2014年04月

 オバマ大統領の来日により、日米同盟のあり方がまた新たに問われ、論じられることでしょう。

 

 オバマ政権は安全保障面での対日政策、対アジア政策をどうしようというのか。

レトリックとしてはいずれも「最重視」という意味の言葉が述べられることでしょう。

 

 でもオバマ政権はそのためにきちんとした実効措置をとっているのか。

 

 ワシントンではその点での深刻な疑問が表明されています。

 

 そのあたりの報告です。

 

  日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40465

国際激流と日本

幻に終わりそうな米国の「アジアへの旋回」戦略中身は迷走し、予算は不足

 

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 米国のオバマ大統領の来日が迫ってきた。東京での日米首脳会談では、改めて米国の対アジア政策が論じられるだろう。その米国の対アジア政策での焦点は、オバマ政権の「アジアへの旋回(Pivot)」戦略である。「アジアへの再均衡(Rebalance)」とも表現される。

 

 だがその実行はまずできないのではないか、という率直な意見が米国防総省の担当高官から表明され、ワシントンの政策形成者たちの間で論議や懐疑が再び燃え上がっている。

 

 「アジアへの旋回」は、米国がイラクやアフガニスタンに投入してきた軍事力が両国からの撤退で余裕ができた分、アジア・太平洋に回すという軍事主 体の新戦略だった。オバマ政権はその第1期の2011年末頃から概要を打ち出し始めた。当初は国防総省の「空・海戦闘」戦略という一連の軍事強化政策が土 台となった。

 

 だがその後、この政策が変容を遂げていく。現在では「アジアへの旋回」の中身は極めて曖昧になってしまったと言える。

当初の戦略は中国が“仮想敵”だった

 当初の「空・海戦闘」戦略は、「海洋戦略」「空軍力」「海軍力」「サイバー攻撃力」「宇宙開発」という5分野に及んでいた。具体的な内容としては以下のような目標が挙げられた。

 

・中国の新型の対艦ミサイル破壊のための空海軍共同作戦

 

・米軍用の人工衛星の機動性の向上

 

 

・中国の「接近阻止」部隊への空海両軍共同のサイバー攻撃

 

・有人無人の新鋭長距離爆撃機の開発

 

・潜水艦とステルス機の合同作戦

 

・海空軍と海兵隊合同の中国領内の拠点攻撃

 

(つづく)

 北朝鮮が日本人拉致に関して、柔軟な姿勢をみせてきた観があります。

 

果たして日本国民の悲願といえる拉致問題が解決に向かって動くのか。

 

北朝鮮は拉致した日本人男女を解放するのか。

 

しかしこういう際にこそ、北朝鮮当局のしたたかさに留意すべきです。

 

以下の報告を書きました。

 

原文へのリンクは以下です。

 http://japan-indepth.jp/?p=5121

 

 

 

 

[古森義久]<北朝鮮のしたたかな交渉戦略>相手を騙し「取りたいものだけを取る」交渉術に注意[連載9]古森義久の内外透視

 

 

 

 

連載_古森

古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

執筆記事プロフィールBlog

 

◆北朝鮮の交渉術〜楽観は禁物

 

北朝鮮がこのところ日本の拉致問題などについて、奇妙なほどの軟化をみせ始めた。

 

北朝鮮当局は横田滋、早紀江夫妻を拉致された長女めぐみさんの娘に面会させた。

 

日本政府に対し、日本人拉致の再調査の意向を伝えたという報道もあ る。日本側では古屋圭司・拉致問題担当大臣が、もし北朝鮮がそうした方向への措置をとれば、日本政府の対北制裁も緩める構えがあると表明した。

 

確かに北朝鮮側になにかの大きな変化が起きているという兆しがうかがわれるのだ。人権弾圧の「凍土の共和国」に拉致されたままの日本人男女が帰国できるという展望は、日本国民の大多数を奮い立たせるといえよう。

 

だが、そこで想起させられるのは、北朝鮮のこれまでの対外交渉の特徴である。過去の記録は北朝鮮が自国の欲するものを入手するために、諸外国との交渉を始め、その欲しいものを得たとたんに態度を急変させるというパターンをあまりに多く繰り返してきたことを示している。

 

その北朝鮮独特の交渉術はアメリカの朝鮮半島専門家チャック・ダウンズ氏著の『北朝鮮の交渉戦略』という書が詳述している。この書が出たのは 1998年だが、アメリカの国防総省で長年、北朝鮮を担当したダウンズ氏はそれまで50年ほどの北朝鮮 政権の実際の交渉パターンを精密に分析していた。私もワシントンでの報道活動でその書を読み、納得される点が多かったのだ。

 

『北朝鮮の交渉戦略』は北朝鮮が対外交渉で相手国に「楽観」「幻滅」「失望」そしてまた「楽観」という心理状態を順番に抱かせるのがパターンだと詳述している。ダウンズ氏はその内容を次のように解説していた。

「北朝鮮は自国の政策に基本的変化があるようにふるまい、相手国に有利となりそうな寛容な態度を示唆する。相手が楽観へと 転じ、前に出てくると、自国が欲する経済援助や制裁解除を取りつけ、その後に態度を急変させ、相手を幻滅させる。北朝鮮はさらに交渉の事実上の打ち切りま でに至り、相手を失望させる。相手は最悪状態のなかで、やがてまた北朝鮮の軟化を期待し、楽観への道を歩む。

北朝鮮への交渉を試みる側はこの楽観、幻滅、失望というサイクルのなかの3つの心理状態のどれかしか抱いていないことになる」

簡単にいえば、相手をだまし、取りたいものだけを取るという、したたか交渉術だというのだ。北朝鮮への楽観が生まれつつあるいまの日本では、念頭に入れておくべき分析だろう。

 

 

 最近、新しいニュース評論サイトに寄稿しています。

 

 フジテレビで長年、報道記者や解説委員として活躍した安倍宏行さんが始めたユニークなサイトです。

 

 Japan In-Depth  という名称のサイトです。

 最新の私の記事は以下です。

  原文へのリンクは以下です。

http://japan-indepth.jp/?p=4850

 

 

 

[古森義久]<米中新型大国関係って何?>アメリカと中国が東アジアを取り仕切ろうとする意図の危険性[連載8]古森義久の内外透視

 

 

 

連載_古森古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

執筆記事プロフィールBlog

 

◆「新型大国関係」という言葉が妖怪のようにアジアに影を広げている

 

 米中両国のかかわりの新しいあり方を示すこの言葉は、日本をはじめ東アジアの多くの国の懸念の対象となるようになった。 「米中新型大国関係」というのは、文字通り、米中両国の大国同士としての新しいタイプの関係、という意味である。だが読んですぐ感じるように、国際関係、 特に東アジアでの国家間の動きをアメリカと中国が手をつないで主導役を果たし、取り仕切るという意図がにじんでいる。

 

 アメリカの対アジア政策といえば長年、まず日本や韓国のような同盟諸国と手を組んで、平和や安定を図るというのが基本だった。だが米中新型大国関係 という概念はアメリカがアジアへの対処でまず中国と協議するという方向を指している。であれば、アジアの秩序の根本からの変革となる。アメリカの同盟諸国 がないがしろにされる危険があるわけだ。

 

 米中新型大国関係というのは、中国側から提起された。アメリカと対等な立場でアジアや世界を仕切ろうというのだから、いかにも近年の中国共産党指導 部が求めそうな発想である。実際にこの政策標語を大々的に打ち出したのは2012年2月、当時、国家主席になることが決まっていた習近平氏だった。その際 の訪米で述べたのだ。習氏は翌年6月のカリフォルニア州での米中首脳会談でもその概念を強調した。

 

 オバマ政権では2013年11月に国家安全保障担当の大統領補佐官スーザン・ライス氏が「アメリカも中国との新型大国関係を機能させることを目指 す」と述べた。そして同年12月にはジョセフ・バイデン副大統領が中国を訪問して、やはりその言葉を使った。いずれも中国側の呼称を使い、新関係の中身に 触れず、アジアの同盟諸国への影響をなにも述べなかったことが内外で批判を招いた。

 

 オバマ政権側ではまだだれも新型大国関係の内容を明示していない。だが中国側ではこの構想を自国の「核心的利益」にも結びつけようとする言辞が出てきた。核心的利益とは台湾、チベット、新彊ウイグル自治区などに対する中国の主権の不可侵の主張である。

 

 さらには南シナ海や東シナ海での島々の領有権を含めることがある。これらの主張をアメリカにも新型関係によって認めさせようというわけだ。 そうなると尖閣諸島も範疇に入るから日本への重大な影響も生まれてくる。安倍首相としては今月下旬に来日するオバマ大統領にぜひとも問いただしたいところ だろう。

 

 日本が直面する、いわゆる歴史問題について、です。

 

アメリカ政府の元高官ランディ・シュライバー氏がオバマ政権の態度を批判しながら、

中国をも非難しています。

 

中国が日本にぶつけてくる歴史問題というのは、実は歴史とは関係のない対日攻撃戦略の一環だというのです。

 

そして、日本もアメリカもその歴史問題なるテーマに中国の求めどおりにくっついていくと、地雷を踏むことになる、とも警告するのです。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40406

国際激流と日本

「中国に正しい歴史を語る資格はない」
米国の元国務省高官が中国の日本非難を一蹴

 

 

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「それは一種の地雷だとも言える。中国が歴史を語るとき、それは実際には過去についてではなく、現在、そして未来も、日本を抑えつけ、日米同盟に緊迫を作り出そうという動機からなのだ。中国は日本封じこめ、日米離反、そしてさらに国内向けの目的に歴史を利用しているのだ」

 

 だから中国の歴史問題提起を言葉通りに受け取って相手にしていると、地雷を踏むような危険に遭遇する、というのである。

 

 シュライバー氏は中国に絞ってこんな見解も述べた。

 

 「中国は歴史上の真実や正確性をきちんと保管していくという国家ではない。中国の歴史博物館を見れば、よく分かる。歴史の展示は不正確そのもの、かつ不快を極める。靖国神社の遊就館どころではない。この点を米国側も十二分に理解しなければならない」

 

 中国では確かに文化大革命も天安門事件も、その歴史は隠されたままである。文化大革命では毛沢東主席の失政で膨大な規模の人的な損失や政治や経済 への被害が出たことの歴史はいまだに公表されていない。1989年6月の天安門広場での民主活動家たちの大量殺戮も、中国内部ではその歴史は闇に隠された ままである。そんな国に歴史を語り、他国に説教までする権利も資格もまったくない、ということなのだ。

 

 シュライバー氏は中国の歴史に対するそんな欠陥体質を提起しながら、中国が日本に向かって投げつけてくる「歴史問題での非難」は、文字通りに受け 止めることは危険だと警告しているのだった。米国側にもこうした見解を堂々と表明する識者が存在することを、日本もきちんと記録しておくべきであろう。

(終わり)

 中国やオバマ政権が日本に向かって説く「歴史問題」なるものの実体は?

 

 ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が東京では千鳥ヶ淵の戦没者墓苑を訪れ、

日本側に追悼の範を示しました。

 

 だが同じアメリカ側の元高官はこの言動を「小利口」と酷評するのでした。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40406

国際激流と日本

「中国に正しい歴史を語る資格はない」
米国の元国務省高官が中国の日本非難を一蹴

                                    ++++++++

 「オバマ大統領は(4月下旬の訪日での日米首脳会談などでも)靖国参拝などについて安倍首相を公式の場で咎めるようなことはもう避けるべきだ。こ の種の歴史問題関連の案件はあくまで非公式の議論に留めるべきだと思う。親密な仲の同盟国や友好国同士は、相手国の首脳を公の場で非難など決してすべきで はない。その点、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官が東京の代替墓所(千鳥ヶ淵戦没者墓苑)を訪れたのも、“小賢しい”行動だ。これこそが正しい戦没者追 悼だと誇示したのだろうが、日本側には追悼の方法を自分たちで決める能力が完全に備わっている」

                           

 シュライバー氏のケリー、ヘーゲル両長官の東京での行動に対する批判は辛辣である。周知のように、ジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国 防長官は2013年10月、日本側とのいわゆる2+2会談で来日した際、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花をした。明らかに安倍政権に対する「戦没者の慰霊 は靖国神社ではなく、千鳥ヶ淵で」というメッセージだった。

 

 日本ではさほど大きな反響もなかったが、シュライバー氏はこの両長官の行動を「小賢しい」と断じたのだった。確かに、千鳥ヶ淵の身元不明の遺骨だ けを安置した新設の施設への訪問だけで、戦死者の追悼がすべて足りるとするような態度は、日本側からすれば、やや嫌みなデモンストレーションと映る。

 

 シュライバー氏は、オバマ政権が安倍首相の靖国参拝に対して公の場で「失望」を表明するデモンストレーションのような叱責をしたことは、よくないと述べているのである。

歴史を隠蔽しているのは中国

 シュライバー氏がこうしてオバマ政権の対日姿勢への批判を展開したのは、ワシントンの大手研究機関「ヘリテージ財団」が3月後半に開いたシンポジウムの場においてだった。テーマはオバマ大統領のアジア訪問についてである。シュライバー氏はその基調報告者として登壇し、オバマ大統領の訪日について語る中で、いわゆる歴史問題には危険な「罠(トラップ)」があると警告した。

 

 「多くの人たちが歴史問題と呼ぶ件には真の罠が潜んでいることを明確に語っておきたい。日本の指導者たちが過去の歴史をどう語るか、その内容が外 部の懸念を生むことは確かだろう。だが同時にこの問題は非常に複雑であり、私たちが知っておかねばならない文脈があることを強調したい。それは中国が歴史 問題なるテーマを持ち出してくるとき、それは歴史の真実や事実とは関係がない場合が多いということだ」

 

 これまた重大な指摘だと言える。

 

 シュライバー氏はさらにこう語った。

(つづく)

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