあげたということだろう。

中国当局がこれまでも外国の記者や報道機関に圧力をかけ、中国側が嫌う報道には厳しい報復措置を取ることはよくあった。しかし今回のように、米国などの大手メディア全般にこれほど体系的な威圧に出ることは前例がないようだ。(ワシントン駐在客員特派員)

朝日新聞のこのところの特定秘密保護法案への反対キャンペーンは、「ご乱心ですか」と問いたくなるほどです。国民の感情を煽り、政府への不信をたきつけ、きちんと民主主義政治の手順を踏んでいる立法活動にも、カンボジアの大虐殺ポル・ポト派までを重ねあわせて、まさに日本の民主主義の悪魔化を図るのです。

 

特定の政策や法案に賛成する自由、反対する自由、だれにでもあるのが民主主義国家の自明の基本でしょう。しかし政府からも国家からも多方面で特権を与えられる公器たる大新聞が特定な過激思想をデマゴーグのように発射しつづけるとなると、この民主主義の基本にも反しかねません。

 

朝日新聞はついに日本の国政の代表たちをカンボジアの大虐殺政権ポル・ポト派にたとえるところまで、プロパガンダ・キャンペーンをエスカレートさせました。

朝日新聞11月20日夕刊の「素粒子」というコラムです。

 

最近の特定秘密保護法案など国会での審議を論評しながら以下の記述で結んでいました。

 

「暗黒時代のカンボジア。民は支配者オンカーを恐れた。だがオンカーが何かは誰も知らない。秘密が秘密の世界」

 

カンボジアのことを論じているのではありません。

いまの日本を論じるコラムでこんな総括をするのです。

 

具体的になにを意味するのか正確にはわからない情緒的なだけの記述ですが、日本の国民を虐殺政権下のカンボジアの民にたとえ、ポル・ポト政権をいまの日本の自民党政権にたとえようとしていることだけは明白です。オンカーというのはそのころの政権の秘密組織の名称です。

 

冗談ではありません。

 

まず朝日新聞はポル・ポト政権の虐殺の報を否定し、「優しい社会主義」だなどとほめていたことはまあお忘れなのでしょう。しかしいまの日本と虐殺時代のカンボジアとをいっしょにして叩くなんて、常軌を逸していますね。

 

「素粒子」なる駄文を書く記者には日本の安倍政権とカンボジアのオンカーを動かしたポル・ポト政権が一緒にみえるのでしょうか。だからその安倍政権が推す秘密保護法案は大虐殺にでもつながる悪魔の法律だというのでしょうか。

 

朝日新聞の反対することを実行すれば、日本は国全体としてうまくいく。

今回も私はまあ風刺をこめながらですが、そう思えます。

 

対日講和条約、日米安保条約、周辺事態法、ミサイル防衛---みな朝日新聞は反対でした。ちなみに中国もまったく同じ反対の立場です。だがわが日本国はその朝日新聞の主張とは逆の道を選びました。その結果の現在の平和と繁栄があるのです。朝日新聞は日本にとって最大の反面教師であることは歴史が証明しているのです。

 NHKの報道や論評に偏向が多いことをたびたび指摘してきました。

そのNHKの経営委員に媚中反米ふうの左傾偏向に反対する人たちが新たに選ばれたことに、朝日新聞などは反発しています。

 

そこで私にとっては遅かりしとしてわかったことですが、NHKには番組審議会という組織があるのです。外部から選ばれた委員たちはNHKの番組の内容について礼賛や批判をする役目を与えられているようです。

 

この委員はどうやって選ばれるのでしょうか。

 

国会承認を必要とする人事ではないことは確かです。

 

この番組審議会には、中央放送番組審議会、地方放送番組審議会、国際放送番組審議会という3つがあるそうです。

 

この構造や機能はあまり世間一般に知られていないようです。

 

ひとまず中央放送番組審議会の委員たちの名前を列記しましょう。

NHKのサイトからのコピーです。

 

さらりと見ただけで、まず北城恪太郎氏の名前が目立ちます。

彼は名うての親中派です。小泉純一郎氏の靖国参拝に激しく反対を述べました。

その一方、彼の会社のIBMはコンピューター製造部門を中国企業に売却する交渉をその間、続けていました。いわゆる利害衝突です。

 

朝日新聞や毎日新聞の大物(古手)記者の名前もあります。

読売新聞記者も入っています。

駒崎弘樹氏という左派の活動家の名も目立ちます。

 

 こういう人はそもそもどういう資格で、どういう経緯で選ばれるのでしょうか。

 

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平成25年9月NHK中央放送番組審議会(議事概要)
9月のNHK中央放送番組審議会は、9日(月)、NHK放送センターにおいて、13人の委員が出席して開かれた。
会議では、まず、平成25年度後半期の国内放送番組の編成について説明があり、平成26年度の番組改定と合わせて意見の交換を行った。
続いて、ハイブリッドキャスト(放送・通信連携サービス)について説明があり、放送番組一般も含めて活発に意見の交換を行った。
最後に、放送番組モニター報告と視聴者意向報告、
10月の番組編成の説明が行われ、会議を終了した。
(出席委員)
委 員 長 福井 俊彦(元日本銀行総裁)
副委員長 北城恪太郎(日本アイ・ビー・エム(株)相談役)
委 員
秋池 玲子(ボストン コンサルティング
  グループ パートナー&マネージング・ディレクター)
大野博人(朝日新聞社役員待遇論説主幹)
小田尚(読売新聞東京本社専務取締役論説委員長)
倉重篤郎(毎日新聞社論説室専門編集委員)
駒崎弘樹(NPO法人フローレンス代表理事)
紫舟(書家)
龍井葉二(連合総合生活開発研究所副所長)
細谷亮太(聖路加国際病院副院長、小児総合医療センター長)
谷口肇(全国農業協同組合中央会常務理事)
若月 壽子(主婦連合会事務局)
和田章(東京工業大学名誉教授)

 中国政府による外国の書籍の翻訳版発行の際の検閲についてです。

 

 中国ではそもそも1989年6月に起きた天安門事件の虐殺についても国民一般は知らされていないという異様な状態が存在するようです。その事件に触れた外国の本が入ってくると、ほとんどの記述は削除されてしまうらしいのです。

 

 なんともひどい国ではありませんか。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

 

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39218

国際激流と日本

中国当局の検閲を受け入れた
あの世界的ベストセラーの著者

 

 

 

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 それを受けて、ニューヨーク・タイムズは10月15日の「著者が中国での自書販売のために検閲者の規則を受け入れる」という見出しの長文記事でボーゲル氏の態度を批判した。

 

 同記事やその他の関係者の証言によると、中国語版で削除されたのは、1989年6月の天安門事件に関する多くの事実関係の記述、鄧小平氏が天安門 事件での虐殺の報告を受け、明らかに取り乱した様子を見せたという記述、毛沢東やその他の中国共産党指導者への「被害妄想」とか「執念深い」という否定的 な描写などである。

 

 同書の中国語版は、2013年10月までに中国国内で合計65万部ほどを売るベストセラーとなった。同氏自身、その理由の1つとして「中国の一般 国民はそれまで天安門事件の事実関係を当局からまったく知らされていなかった。私の書ではその事実関係の大枠を記しており、初めて同事件の説明になったか らだろう」と説明している。

 

 しかし天安門事件については、同書の原本の記述の多くがなお削除されていたのである。

「何も知らせないよりはマシ」と反論

 ボーゲル氏自身は中国の検閲を受け入れたことへの批判に対し、ニューヨーク・タイムズへの投稿で反論を述べた。

 

 「私の本の中国版は、全体の10%ほどが削除されることが事前に分かっていた。しかし、なお90%を知らせることはゼロよりはずっとましだと判断した。特に天安門事件について、それまでなにも説得力のある説明を聞いていなかった中国国民へのプラスは特に大きいと思った。

 

 利益のために言論の自由への抑圧を受け入れたという批判があるが、私は中国語版の印税をすべて母校のオハイオ・ウェスレアン大学に寄付することを強調したい」

 

 ボーゲル氏の著者としての反論は以上のようなものだった。

 

 だが、米国内ではボーゲル氏への批判は絶えていない。

 

 米中両国の政治体制の大きな違いを期せずして照らし出した1つの出来事であり、中国への対処の難しさを改めて提起したとも言えよう。

(終わり)

 中国政府は自国内で出版される書籍の内容を事前に厳しく検閲します。

 そして気に入らない記述があれば、ばさばさと削ります。

 では著者としてその「言論の弾圧」を受け入れるかどうか。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

 

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39218

国際激流と日本

中国当局の検閲を受け入れた
あの世界的ベストセラーの著者

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  2012年にはイギリスの大手紙フィナンシャル・タイムズのベテラン記者、ジェームズ・キング氏の著書『中国が世界を揺さぶる』(邦題『中国が世界をメチャクチャにする』)の中国語版が中国で出版されそうになった。欧米ですでにかなりの部数を売った書だった。

 

 だが、この本の中国語版は、中国共産党にとって都合の悪い記述を含む1章がまるまる削除されることが確実となった。キング記者はそのことが分かる と、これまた、「中国市場での販売のために、正しい記述までも削除してしまうことにはジャーナリストとして同意できない」と言明し、中国での出版をキャン セルした。

削除された天安門事件に関する記述

 そんななかで、米国ハーバード大学の元教授のエズラ・ボーゲル氏の新刊書をめぐる動きは、中国側の検閲を全面的に受け入れてしまったという点で異色だと言える。ボーゲル氏の対応について、米国内のアカデミズムやジャーナリズムの世界でも論議が巻き起こっている。

 

 ボーゲル氏は日本研究学者としても広く知られ、1979年に刊行した『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は日米両国で大きな話題を呼んだ。

 

 ボーゲル氏の今回の書は、まず米国で2011年9月に出版された。『鄧小平 中国の変容』という題で、ハーバード大学系の出版社が刊行した。米国を中心に3万部ほどが売れたという。

 

 2012年5月に、香港の香港中文大学系の出版社が中国語版を出版する。香港だけでなく、台湾、シンガポールなどの中国語圏で関心を集め、合計5万部ほどが売れた。

 

 そしていよいよ中国本土の出版社が関心を持つ。大手の三聯出版が版権を買い、2013年1月には中国当局の検閲を受け、中国語版が刊行された。この間、日本でも同書は『現代中国の父 鄧小平』というタイトルで日本経済新聞出版社から出された。

 

 米国で論議が起きたのは、この書の中国版が内容のかなりの部分を削除され、その削除に著者のボーゲル氏が同意したことが判明したためだった。

(つづく)

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