2014年05月

 米中関係がまた一段と険悪になりました。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

bpress.ismedia.jp/articles/-/40799

国際激流と日本

米国議会で日増しに強くなる対中強硬論米中間の「新冷戦」が始まったのか

 

 

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 だがオバマ大統領が差し出したオリーブの枝は、中国の無法な言動にあっさりと排されてしまった。

 

 中国はオバマ大統領の帰国にタイミングを合わせた かのように、南シナ海のベトナムの排他的経済水域の内部で一方的な石油掘削を強行したのである。

 

 国連海洋法などでは、この種の経済活動はそのEEZの沿岸 国であるベトナムの事前の許可を得ることになっている。中国のこうした行動に米国の内部での反発が高まったというわけだ。

 

 中国の言動に対する批判は、米国でいまに始まったものではない。「中国はアジアの平和と安定の基礎となってきた国際秩序を確実に侵食している」(アジア安全保障専門家のブラッド・グロサーマン氏)という認識はすでに定着していたと言える。

 

 だがここにきて、たとえオバマ政権が宥和路線を進めたいのだとしても、中国の無法な動きは許容できない、という受け止め方が一気に広がったようで ある。

 

 その背後には、「オバマ政権のこれまでの対応が弱すぎたことが中国の拡張を許した」という批判が広がっていることが挙げられる。いまや米中新冷戦が ついに本格的に始まった、とする見解すらも出てきたのである。

気がかりな中国とロシアの接近

 中国の威嚇的な行動はますます激しさを増している。異常とも言えるほどの急ペースで軍拡をもう20年も続けているうえに、東シナ海での防空識別圏 (ADIZ)の一方的な宣言、尖閣諸島での恒常的な日本側の領空領海への侵犯、南シナ海での無法な領有権拡張、対米サイバー攻撃、そして他国領土を強引に 奪うロシアへの接近など、国際規範無視の中国の荒っぽい行動は、ついに米国側の忍耐の限界を超えたかのようにも見える。

 

 さらに、この5月には、中国人民解放軍の房峰輝総参謀長が訪米し「アジアでの紛争は米国のアジア政策のせいだ」と非難した。習近平国家主席は、ロ シアやイランの首脳を交えた上海での「アジア信頼醸成措置会議」で「アジアの安全はアジアの人間が守る」と述べ、事実上、米国のアジア撤退をも求めた。オ バマ政権の宥和政策にもかかわらず、中国は明らかに米国を敵視しているとしか思えないのである。

 

 こうした現況について、米国では以下のようにも総括された。

(つづく)

 米中関係の新しい動きの報告を続けます。

 

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

bpress.ismedia.jp/articles/-/40799

国際激流と日本

米国議会で日増しに強くなる対中強硬論米中間の「新冷戦」が始まったのか

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 いずれもまるで中国が米国の敵であるかのような語調である。現在の対中非難が、従来の対中強硬派と目される議員たちだけに限らないことは明白だった。

 

 さらに、この公聴会の大きな特徴は、オバマ政権を代表する証言者のダニエル・ラッセル国務次官補も、中国のベトナムの排他的経済水域(EEZ)内 での石油掘削を取り上げ、「一方的、武力的、違法」などと非難したことだった。いまやワシントンの国政の場では、中国に対する姿勢が、民主、共和の党派の 別なく一気に硬化したのである。

オバマ大統領の「対中宥和政策」をはねつける

 この現象はオバマ政権のこれまでの対中政策の軌跡を振り返ると、いかに大きな変化であるかがよく分かる。

 

 オバマ大統領は2009年1月にホワイトハウス入りして以来、中国に対しては、けなげなほどに誠意を込めた対応をしてきた。だが、それから5年半近くが過ぎた2014年5月の現段階では、その誠意はまったく実を結んでいない。それどころか逆の効果をもたらしているのだ。

 

 オバマ政権の対中政策を簡単にまとめれば、乱暴で危険に見える中国の言動を糾弾することはあえてせず、なんとか中国を既存の国際社会に普通の一員 として迎え入れようとすることだったと言える。つまり、既存の国際秩序のよき一員となってもらい、既存のルールを守らせようと努力を重ねてきたのである。 その政策は「対中宥和政策」だとも総括できる。なにやら「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という日本国憲法前文の表現をも思わせるナイーブな 姿勢だった。

 

 オバマ大統領は4月のアジア歴訪では、尖閣諸島には日米安保条約の共同防衛の規定が適用されることを改めて明言するなど、中国の領土拡張への攻勢 に対し、これまでよりは毅然とした対応を示した。しかしその一方、他の歴訪国では必ず中国への気遣いや友好のアピールをくどいほど繰り返した。このあたり はいかにもオバマ大統領らしい立ち居振る舞いだったと言えよう。

(つづく)

 アメリカが中国に対する態度をついに硬化させたようです。

 

 なにがどう変わるのか。

 

 日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

 原文へのリンクは以下です。

bpress.ismedia.jp/articles/-/40799

国際激流と日本

米国議会で日増しに強くなる対中強硬論米中間の「新冷戦」が始まったのか

 

 

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  米国連邦議会下院外交委員会のアジア太平洋小委員会が5月20日に開いた公聴会は、米国全体の中国への姿勢が著しく険悪化している様子をあらわにした。

 

  米国の中国への敵対傾向が明らかに強まり、米中間の「新冷戦」という言葉をも連想させるようになったのだ。 

 

 「中国はいまや全世界の平和と安定と繁栄への主要な脅威となったのです!」

 

 この公聴会ではこんな強硬な発言が出た。

 

 公聴会の主題は米国の「アジアへの旋回」である。

 

 このスローガンはオバマ政権が新政策として鳴り物入りで宣伝してきたが、どうも実態がはっきりし ない。

 

 もしも安全保障面でアジアでの備えを重視するならば、当然、米軍の新たなアジア配備や、そのための国防予算の増額が見られるはずなのだが、見当たら ない。

 

 オバマ政権の唱える「アジア最重視」も、レトリック(修辞)だけで実効措置が伴わない意図表明にすぎないという懸念がワシントンでも広がって久し い。

 

 今回の公聴会は、下院の多数派を占める共和党の主導によって開かれた。主眼は、オバマ政権のアジア政策の内容を点検することだった。アジア政策といっても、現時点でその主体は対中国政策に他ならない。

党派の別なく中国への態度が硬化

 中国を正面から敵視するような前述の過激な言葉を述べたのは共和党のベテラン議員のデーナ・ローラバッカー氏だった。

 

 同議員はかねて中国には厳しい政治家である。中国の軍事拡張や人権弾圧に対し、長年、激しい非難を表明してきた。

 

 一方、民主党のアミ・べラ議員からも、中国の南シナ海での強引な領土拡張の動きなどに対して、鋭い糾弾の声が発せられた。

 

 また公聴会の議長を務める共和党のスティーブ・チャボット・アジア太平洋小委員会委員長も、国際規範に違反する中国の行動に同様の激しい非難を表明した。

(つづく)

 NHKさん、またですか。

 

またまた中国への遠慮、特別な配慮なのでしょうか。

 

5月26日午後7時半からの看板番組「クローズアップ現代」を視聴して、感じさせられた思いです。

 

今回のこの番組は「アフリカゾウ絶滅危機 象牙がテロ資金に」というタイトルでした。

以下がNHK自身による番組宣伝です。

 

「アフリカゾウが絶滅の危機に瀕している。1989年のワシントン条約で象牙の取引が全面的に禁止され、密猟が一時は収まったが、今また、乱獲が激しさを増 している。実は、その要因に近年頻発するテロが関わっていた。アフリカのイスラム原理主義の過激派組織が、密猟象牙を資金源としていたのだ。密猟象牙が密 輸される先は、ほとんどが中国などのアジア。つまり、象牙製品を購入するためにアジアの人々が支払うお金が、アフリカでテロを引き起こす一つの要因となっ ているのだ。「ホワイトゴールド」とも呼ばれ、高値で売れる象牙を巡る様々な動きから、グローバリズムが引き起こす危うい現実を描く」

 

アフリカゾウの象牙を違法に奪い、その利益を独占するのは、いかにもアフリカのイスラム原理主義のテロ組織だと思わされる宣伝です。

 

ところが内容の冒頭はまったく異なる「主犯」を紹介します。

以下のナレーションです。

 
「密猟象牙を取り引きするのは一体どんな組織なのか。
ナイロビ郊外の刑務所へと向かいました。
象牙を国外に持ち出そうとして逮捕された人物に会えることになったのです。
現れたのは31歳の中国人の女性。
8か月前、ナイロビの国際空港で象牙7キロを持ち出そうとしていました。
知り合いの男性にかばんを渡され香港まで運んでほしいと依頼されたといいます。
そして、ことし1月。
女性に象牙を渡した中国生まれの男が逮捕されました。
20の偽造パスポートを所有していたこの男は中国の犯罪組織の一員だと見られています。
中国では野生動物の骨は魔よけの効果があると信じられています。
急速な経済成長を遂げた今密猟された象牙の多くが中国市場に流れていると見られています。
乱獲の歴史は1970年代にさかのぼります」

 

番組はここで中国人男女の映像を流します。2人が中国語で語るセリフも字幕付きで

報じられます。この冒頭の紹介をみれば、アフリカゾウの密猟や象牙の奪取の主役は「中国の犯罪組織」であることが明白です。

 

ところが、なのです。

 

番組はここで中国への言及をすっぱりすべて消してしまいます。その後は中国はまったく出てきません。

 

密猟で利益を得ているのはこの番組の主舞台となるケニアの隣のスーダンにある国際テロ組織「アッシャバーブ」だというのです。その組織の輪郭や活動の概要についてはいろいろなことが流されます。

 

しかし主眼であるゾウの密猟と象牙の奪取についてはこの組織の具体的な動きはなにも伝えられません。その一方、真の主役であるはずの「中国の犯罪組織」についてはなんの言葉も報告もありません。冒頭で主役として紹介された存在がまったく消されているのです。

 

NHKと中国当局との密着ぶりはすでに広く知られています。

中国の犯罪行為はやはり報道の面でも追及できないようなのです。

 

 

いやあ、それにしても奇妙な番組でした。

 

 

 

 国土強靭化とは聞きなれない言葉です。

 

しかし実際には安倍政権の主要政策の一つなのです。

 

その概念は安倍首相自身の口からは「国土強靭化とは国全体のリスクマネジメントだ」とも説明されています。

 

その国土強靭化の内容をわかりやすく説明する本が出ました。

 

著者はその国土強靭化の担当大臣の古屋圭司氏です。

 

  

 

 

 

内容紹介

道路が国民と地域、そして国家にとって重要な役割を担うことは論を俟たない。だが、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模地震をはじめとした、数々の 国家的な巨大リスクに立ち向かうための「国土強靱化」を実現するには、道路に加えて、エネルギーや小・中学校の教育、IT技術や人材育成など、ハード面だ けでなくソフト面も含めた取り組みをオールジャパンで進めていかなければならない。
そうした認識のもと、安倍総理より「国土強靱化担当大臣」とい う重職を任命された著者は、この一年半にわたって、自民党の国土強靱化総合調査会をはじめ各方面の関係者と連携し、平成25年暮れに成立した「国土強靱化 基本法」の考え方に基づいて、「レジリエンス(強靱)社会」の創造に向けて邁進してきた。
他方、「国土強靱化」=「単なるバラマキの公共事業だ」という解説があるが、そうした誤解を正すとともに、その具体像と全体像を国民の前に明らかにする。
 

著者について

衆議院議員、国土強靭化担当相、拉致問題担当相

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