2015年07月



.国際  投稿日:2015/7/5

[古森義久]【米中新冷戦時代の到来】~試される日本の対中姿勢~

 

古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

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 米中関係の軍事面がかつてない険悪な状態となった。ワシントンでの対中政策関係者たちの間でもアメリカ側歴代政権の40年ほどにも及ぶ対中関与政策に根本からの疑問が提起されるようになった。米中新冷戦の到来ともいえそうなのだ。


 アメリカ側の対中硬化を象徴するのは7月1日に米軍統合参謀本部が発表した「国家軍事戦略」である。米軍の運用の基本方針などを規定するこの戦略指 針は「アメリカの安全保障を脅かす国」として中国を明記した。しかも「中国はアジア太平洋地域の緊張を増大している」とも述べ、オバマ政権としては初めて 中国を正面から名指しして軍事面での脅威と位置づけていた。


 この背景にはオバマ政権が登場以来の6年半、中国に対しては協力や協調を優先する関与政策を進めてきたのに、中国が逆にそこにつけこむように、アメ リカ主導の国際秩序に挑戦するような行動をとくに軍事がらみでとり続けた、という経緯がある。その種の中国側の行動のクライマックスは南シナ海での一方的 な島の埋め立てによる軍事拡張という国際ルールの違反行為だった。


 ここ2ヶ月近く、さすがのオバマ政権も対中ソフト路線を脇に押しやる形で態度を硬化させてきた。そのいまのところの頂点が南シナ海での中国側占拠海域への米艦艇の進入宣言であり、今回の国家軍事戦略での中国への警告だった。


 だがこうした硬化はアメリカだけではない。中国当局が5月26日に発表した「中国の軍事戦略」という文書での対アメリカ対決姿勢はこれまた米中新冷 戦という表現を裏づけるような強硬さや敵意を示していた。この文書は中国当局が定期的に発表してきた国防白書でもあり、今年はとくに「中国の軍事戦略」と いうタイトルがつけられたのだ。


 この中国軍事戦略は世界情勢に関連して「アジア太平洋地域ではアメリカの軍事プレゼンスと軍事同盟の強化が他の諸国の懸念を深めている」とアメリカ を名指しして、その最近の軍事政策を批判した。同戦略は同時に中国軍にとっての「軍事闘争準備」の重要性をも説いていた。文面からみる限り対米軍事衝突も 辞さず、という構えなのだ。


 米中両国の軍事能力はアメリカがまだまだ優位に立ち、中国側もそれを熟知しているため、アメリカとの正面からの軍事衝突は避けるだろうが、なお米側の消極性を衝いて、軍事挑発行動には出ることが多い。その種の行動がまたアメリカ側を硬化させるわけだ。


 中国側は日本に対しても軍事面で敵視に近い態度を取り、今回の軍事戦略のなかでも日本の最近の対米同盟の増強や安全保障政策の強化への反対を明確に表明している。中国からすれば、軍事面では日本はあくまでアメリカと一体ということになる。


 アメリカからみれば、中国との対決や摩擦では日本はアメリカの重要な同盟パートナーであり、日本の対中姿勢は非常に気になるところである。米中関係の険悪化は日本にとっての厳しい試練でもあるのだ。


韓国の「反日」メカニズムが米国で明らかに

本当は北朝鮮に向かうはずだった矛先

2015.7.1(水) 古森 義久



朴大統領は米国に仕える「売春婦」、北朝鮮が中傷



   米国でも韓国の「反日」の正体が明らかになってきた。ソウルの大統領府で共同記者会見に臨む朴槿恵韓国大統領とバラク・オバマ米大統領(2014年4月25日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 

   日韓関係の真実が国際舞台でようやく浮かび上がってきたと言うべきだろうか。


  現代の日韓関係の最大の特徴といえば、やはり韓国側の徹底した反日傾 向だろう。


  その反日とはなんなのか、どんな理由によるのか。


  その謎に日韓だけではなく米国という超大国からも光が当てられるようになった。


  この新たな動き は、最近の韓国の対日姿勢の軟化を説明することにもなる。

  「韓国の反日の原因は歴史問題だけによるのではない」


  「韓国の官民の反日傾向は病理的なオブセッション(強迫観念)」


  ──こんな辛辣な分析が米国人学者により発表され、ワシントンの対アジア、対日韓関係の専門家たちの間で熱い注目を集めている。

 

  論文を発表したのは、オハイオ州立大学で政治学の博士号を取得し、現在は韓国の釜山国立大学で准教授を務める米国人政治学者ロバート・ケリー氏である。


  論文は、この6月にアジア外交雑誌の「ディプロマット」に掲載された。

 

  ケリー氏は別の論文で、「韓国の抗議にはもううんざり」という日本の「韓国疲れ」がワシントンにも広まったという現状を指摘している(本連載の「米国もとうとう『韓国にはうんざり』」でも詳しく伝えた)。


  そのケリー氏が韓国の年来の反日姿勢をさらに鋭く分析する論文を発表したのだ。


 この論文は、韓国の反日ぶりがあまりに極端だとするワシントンの最新の認識ともつながっている。


  朴槿惠政権が日本への態度を軟化させているのも、そうした米側の対韓態度の硬化が要因となったことは明白である。

(つづく)

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