2015年03月

こんな報告を書きました。

日本ビジネスプレスからです。

国際激流と日本

中国軍の脅威、
目の前の危機と受け止めているのは日本よりも米国ワシントンの討論会で日米の認識ギャップが浮き彫りに

2015.03.11(水)  古森 義久


中国が2隻目の空母を建造か、市公式アカウントに投稿 即削除

中国は近年、防衛費を大幅に増額している。中国東北部・遼寧省大連港に係留された同国初の空母「遼寧」(2014年7月6日撮影)。すでに第2の空母建造に取りかかっているとの情報もある〔AFPBB News



 中国の軍拡による直接的な脅威は、どう見ても米国よりも日本にとってのほうが深刻なはずだ。地理的な距離を見ても、尖閣諸島奪取に意気込む様子を見ても、激しい反日言動を見ても、中国の軍事力の増強は日本を威圧している。


 だが日米両国の受け止め方を比べてみると、日本よりも米国側の方が、中国の軍拡を脅威と受け止める度合いがずっと高いのである。ワシントンのある討論会でそのことが印象づけられた。日本側の中国の軍拡への認識は鈍いと言わざるを得ないのだ。

いまに始まった話ではない中国軍の日本本土攻撃能力

 この日米ギャップが露呈したのは、2月27日、ワシントンのリベラル系の大手研究機関「ブルッキングス研究所」が開催したシンポジウム「中国の安 全保障・外交政策=日米の見解比較」においてであった。その主な内容はタイトルどおり、日本と米国が、中国の安保がらみの動向をそれぞれどう見ているかに ついての比較だった。

(つづく)

アメリカの次期大統領選挙では本命と目されるヒラリー・クリントン氏の醜聞が表に出ました。
そのこと自体はそう重大なミスではないにせよ、この人には意外な弱点や欠陥があるのではないか、
と思わせる出来事です。

.国際  投稿日:2015/3/8

[古森義久]【ヒラリー氏のアキレス腱、露呈】~有力次期大統領候補に試練~

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古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

執筆記事プロフィールBlog

アメリカの次期大統領候補の本命ともされるヒラリー・クリントン前国務長官の公務での電子メールの乱用がいま波紋を広げているが、この展開はクリントン氏の意外な政治的弱みをも露呈したといえそうだ。


クリントン氏はオバマ政権の最初の国務長官だった2009年1月からのまる4年間、公務の連絡のメールもすべて私用のメール・システムを使っていた ことがこの3月に入って、判明した。アメリカの政府高官は連邦記録法という法律によって公務関連のメール交信はすべて政府管理の公的なメール・システムを 使うことが義務づけられている。


クリントン氏もこの政府の規則に違反していたことをすぐに認め、自分の私用メールの送受信の記録5万5千ページ分を政府に提出し、点検を受けた後に公表するという基本に同意した。


しかし共和党側などはクリントン氏の法律違反、倫理違反を正面から追及し、公式の調査の開始を提起した。共和党側の大統領候補の一人に目されるジェ ブ・ブッシュ元フロリダ州知事も「透明性に欠ける問題だ」と批判し、自分の州知事時代の公的メールの内容を改めて公開したりした。


しかし共和、民主両党の区別なく、いまクリントン氏に向けられる疑念は一体、なんのためにあえて私用メールを使っていたのか、その動機である。この点、同氏自身は一切、語っていない。そこで当然、生まれるのが「隠したいことが多々あったからだ」という推測となる。


この点で最大の疑惑は2012年9月11日にリビアのベンガジで起きたリビア駐在アメリカ大使の殺害事件に向けられている。当時のオバマ政権はこの事件のテロとしての性格を誤って伝え、同大使らの警備や保護でも大きなミスがあったとされている。


クリントン氏は当時、国務長官としてこのベンガジ事件にも深く関与していた。その際の責任者としてのメール交信もすべて私用システムが使われ、内容 が不明のままとなってきた。そこで当時のクリントン国務長官の私用メールの使用はこの種の自分に不都合な情報を隠すためではないかという疑惑が生まれるわ けだ。


この私用メール事件はこれからの大統領選挙の予備選の展開でも、その民主党側の最有力候補とされるクリントン氏につきまとい、大きなマイナス要因となりうる可能性もある。


大統領候補としてのヒラリー・クリントン氏はいま破竹の勢いで前進しているかにもみえるが、実はこの種の難点はまだまだ出てきそうなのである。


中国の軍事拡張をどうみるか。

アメリカ側のほうが鋭く、最も懸念すべき立場の日本側が意外と鈍感だという結果が出ました。

【朝刊 国際】
【緯度経度】古森義久 中国軍拡に日米専門家の温度差

 中国の軍事力増強への認識は日本と米国ではどう異なるのか。米国大手の研究機関で開かれた討論会で、米国側が抱いている中国の軍拡に対する日本への脅威認識が当の日本よりもずっと高く、また日本側には具体的な対策が不在であることが印象づけられた。

 ワシントンのリベラル系シンクタンクのブルッキングス研究所は2月27日、「中国の安保、外交政策=日米の見解比較」と題するシンポジウムを開いた。中 国の軍事や外交の対外戦略の実態や展望を日米合計9人の専門家が論じたが、中国の軍事力増強の日本への意味をめぐる見解のギャップが目立った。


 まず日本側参加者の見解を主体とした「中国の人民解放軍は日本の本土への攻撃ではどの程度の能力を有し、脅威なのか」という設問に対し、米側の国防総省 の中国軍事担当の部署を歴任し、現在は「海軍分析センター」中国研究部長のデービッド・フィンケルスタイン氏が「日本本土攻撃能力はもうずっと以前から存 在し、いまその能力を初めて提起するような態度には当惑する」と応じた。


 同氏は中国軍の中距離ミサイル多数が長年、日本本土を攻撃範囲に収めていることを指摘し、「日本本土への脅威」が存在してきたことを強調して日本側の認識との差をみせつけた。


 中国軍の近代化の名の下での大増強については、米国スティムソン・センター主任研究員の辰巳由紀氏が

「日中のミラー・イメージ(左右対称)」という表現で、中国側の軍拡の理由は日本の動向にあるのではという見解を示唆した。


 ところがフィンケルスタイン氏は「中国軍の近代化は日本の動向とは直接、なんの関係もない」と述べ、中国が江沢民主席の下で1993年ごろから米国や台湾を主対象として大規模な軍拡を始めたという経緯を詳述した。


 一方、中国の対日姿勢については、軍事問題研究でも知られるブルッキングス研究所外交政策研究部長のマイケル・オハンロン氏は「中国の対外戦略の柱は日 本への嫌悪や敵意であり、その背後には過去の屈辱を晴らすという歴史上の不満がある」と中国批判をにじませる見解を述べた。


 その上で同氏は安倍晋三政権の防衛政策に支持を表明しながらも、「日本はいまの防衛費を少なくとも50%増加してGDPの1・5%まで引き上げれば、中国の抑止やアジアの地域安定に大きく寄与する」と具体的な提案をした。


 日本側では防衛研究所主任研究官の飯田将史氏が中国の軍事政策を説明し、「挑発的」「冒険主義」などと評して日本の領海への頻繁な侵入をも指摘したが、日本がどうすべきかについて言及はなかった。


 東京大学教授の高原明生氏、早稲田大学教授の青山瑠妙氏もそれぞれ中国の宣伝活動の矛盾や国際秩序への挑戦などについて見解を発表したが、日本への軍事的脅威や日本の対応策の指摘はほとんどなかった。


 一方、オハンロン、フィンケルスタイン両氏は中国軍の日本照準部分の脅威を中距離ミサイル配備や新型潜水艦増強といった点に明確に絞って強調した。その 上で両氏が日本側の防衛費の増大とともに、とくにミサイル防衛や対潜戦力の強化をも訴えたところが日本側と温度差をみせつける結果となった。(ワシントン 駐在客員特派員)


こういう記事を書きました。

国際激流と日本

日本は付け足し、
国務次官演説に見るオバマ政権の中国偏重ぶり尖閣問題に関してはあくまでも「第三者」、日米同盟はどこへ?

2015.03.04(水)  古森 義久


 米国オバマ政権のウェンディ・シャーマン国務次官が自らのアジア歴訪について演説し、その内容が日本の主要メディアでも報道された。


 同次官は演説のなかで、歴史問題や領土問題について日本、中国、韓国に対して均等に助言を与えるような発言をした。だが、全体としては中国を重視 し、日本は後回しという姿勢をにじませた。日米同盟に基づいて日本の防衛を誓約することよりも中国との関わりを強調するという、オバマ政権の従来の路線を 反映しているとも言えそうだ。


 シャーマン次官はこのほど北東アジアを、中国、韓国、日本という順番で歴訪した。そして、ワシントンに戻った直後の2月27日、カーネギー国際平和財団でアジア歴訪の総括について演説した。


 日本の主要メディアは、主にこの演説の歴史問題に関する部分だけを取り上げて報道したが、演説全体の構成や表現という観点から検証すると、オバマ政権の対アジア政策の傾向が浮かび上がる。今回のシャーマン演説のポイントを具体的に見ていこう。

最後にされた日本訪問

 第1は、シャーマン次官がアジア3国を語る順番である。


 同次官は、中国、韓国、日本という順に訪問した。だから演説でも中国、韓国、日本という順に話を進めた。だが、この歴訪の順番自体が、従来の米国の政府高官や連邦議員の北東アジア訪問の慣例とは異なる。


 共和党のブッシュ前政権では、政府高官が歴訪する順番は、同盟国を重視する大前提からまず日本だった。そして韓国、その後に他の友好国あるいは同 盟国、さらに中国を訪問対象に含めるならば、ほとんどの場合「最後に中国」という順番だった。その順番が変わることはほとんどなかった。

(つづく)

アメリカ国内の混乱や分裂はますますひどくなっています。

そもそもの原因はやはりバラク・フセイン・オバマという人物にあるようです。

こんな記事を書きました。

[古森義久]【オバマ大統領は愛国心がない?】~元NY市長が指弾した理由~

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古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

執筆記事プロフィールBlog



 「オバマ大統領はアメリカという国を愛していないのだ」――こんな発言がアメリカ社会に波紋を広げた。一国の元首が自国を愛していない、というの だ。しかも発言したのが知名度の高い人物だったから反響は大きかった。この過激な発言の背景には、今のアメリカの国内分裂の悩みが影を広げているという点 で、特に意味が深いといえよう。


 この2月18日のことだった。発言したのは元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏。ジュリアーニ氏といえば、1994年1月から2001年 12月末までニューヨーク市長を務めた政治家である。本来はニューヨーク市の連邦検事として凶悪犯罪の取り締まりに当たり、とくに犯罪組織のマフィアの検 挙に大きな功績をあげた。その結果、市民の人気が高まり、市長にまで選ばれたのだった。


 ジュリアーニ氏はさらに2001年9月11日のアメリカへの同時多発テロ攻撃への対処でも全米から賞賛を浴びた。イスラム過激派テロ組織アルカーイダの工作員たちがニューヨークの世界貿易センターなどに旅客機を突入させた、あの大事件である。


 ジュリアーニ氏は地元ニューヨークの市長として整然かつ毅然たる対応措置を円滑にとったことを評価されたのだった。そして同氏は2008年の大統領 選挙予備選では共和党の有力候補の一人にも推薦された。そんなジュリアーニ氏が地元の公開の大きな集会で次のように述べたのだった。


 「オバマ大統領はそもそもアメリカという国を愛していないと思う。あなたや私が(普通のアメリカ市民として)アメリカを愛するようには愛していないのだ」


 この発言の直接の契機となったのは、オバマ大統領がワシントンでこのほど開かれたテロ対策の国際会議で「イスラム」という言葉を使うのを拒否したこ とだった。この会議は明らかに、いま全世界を震撼させるイスラム過激派テロ組織の「イスラム国(ISIS)」への対処や闘争を協議することが主眼だった。 多数の諸国の代表がその前提で参集していた。


 ところがこの会議の開催を提唱したオバマ大統領はあえて会議の名称を暴力的過激主義対策サミット」とした。焦点をISISに絞らず、「イスラム」と いう言葉さえも打ち出さないことに固執した。「彼ら(ISIS)はイスラム教を守る聖なる戦士とか宗教指導者を自称するが、その活動はイスラムでも宗教で もない」というのが同大統領の理由づけだった。


 これに対して「いまの主敵を明確にしない対策は意味がない」「イスラムの教理を曲解にせよ、活動の原理にするISISのイスラム性を無視はできな い」などという反発が噴出した。従来からオバマ政権のイスラム世界への消極姿勢を非難する共和党系だけでなく、安全保障関係分野、学界や言論界からも批判 が起きて、アメリカ国内のイスラム教徒団体も「会議の名称にせめて対ISISと明記すべきだった」と非難した。


 オバマ氏はミドルネームの「フセイン」が明示するように父方の系譜にケニアのイスラム教徒が存在した。だからイスラム教自体に厳しい姿勢をとりたが らないとされてきた。その背後にはオバマ氏がアメリカのどの大統領も自明としてきたアメリカ独自の価値観や宗教観、つまり自由と民主主義、キリスト教尊重 という基本には背を向けるのだという不満や不信が大きな影を広げている。


 ジュリアーニ氏はこうした背景のなかで、アメリカ国内の保守、中道の幅広い層にくすぶってきたオバマ大統領への疑いを率直な形で表明したのだといえる。いまのアメリカにはこのように大統領の愛国心を否定するほど激しいオバマ氏不信が広まっているのである。


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