2013年12月

東アジアでの米中両国海軍のパワー比較です。

 

この比較も歴史をさかのぼることが必要です。

 

 日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39528

国際激流と日本

もはや目の前? 中国海軍が米海軍と肩を並べる日 局地戦ではすでに優位な状況も

 

 

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 1996年3月の台湾の総統選挙に先立って、中国は独立志向の李登輝氏が選挙で勝利することに反感を示し、ミサイル発射などの軍事演習の実施に よって台湾を威圧した。

 

 米国の当時のクリントン政権は中国の軍事威嚇の停止を求めたが、応じなかったため、空母2隻を台湾近海へと急派した。当時の中国軍 はその動きに対してなんの対抗措置も抑止措置も取ることができず、あっさりと台湾周辺での軍事演習を止めてしまった。これは中国にとっては極めて屈辱的な 事態だった。

 

 だが当時の中国海軍は米海軍の空母に対してまったくの無力だったのだ。中国海軍の大幅増強はこの事件が契機の一端だったとも言われる。その時期から大規模な海軍力の強化が始まったのだ。

 

 そんな経緯を経て、中国海軍はいまでは堂々たる「遠洋海軍」となった。最近では中国の潜水艦が米軍の空母の至近海域で突如探知され、米側に脅威を 与えたり、中国の漁船が米側の音響観測船の調査活動を妨害したり、という事件も起きている。

 

 東アジア海域でそれまで圧倒的な優位を誇ってきた米海軍に、中 国海軍が挑戦するような動きが目立ってきたのである。そのクライマックスがこの12月の米海軍イージス艦への中国艦の阻止行動だったとも言えるのだ。

戦闘能力の質はまだまだ米海軍が上

 こうした現状を踏まえ、ワシントンの国際安全保障研究機関「リグネット」が12月下旬、東アジア海域での米中海軍力を比較する分析報告を公表した。日本の海洋安全保障にも直接の影響がある重要な課題である。以下、その要点を紹介しよう。

 

・中国海軍は現在、空母や潜水艦、小艦艇以外の戦闘用水上艦艇合計75隻を保有している。そのうち45隻がフリゲート艦、22隻が駆逐艦、8隻がコ ルベット艦で、大多数が実戦配備されているが、そのほとんどは米海軍の水上艦艇の能力より劣っており、伝統的な艦砲を装備しているだけだ。ただし一部には 対艦ミサイルを搭載している。

 

・だが、中国海軍は長年、続けてきた大幅な近代化をなお進めており、新鋭の駆逐艦やフリゲート艦は敵のレーダーをかわすステルス機能を有し、搭載火砲や対空システムも改善された。新鋭の魚雷や対潜ロケット、対艦巡航ミサイルなども新たに装備されるようになった。

 

 さて、以上のような中国海軍の状況に対し、米国海軍はどうなのか。「リグネット」報告を見よう。

 

(つづく)

 日本から尖閣諸島を奪おうとして海軍力を強化する中国は、アメリカ海軍に対しても挑戦の構えをみせています。

 

 では東アジアの海域で中国軍と米軍と、一体どちらが強いのか。

 

 アメリカの専門家集団の分析を紹介します。

 

 日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39528

国際激流と日本

もはや目の前? 中国海軍が米海軍と肩を並べる日 局地戦ではすでに優位な状況も

 

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  増強著しい中国海軍は、日本周辺の海域で米国や日本の海上戦力を圧倒するまでに至ったのか。世界最強とされてきた米国海軍は、日本周辺の東アジア海域で中国海軍に比べてどのような軍事地位を保っているのか――。

 

 米国側の専門家集団から、東アジアでの最新の海上戦力図の分析が明らかにされた。

 

 その分析によると、米海軍は海上艦艇や潜水艦の能力では中国海軍になお確実な差をつけているが、全体の艦艇数では中国に水をあけられ、弱点を突かれそうな領域も少なくないという。

「屈辱的な事態」を契機に強化路線へ

 日本周辺など東アジア海域での米中海軍の戦力比は、12月上旬の米中両国艦艇の異常接近と対決によって一気に高い関心を呼ぶようになった。

 

 南シナ海で米海軍のイージス巡洋艦「カウペンス」が12月5日、中国側の空母「遼寧」の訓練を偵察のため追尾していたところ、中国海軍の水陸両用 艦から停止を命じられた。公海上のため「カウペンス」は所定の航路を前進したが、中国艦はその前方500メートルほどの至近距離に立ちふさがる形を取り、 前進を阻んだ。このため「カウペンス」も緊急停止し、米海軍は中国側に「国際合意を無視する危険な妨害行動」だとして抗議した。

 

 この事件により中国海軍の増強ぶりと、それに基づいた米側への大胆な対抗行動が注目を浴びるようになった。中国側がこうした行動に出るのは、東ア ジアの東シナ海や南シナ海で中国海軍が初の空母「遼寧」を実戦配備したように、近代化の名の下に戦力を大幅に強化していることが土台となっている。

 

 中国海軍はここ20年ほど一貫して増強を進めてきた。それまでは小艦艇の寄り合いの「沿岸海軍」に過ぎなかった。

(つづく)

池田信夫氏といえば、広く知られた気鋭の知識人です。

 

経済学者と呼ぶのが最も適切でしょうが、政治や文化の領域でも鋭いながらもバランスのよい意見の表明で知られています。

 

この池田氏はNHKの職員としてプロデューサー活動をした経歴も長く、その間の取材体験を基に「いまの慰安婦問題は朝日新聞の誤報が原因だ」と明言しています。

 

さてその池田氏が本日の産経新聞紙上で特定秘密保護法をめぐる大手メディアの報道ぶりを分析し、論評しています。

 

池田氏はそのなかで朝日新聞の名を具体的にあげて、朝日が日本の秘密保護法案を戦前の治安維持法やナチスの種々の法律と同じ扱いをして、扇動的かつ不正確な報道を続けていることを指摘しました。

 

【メディア回顧 平成25年】秘密保護法をめぐる報道
2013年12月24日 産経新聞 東京朝刊 生活・文化面


□アゴラ研究所所長・池田信夫氏に聞く

■埋もれた本質的な論議・問題点

今年のメディア界は、今月13日に公布された特定秘密保護法の是非をめぐって大きく揺れた。メディアが一翼を担う「知る権利」と関わる同法は、これをどの ように扱うかという点でメディアのあり方を試すものでもあった。浮き彫りになったメディア側の課題を、経済学者でインターネットの言論サイト「アゴラ」を 運営するアゴラ研究所所長、池田信夫氏(60)と振り返る。



--特定秘密保護法をめぐる新聞報道をどう見たか

池田 新聞が時事問題などに賛成、反対といったキャンペーンを張ること自体は自然なことだ。だが今回は、特に朝日新聞が顕著だったが、特定秘密保護法を戦 前の治安維持法やナチス・ドイツの全権委任法と無理に結びつけた報道や、一般国民が偶然手に入れた特定秘密をブログに書き込んだら逮捕される-など、およ そあり得ない内容の記事まであった。条文の重箱の隅をつつくような扇動的な報道によって、本質的な問題や議論が埋もれてしまった。

●情報的に孤立

--法律の本質的なポイントは

池田 米国や中国をはじめ、国同士の秘密情報の奪い合いが高度化、激化するなか、日本は情報的に孤立したままでいいのか、という問題が前提にある。日本が 情報の取り扱いに対して丸裸だからこそ、米国から信用されず、大した情報も渡してもらえない。安倍晋三首相が取材に答えているように、特定秘密の大半が衛 星写真や暗号、自衛隊装備情報などだ。これらの点を踏まえた上で、スパイウェアやウイルスといったテクノロジーを起因とした情報漏洩(ろうえい)などにど う対応するかといった課題を報じるべきではなかったか。

●結論ありき…

--なぜ一部大手メディアは過剰反応したと思うか

池田 一部メディアに限らず、新聞やテレビははじめから「結論ありき」で取材や報道を行う傾向が強い。「仮説」を唱えて警鐘を鳴らすことは理解できるが、事態が進行するなかで自社の主張の確かさを見直し、修正する仕組みが機能していなかったのではないか。

--一方、インターネットでは扇動的な新聞報道に対する批判も見られた

池田 統計的な根拠はないが、例えば朝日新聞報道に疑義を呈した記事に対する支持も多く、ネット全体が「反対一色」に染まったような風潮ではなかった。東 京電力福島第1原発事故後、ネットには科学的根拠のない言論を展開し不安をあおる騒ぎ屋のような人々もいた。その後、それらがデマだと分かり、信用できる 人とできない人の選別が進んだ。また、原発事故と違って「ネタ」が抽象的な法律論だったことも、冷静な議論の要因だと考えられる。ネット世論は徐々に成熟 しつつあるといえるのではないか。

●偏った取材先

--大手メディアへの教訓はあるか

池田 今月、各社の世論調査で安倍内閣の支持率が10ポイント近く低下したことには、特定秘密保護法をめぐる新聞やテレビの報道が大きく影響していると考えられる。いまだ大手メディアの影響力は強いといえる。

一方、取材・報道の自由への悪影響を懸念した報道も多かったが、これまでも国家公務員法などで公務員が職務上知り得た秘密を漏らすことは禁じられている。 それが事実上黙認されてきたのは、報じられる「秘密」が暗号情報などに比べて価値の低い「秘密」だから。それから、情報源を秘匿するというジャーナリズム の側の大原則があるからだ。確かに法施行で取材対象者が必要以上に身構えることは予想されるが、法律があってもなくても役所が本当に嫌がる情報は簡単には 出てこない。役所や政治家から情報をもらう取材を重視しすぎている現在の報道のあり方自体を見直すべきではないか。(聞き手 三品貴志)



【プロフィル】池田信夫

いけだ・のぶお 昭和28年、京都府生まれ。東京大経済学部卒業後、NHK入局。平成5年に退職後、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター教授、経済産業研究所上席研究員などを歴任。経済学者、ブロガー。主著に『原発「危険神話」の崩壊』など

NHKの政治偏向は特定秘密保護法の扱いひとつをみても、明白です。

衆参両院で大多数の賛成を得る重要法案について、反対の立場だけの報道でした。

 

そのNHKの新会長が決まりました。

 

これを機にNHKへの監視の目を強めましょう;

 

NHKへの注文は山のようにありますが、まずそのほんの一例を紹介します。

【産経抄】


 

 最新の雑誌『別冊正論』はNHK批判を特集している。中でも興味深いのは桶谷秀昭氏の「大東亜戦争か太平洋戦争か」である。桶谷氏はかつてNHKのラジオ番組で「私の萬葉集」として、国民学校6年生で初めて読んだ思い出などを録音した。

 

 ▼「大東亜戦争たけなはの昭和18年でした」と語ったのだが、その後で担当のプロデューサーからクレームがついた。「大東亜戦争」を「太平洋戦争」に変えてくれという。押し問答の末、桶谷氏は断る。すると実際の放送では「大東亜」の3文字が消されていた。

 

 ▼「大東亜戦争」は開戦直後、日本政府が閣議で決めた先の大戦の公式名称だ。大東亜共栄圏の樹立を目指すという日本人の歴史観や、戦争の大義が込められていた。だから日本人に「太平洋戦争」を戦ったつもりはなかった。桶谷氏が言い換えを断ったのも当然である。

 

 ▼その「太平洋戦争」は戦後、占領軍が使用を強制した名称だ。日本人の歴史観を抹消し、自らの戦争を「正義」として位置づけるためだった。NHKがその後も「大東亜戦争」を認めないのは、片方の歴史観にくみするもので「偏向」と言われても仕方ない。

 

 ▼むろん他のほとんどのメディアも戦後、そうした歴史観から抜け出せずにきた。だが公正や中立を義務づけられたNHKがそれでいいはずはない。しかも歴史観だけではない。最近の特定秘密保護法問題で、反対の動きばかり報道するなどといった批判が渦巻いている。

 

 ▼問題は会長や経営委員会が批判に耳を傾け、放送内容をチェックしているかどうかである。していないとなれば食品会社などの経営者が商品にクレームをつけられても知らぬ顔をしているに等しい。籾井勝人新会長に期待したいことである。

   張成沢処刑の意味についてのレポートです。

 とくに気がかりなのは、この異変の日本人拉致事件への影響でしょう。

 

 日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 なおこの項はこのエントリーで完結です。

 

 原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39469

 国際激流と日本

北朝鮮の残酷な処刑が
日本に好影響を与える理由

                                                              ===========

  チャ氏はさらに、金書記が政権内部のコントロール不足を補うために、外部に対して危険な軍事行動をあえてとって、内部の結束を狙うという可能性をも 指摘した。要するに金政権はこれまでも、そして今も内部の分裂が激しいという見方なのだ。その分裂は張処刑だけで一気に解消できるはずはない。

 

 この処刑の後、金書記は独裁体制を急速に強化していくことができるのか。それは、現時点では決して断言することのできない難しい予測であることが分かる。

命を狙われていた金正恩

 金政権内部の分裂ぶりについて、ここで想起されるのは本コラムの「北朝鮮の崩壊に備えよ」(2013年10月23日)という記事で紹介した米国ランド研究所の報告である。

 

 同報告で示唆的だったのは「この1年ほどの間に2回、金正恩第一書記への暗殺の試みがあり、党や軍が内部分裂して内戦となる可能性もあった」とい う記述だった。「暗殺」や「内戦」という言葉は、報告発表の時点ではいかにも大げさに響いたものの、現時点では、張成沢氏の罪状の「金体制を強硬手段で覆 し、権力を奪おうとした」という部分は、このランド研究所報告と合致してくる。

 

 米国が多数の人工衛星を用い、偵察や通信傍受などのテクニカルな手段で日夜北朝鮮内部の情報を集めていることは周知の事実である。北朝鮮の秘密の ベールはそうした情報収集の試みを跳ね返すほど厚い。しかし、米国が日本とは違う次元の北朝鮮情報をつかんでいることは確実だろう。だから米国でも政府や 軍との絆が深いランド研究所の報告は特に注視に値するといえる。

 

 日本人拉致事件の解決が望める有力シナリオの筆頭は金政権の崩壊である。米国側でもなお金政権の崩壊を予測し、期待する向きも多い。レジームチェ ンジ(政権交代)は、オバマ政権でも北朝鮮政策の水面下の一角に確実に組み込まれている。一連の核問題や人道問題も、金政権が消滅、あるいは崩壊すれば自 然に解決されるという見方である。日本人拉致事件もその解決の可能性の範疇に入るだろう。

 

 だからこそ米国側ではなお北朝鮮への拠点爆撃のような武力行使による核武装の阻止という政策オプションもささやかれている。民主党クリントン政権 でCIA(中央情報局)長官を務めたジェームズ・ウールジー氏などは、つい最近公式の発言として北朝鮮拠点爆撃を提唱したほどである。

 

 張氏の処刑という異様な事件は、米国側の以上のような認識や期待、政策を期せずして浮かび上がらせた。そうした米国の見方に従えば、今後、北朝鮮の金正恩政権が変化して日本人拉致事件の解決が見えてくる可能性も十分にあると言えるのだ。

(終わり)

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