2014年07月

 中国が過去の戦争の断片的な「記録」を誇示して、日本を叩いています。

 

 どこまで日本を貶めれば、気がすむのか。

 

 日本ビジネスプレスの「国際激流と日本」からです。

 原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41347

国際激流と日本

見境なく日本を叩く中国、
今度は日本人戦犯の“告白”を公開欧米メディアは「醜い反日キャンペーン」と報道

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  中国当局が、第2次大戦中の日本軍将兵に対する戦争犯罪裁判の資料を公開し始めた。中国の多数の新聞が、裁判資料の中には「日本軍による中国人民の大量殺害、強姦、奴隷化、拷問」などの生々しい“告白”が記載されているとして、その内容を掲載している。

 

 だが、米国のニュースメディアは、この「再公開」を中国共産党による「醜い反日キャンペーン」と見なし、日本を叩いて国民のナショナリズムを煽ることは逆に共産党政権への非難につながる可能性がある、と指摘している。

大々的に公開される45人の戦犯の供述

 中国当局の重要資料を保存する中央公文書館は、7月3日から、かつての日本人戦犯の「供述書」の内容の公開を始めた。

 

 中華人民共和国当局は、日中戦争での日本側の戦争犯罪者として、1950年の時点で1100人以上の身柄を拘束した。そして56年から軍事裁判で裁き、うち45人を重要戦犯として種々の有罪に処した。

 

 今回のキャンペーンは、その45人の戦犯の供述を改めて公開するものだ。7月3日から8月15日の日本の降伏の日まで毎日1人分の供述を公開している。この供述はこれら被告の取り調べ中の「告白」だとされる。

 

 国際的な司法の慣行では、一度、裁かれた事例や被告は、再び裁きの対象になることはないという「一事不再理の原則」が確立されているが、今回の中国当局の措置は、70年以上も前の「犯罪」を60年ほど前の「供述」を基に再び糾弾する行為に等しい。

 

 今回、中国当局によって7月下旬までに再公開された「戦争犯罪の供述書」には、以下のような具体例が含まれていた。

 

・日本陸軍の一将校(原文は実名を公表)は1938年から45年までの間に、中国民間人700人以上を殺し、39人の女性を強姦し、2人を生体解剖したことを認めた。

 

・日本軍の一高級将校(同上)は日中戦争中、中国軍の捕虜600人以上を日本軍の銃剣術の「教材」として部下に殺害させた。

(つづく)

日本の選挙の一端について以下のような記事を書きました。

 

Japan In-Depth の「内外透視」というコラムです。

 

 

 

 「外交は票にならない」というのは、さんざん聞かされてきた日本の国政選挙の特徴の一つだった。

 

 たとえ衆議院や参議院の選挙でも、有権者たちは日本の外交政策や国際関係にはそれほど関心を示さず、もっぱら地元の直接の利害や開発だけをみて、どの候補に票を投じるかを決める。だから候補者は外交を説いてみても、有権者には響かない。そんな意味あいの特徴づけだろう。

 

 だが実際に国政選挙にかかわる当事者たちから「いや、外交は票につながる」という指摘を聞いた。日本の国政選挙にも質的な変化が起きているような報告だった。この話を聞いたのは先日、7月20日に訪れた衆議院議員選挙の滋賀県第4区で、だった。

(つづく)

 

以下の報告へのリンクは以下です。

 

中国政府が管理する「孔子学院」がアメリカで批判の対象となっています。

 

なぜそんな批判なのか。

 

もちろんアメリカ側にとって、とくに大学での教育にとって有害だとみなされるからです。

 

日本でも孔子学院は多数の大学に存在します。

 

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41296

国際激流と日本

米国の大学を侵食する中国の「孔子学院」全米最大級の教授組織が抗議声明

 

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 一国の政府が自国の言語や文化を海外で普及させようとする活動の実例として、これまでフランスの「アテネ・フランセ」やドイツの「ゲーテ・インス ティトゥート」などがある。

 

  だが両者とも、外国に独立した施設を開いている。それに対し孔子学院は、外国の大学の内部に拠点を置く。しかも孔子学院の場 合、学問の自由や表現の自由を抑圧する一党独裁の政府が開設し、管理する組織なのだ。

 

 米国内の孔子学院はたびたび論議を引き起こしてきた。

 

  ノースカロライナ州立大学では、同大学にチベットの宗教指導者のダライ・ラマが訪れる計画に 対し、2012年頃から同大学内の孔子学院が明確に反対を表明し、論議を呼んだ。他の大学の孔子学院でもダライ・ラマの肖像写真を掲げることは事実上禁止 となっている。

 

 また当コラムでも2013年6月に報じたように(「中国当局がニューヨーク大学に圧力? 学内にいられなくなった中国の人権活動家」)、中国政府に弾圧されて米国に逃避した中国の民主活動家の陳光誠氏が、ニューヨーク大学で研究員の地位を得て同大学内に滞在したが、学内の孔子学院から有形無形の圧力を受け、同大学からの退去を求められたことが、当時、波紋を広げた。

 

 さらにカナダのオンタリオ州にあるマックマスター大学では、構内の孔子学院で教鞭を執る中国系カナダ人の教員が気功集団の法輪功に加わったことが 分かると、孔子学院側から「法輪功は中国では邪教とされる犯罪集団だから」として脱退を求められた。このことが、孔子学院が存在する他の大学にも懸念を広 げる結果となった。

米国内での活動が全面停止になる可能性も

 こうした状況を受けて、この6月にシカゴ大学では、教職員たちの孔子学院への反発が署名運動へと発展した。

 

  シカゴ大学では2009年に孔子学院との間で契約を結び、同大学内に孔子学院の開設を認めた。今年6月にその契約が切れて更新の時期となったとこ ろ、大学の教職員合計約180人が更新に反対する署名を公表した。「シカゴ大学で、中国語や中国文化の講義担当者たちの人事や講義のカリキュラムが、中国 から送られてきた孔子学院代表にコントロールされるようになった」というのが反対の主な理由である。

 

 「米国大学教授協会」の6月末の声明は、カナダや米国の各大学における以上のような動きを受けての決定だった。同協会は全米の合計450の大学の 教授たちが参加する全米最大級の教授の集まりである。同協会が孔子学院に対して厳しい抗議声明を出したことは、今後、米国内での孔子学院の動きを大きく制 限することになるだろう。

 

 「ワシントン・ポスト」も6月末の「孔子学院の代償」と題する社説でこの問題を取り上げ、米国の大学での教育内容を中国共産党機関によって左右されることは好ましくないとして、「米国大学教授協会」の声明を支持した。こうした動きは、やがて孔子学院の米国内での活動の全面停止という事態にまで発展する可能性もある。

 

 米国でのこの展開が日本の各大学の孔子学院にどう影響していくのかも、注視される。

(終わり)

中国の対外プロパガンダは大規模です。

とくにアメリカが相手だと、国家の総力をあげるという感じです。

その対米政治宣伝の中核は「孔子学院」という組織です。

アメリカの各大学の内部に中国政府が資金を出した「教育施設」ができるのです。

日本の大学にも孔子学院は存在します。

 

いまその孔子学院に対し、アメリカの大学教授たちが闘いを挑みました。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41296

国際激流と日本

米国の大学を侵食する中国の「孔子学院」全米最大級の教授組織が抗議声明

 

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 中国政府の海外宣伝・教育機関「孔子学院」の活動に対し、ついに米国の大学教授たちからストップがかかった。

 

 孔子学院は米国の100近くの大学の内部に、中国政府機関の資金によって設置された。中国語や中国の歴史・文化を米国の学生に教えることを目標と する。米国での活動はどんどん勢いを増し、これまでもたびたび論議を呼んできた。日本でも一部の大学に孔子学院が開設されている。

 

 米国の各大学の教授たちが組織する「米国大学教授協会」は、6月末、以下のような声明を正式に採択した。

 

 「孔子学院は中国の国家の一機関として機能し、学問の自由を無視する行動を取ることが多い。一方、米国の大学当局は学問の誠実性を犠牲にするよう なパートナーシップを外部の機関と結ぶことがしばしばある。孔子学院の開設を学内に許してきた米国の各大学は、孔子学院との関係を再検討する必要がある」

 

 米国大学教授協会はこの声明を、シカゴ大学、ニューヨーク大学、スタンフォード大学、コロンビア大学など全米合計100近くの大学に伝えた。これら100近くの大学は、すでに孔子学院を自校内部に開設することを認めていた。

 

 この公式声明によって、孔子学院の活動がすぐに停止にはなるわけではない。だが、正面から「待った」がかかったことになる。

米国の大学内で中国の立場を主張

 孔子学院は2004年に中国政府によって開設された。

 

 孔子学院の総本部は、中国政府の教育部(教育省)直轄の組織「中国国家漢語国際推進指導グループ弁公室」(略称・漢弁)である。中国当局はこれま でに約5億ドルの国家資金を投入して各国の大学の内部に「孔子学院」を教育センターとして設立した。

 

 2014年7月までに、孔子学院は全世界で約400、 米国では九十数カ所が開設された。日本でも立命館大学、早稲田大学、桜美林大学など約20大学に開かれたという。

(つづく)

  たまには日本の国内政治についても書いてみたくなります。

 滋賀県を訪れ、先日の県知事選について関係者たちに取材ができる機会を得ました。

 

 Japan In-Depth というサイトの私の連載コラムからです。

 原文へのリンクは画像からでも可能です。

[古森義久]<「安倍政権には何でも反対」が作り出す虚像>滋賀県知事選の結果「集団的自衛権と関係ない」という現実[連載23]古森義久の内外透視

 

 

古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

執筆記事プロフィールBlog

 

 

 7月13日に催された滋賀県知事選挙では民主党系の三日月大造氏が自民、公明両党推薦の小鑓(こやり)隆史氏を破って当選した。自民党は国 会議員延べ200人を投入しての大支援だったが、その敗因として大手メディアは「安倍政権が進めた集団的自衛権の行使容認の措置が自民党候補への票を減ら した」と解説する。

 

 しかし現地でこの選挙に実際にフルにかかわった滋賀県4区選出の自民党衆議院議員の武藤貴也氏らに直接、問うと、「集団的自衛権が主要な敗因になったという根拠も印象もまったくない」という答えが返ってきた。

 

 私が滋賀県に足を運んだのは武藤議員主催の地元の勉強会での講演を依頼されたからだった。35歳の武藤議員は自民党国会議員でも最も若手の1人だが、衆院の外務、安全保障両委員会に所属して外交や安保の諸課題を鋭く提起している。

 

 知己を得たのは彼が今年2月、衆院予算委員会で日本の対中ODA問題を取り上げるのに際し、事前の協議を受けたのが契機だった。なおこの対中ODAについては私は前回の当コラムで報告した。

 

 さて私はまもなく任地のワシントンに戻ることもあって、忍者の里として知られる甲賀市のホテルでの武藤議員を囲む会合に出かけていった。そして同議 員やその支援者たちに今回の県知事選での自民党側の敗因を問うと、「やはり現職の嘉田由紀子知事の人気の根強さが三日月候補の根本的な勝因だと思う」とい う回答が一致していた。

 

 2期8年を務めてきた嘉田知事は前回の選挙では対抗候補にダブルスコアで圧勝し、今回は引退を表明し、三日月氏を明確に自分の後継者だと宣言した。そして全県をくまなく回り、自分自身の選挙であるかのような熱心な応援をしたことが、絶大な効果をあげたというのだ。

 

 嘉田知事といえば、2012年の国政選挙での小沢一郎氏と組んでの「未来の党」の惨敗の印象が強かったので、つい滋賀県でのこうした影響力は県外では知られなかったということなのか。

 

 集団的自衛権については武藤議員は「選挙戦中、ときどきは有権者から提起されたが、それも安倍政権の行使容認には賛否両論が均等に出て、反対だけが 多くて大鑓候補の票を減らしたという気配はまったく感じられなかった」と語るのだった。

 

 となると、このメディア側の「分析」も安倍政権の施策にはなんでも 反対という立場からの希望的観測なのだろうか。

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