2015年10月


大筋合意に至った「中国包囲網」TPP、中国の怖いものなしの勢いはこれで止められるのか?

2015.10.9(金) 古森 義久
 
米オバマ政権、イラン核合意を履行へ 上院が不承認阻止

TPP交渉の大筋合意の直後にオバマ大統領は「中国のような国に世界経済のルールを書かせるわけにはいかない」と発言した。〔AFPBB News



 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉がついにまとまった。この多国間交渉での大筋合意が加盟各国で批准されれば、米国や日本など合計12カ国から成る世界最大の自由貿易圏が出現する。


 だが、そこに加わっていない中国にとってTPP交渉の合意は「敗北」であり挫折だとする見方が米国で広がっている。TPPが中国の経済面のみなら ず政治面、安保面での膨張を抑え、中国政府の価値観が非難されることになるというTPPの「中国抑制効果」が語られるようになった。

中国牽制の「武器」になるTPP

 TPPが帯びている中国牽制の傾向は、大筋の合意成立を受けて米国のオバマ大統領が発言した内容にもはっきりと表れていた。


「私たちの潜在的顧客の95%が米国の外部に住むとなると、中国のような国に世界経済のルールを書かせるわけにはいかない」

(つづく)



国際  投稿日:2015/10/5

[古森義久]【中国の日本バッシングは増す一方】~反日ナショナリズム扇動のわけ~


古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

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 中国の「日本叩き」はどこまで続くのか。


習近平国家主席の訪米で改めて国際的な注視を浴びた中国の対外政策のなかでも反日の姿勢はひときわ顕著だといえる。その点に注目したオーストラリア のベテラン専門家がアメリカの外交雑誌に「中国の日本叩き(バッシング)」がどこまで続くのかを予測する論文を発表し、中国の日本敵視の姿勢は予見しうる 将来、衰える気配はなく、増す一方だろうという悲観的な見通しを公表した。


この論文はワシントンのインターネット外交雑誌「グローバリスト」の最近版に習主席の訪米に合わせて発表された。筆者はオーストラリアの著名なアジア研究学者のジョン・ウェスト氏、「アジア世紀研究所」の所長でもある。


同論文は習政権が日本非難の言動を一段と強めてきたとして、その実例として中国政府による日本の平和安保法制関連法の推進や安倍晋三首相戦後70年 記念談話に対する非難や警告を指摘した。同論文は中国のこの対日姿勢は日本が第二次大戦で軍事占領したアジア地域の諸国のなかでも例外だとして、その中国 自身も1980年代末までは対日政策はそれほど敵対的ではなかったと述べた。


しかしウェスト氏の論文はこの中国の対日政策が1989年の天安門事件以後、とくに江沢民氏が国家主席となってから一気に険悪になったとして、その 理由については「中国共産党の過去の日本軍国主義撃破を強調しての現在の統治の正当性の誇示」や「中国国民のナショナリズムの高揚での共産党政権支持の強 化」などを指摘した。


同論文は現在の中国の反日ぶりについてはアメリカ学界で活躍する著名な中国人学者のミンシン・ペイ(中国名・裴敏欣)氏の「中国の官営メディアや歴 史教科書は日本に関する大きなデマやゆがめを含む民族主義的な神話を中国の若い世代にあまりに多く注入してきた」という考察をも紹介している。


そのうえでウェスト氏自身は同論文の結語として「中国と日本が近い将来、真の友好関係を築くことへの希望はあるのか」という問いかけを提起し、「ノー」という答えを明記した。


そしてウェスト氏は次のような予測を打ち出すのだった。


「中国政府は反日プロパガンダに膨大な量の政治的なエネルギーを投入してきたことをみても、また中国の経済の停滞や政治統治の揺らぎをみても、反日ナショナリズムの扇動を減らすことはなく、逆に増す公算が強い」



[古森義久]【中国人観光客のマナーを考える】~白昼の銀座で起きた“事件”~


古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

「古森義久の内外透視」

執筆記事プロフィールBlog

白昼の銀座の中央通りで女の子が恥部を丸出しにして、おしっこをした! ショッキングな光景だった。そう中国人「観光客」である。


ワシントンと東京とを頻繁に往来する私にとって、東京にくるたびに感じるのは中国人訪問者の存在のふくれあがり、そして傍若無人としか評しようのな いその行状、さらにその言動に対する一般の日本人の深刻な顰蹙ぶりである。この状況のエスカレートは単なる「外国人のマナー」というような次元を超えて、 日中関係全体への影響までを考えるべきところまできた、と実感させられるのだ。


ただし中国人とは、とか、アメリカ人なんて、という物言いには慎重にならねばならない。特定の国民や民族をひとくくりにして、あれこれ断定すること は人種的な偏見や差別につながりかねないからだ。実際に偏見や差別がなくても、そんな印象を与えることだけでも、現在のグローバル化社会では好ましくない とされる。だがその一方、日本の社会で特定の外国からの訪問者たちによって頻繁に引き起こされる特殊な事態は無視することも適切ではないだろう。


さて銀座のおしっこである。


「中央通りの歩道のどまんなかで、中国人の父親が娘らしい幼女を抱き上げ、下半身を裸にして、おしっこを文字通り、シャーとさせたのです。この光景には私だけでなく、通りがかりの日本人たちがみな唖然としていました」

銀座の一角で小さな料理店を営む旧知の女性から聞いた話である。


日本人だって、私自身が子供のころは男性の立小便というのは珍しくなかった。女の子 の屋外での小便というのもきっとあっただろう。だが2015年の現在、東京の盛り場の白昼となると、話はまったく別である。ちなみに中国以外からきた外国 訪問客によるそんな話は聞いたことがない。


だが実は私自身はその話にそれほどの衝撃は受けなかった。中国に住んだ2年間にそんな光景はすでに見ていたからだ。一度は中国の国内航空便の旅客機 内で若い母親が幼児の息子に通路で小便をさせていた。北京市内のスーパーマーケットではこれまた男の幼児が、なんと母親が押すショッピングカートに乗って いて、立ちあがり、いきなり小便をした。いずれも至近で目撃した光景だった。


こうした国や社会の人たちがどっと日本にくれば、銀座での行動パターンは驚きには値しない。だが中国の「習慣」や「文化」を知らない普通の現代日本人はびっくり仰天だろう。そんな出来事が続くとどうなるのか。


最近の日本側の一部には「中国人観光客の増加で、日本のよさを知る中国人が増え、日中友好が促進される」という論調も聞かれる。果たして本当だろうか。国際間の人間関係、民族関係では相手を知れば知るほど、距離感が増すという実例もまちがいなく存在するだろう。

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