2015年09月

これほどまでにアメリカを弱体化させたオバマの大罪
2015.9.12(土) 古森 義久
米、職員の病欠を有給に オバマ氏が大統領令

人気があと1年4カ月となったオバマ大統領。オバマ外交によって世界でのアメリカの影響力は大きく衰えた。米ボストンの労働評議会で演説するオバマ大統領(2015年9月7日撮影)。(c)AFP/MANDEL NGAN〔AFPBB News

 米国の外交はどこへ向かうのか――。

 後退したとはいえ、なお世界で唯一の超大国、日本にとって唯一の同盟国である米国の外交政策は、日本にとって常に重大な関心の対象である。特に残りの任期が1年4カ月ほどとなったオバマ政権の外交がどうなるのかは、細心の注意を払う必要があろう。


 結論を先に述べるならば、オバマ政権は消極的な外交を継続する。よくいっても現状の維持、あるいは“漂流”だろう。同時に、北朝鮮との融和などという驚きの可能性があることも否定はできない。


 オバマ大統領に残された任期はすでに短く、内政でも外交でも「レームダック(死に体)」化が語られる。退場前に外交面での「遺産」を残したいオバ マ大統領は、イランとの核合意とキューバとの国交樹立を重点的に推進しようとしている。だがこの2件とも米国内での反対は激しく、輝ける外交成果として歴 史に残る可能性は薄い。


 オバマ政権が登場して以来の6年半、米国は世界でのプレゼンスやパワーを大幅に縮小し、米国の対岸に立つ諸勢力を膨張させてきたと総括できる。

(つづく)


『古森義久がオバマ・習近平・朴槿恵・金正恩を斬る』 日本は戦後最大の危機に直面



『古森義久がオバマ・習近平・朴槿恵・金正恩を斬る』古森義久著(テーミス・1000円+税)

 「日本の最大の敵は日本ではないか」--。ワシントンを拠点としてアメリカ、中国、韓国、北朝鮮の動きを分析し論評を加えてきた著者はこう疑問を呈する。


 集団的自衛権の行使容認に反対する朝日新聞を中心とした「戦争法案」「徴兵制がやってくる」などという批判は、目まぐるしく変わる世界情勢を無視した平和ボケ論でしかないことが、本書を読めばよくわかるはずだ。


 中国がかつてないほどの軍拡を続け、朝鮮半島では軍事的緊張が高まっている。一方で日本の安全保障を支えてきた同盟国アメリカの軍事力が急速に衰えている以上、日本は戦後最大の国家危機に直面していることは間違いない。


  安倍談話に対する米議会の本音、米中サイバー戦争の実態、無人機から宇宙兵器まで中国「新兵器」の分析、米国に届く核ミサイルを手にした金正恩の狂気、慰 安婦問題の背後に控える中国や韓国系組織によるロビー&マネー活動の動きなど、日本のメディアが伝えない情報が満載だ。


 さらに「日本を貶 (おとし)めた朝日新聞の大罪」「外務省の無策外交を叱る!」という章を設け、反日勢力をのさばらせた元凶についても鋭く斬り込んでいる。著者は外務省が 進める「ジャパン・ハウス計画」についても批判。慰安婦問題や領土問題など、日本が世界に向けて発信すべき情報は山ほどあると主張する。


 国会前で「集団的自衛権はいらない!」とデモをするSEALDsの女子大生にも読んでもらいたい一冊だ。(古森義久著/テーミス・1000円+税)

 テーミス 月刊『THEMIS』編集長 水田克治



政治  投稿日:2015/9/7

[古森義久] 【TBS、ドラマで拉致救出シンボル使い「反自民」】~悪辣政治家の胸にブルーリボンバッチ~



古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

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TBSがテレビドラマで悪役の政治家に北朝鮮による拉致被害者救出を祈るシンボルのブルーリボンバッジをつけさせたことは、安倍晋三首相や安倍政権への悪 印象のにじませが露骨だといえそうである。

TBS広報部は「他意はなかった」と弁明するが、安倍首相や拉致問題解決に努力する勢力をドラマの悪役と重ね合 わせるという操作はなんの他意もないところに生まれるはずがない。


問題のTBSドラマは8月31日放映の「SP八剱貴志(やつるぎ・たかし)」だった。警視庁を舞台にしたこのドラマに登場する悪辣政治家は特定の業者に便宜を図る見返りに賄賂を受け取り、逮捕される。その逮捕される政治家の胸にブルーリボンバッジがつけられていた。


このバッジは北朝鮮に拉致された日本人被害者を救出する運動を進める人たちや、その運動に同調する人たちによって着用され、「拉致被害者たちを決し て忘れない」という無言の意思表示ともなってきた。国会議員の間でも拉致問題解決に早くから取り組んできた安倍首相など自民党だけでなく幅広い層が着けて きた。


その人道主義の意思表示のバッジをあえてドラマの汚職議員に着用させたことに対し、拉致被害者家族の一員、増元照明氏は「ドラマでの使用によって、視聴者の被害者救出運動やブルーリボンに対する印象が悪くなる恐れがある」と抗議の意を表明した。


そもそも汚職議員に拉致解決バッジをつけさせねばならない理由はなんなのだろう。ドラマの筋書からは汚職を拉致バッジに結びつける必然的な理由は まったくないようだ。その理由はむしろ拉致バッジを汚職に結びつけようという逆の理屈としか思えない。つまり拉致バッジをつけている議員たちは邪悪な汚職 政治家なのだ、という政治的メッセージがそのドラマにはある、ということである。


TBSは9月4日、ホームページに以下のような記述を載せた。


「全く他意はありませんでしたが、配慮に欠け、拉致被害者のご家族をはじめ支援者、関係の皆様のお気持ちを傷つけたことを心よりお詫び申し上げます。今後はより一層注意して番組制作にあたります」


「他意はない」という言葉に説得力はない。TBSの番組全体が徹底して反安倍晋三、反自民党で貫かれているからだ。ドラマをも利用して、安倍首相が いつもつけている拉致バッジは汚職政治家がつけるバッジと同じなのだという印象を放射する。結果としてそう考えざるをえない「操作」なのだ。



国際  投稿日:2015/9/4

[古森義久]【中国新鋭兵器より旧日本軍手りゅう弾報じるNHK】~弾道ミサイルの脅威に触れず~


 

古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

執筆記事プロフィールBlog

NHKにとっての日本の安全保障とはなんなのだろう。

目前の中国軍の日本をも射程におさめた各種ミサイルや爆撃機などよりも70年以上も前の旧日本軍の手りゅう弾が気になる、という感じなのだ。


9月3日、北京では予定どおり「抗日戦争勝利記念」の軍事パレードが催された。アメリカ本土にまで届きそうな長距離弾道ミサイル、洋上を進んでくる 米海軍の空母を専門に狙うらしい中距離弾道ミサイル、グアム島や日本本土をすべて射程におさめた弾道、巡航両中距離ミサイル、日本への攻撃が可能な爆撃機 や戦闘機などなど、日本やアメリカへの脅威となる新鋭兵器のオンパレードだった。

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だがこの日の夜のNHK総合テレビは「所さん!大変ですよ」という午後11時ごろの30分ほどの番組で「日本軍の陶製手りゅう弾」について延々と報 じていた。日本軍が沖縄戦にいたる敗戦の連続に追い詰められ、陶器までを使って、手りゅう弾を大量に製造した、という話なのだ。


しかもその戦時の日本軍の そんな努力をいかにも非合理で不毛な作業として批判的に語り続けるのだ。そんな70年以上も前の日本自身が作った手りゅう弾よりも、いま現在、日本を射程 のおさめ、照準さえ合わせている中国人民解放軍の各種兵器についてなぜ詳しく報じないのか。


つい数時間前まで他のテレビ局は中国のその日の大軍事パレードとそこで誇示された兵器類について詳しく報じていたので、このNHKの旧日本軍の手りゅう弾報道はいかにも奇異に映った。日本の安全保障という意識がないようなのだ。


事実、そのNHKの手りゅう弾報告に続く次のニュース番組では中国の軍事パレードについての報道や解説があったが、もっぱらその政治的な意図や戦略 的な狙いばかりが語られるだけだった。日本の安全保障にとっての当然の脅威となる新鋭兵器類への言及はまったくなかったのである。


NHKにとっては70年前の旧日本軍の手りゅう弾の方がいま現在の中国人民解放軍の近代兵器よりも重要だとでもいうのだろうか。


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