2017年01月

トランプ大統領登場で米国の「休日」は終わり?

四半世紀の漂流の時代は終了、世界と米国は荒波に突入する

2017.1.30(月) 古森 義久
米国が凪の海を漂っていた時代は終わり、これから荒波の水域に突入する(写真はイメージ)


 米国が世界で果たしてきた役割を見ると、これまでの25年ほどの間、米国はいわば「休日」に等しかった。だが、トランプ政権の登場はそんなゆとりを許さない「休日の終わり」とも呼べる歴史の転換点となる――。

 米国の保守派の大物論客が、トランプ政権誕生の歴史的な意義についてこんな分析を発表した。

世界と米国が迎える特別な変革の時期

 米国の保守系政治雑誌「ウィークリー・スタンダード」1月号は、ウィリアム・クリストル編集長による「長い休日」と題するコラムを掲載した。


 クリストル氏は1980年代のレーガン政権の時代から、米国の内政や外交の諸課題を保守主義の立場から論じてきた。「ウィークリー・スタンダード」を主宰する一方、レーガン政権の教育省高官を務めたほか、ブッシュ政権ではディック・チェイニー副大統領の首席補佐官ともなった。トランプ氏に対しては直接の支援は表明しないが、多角的に論評し一定の評価をしている。


 クリストル氏はこのコラムで、トランプ氏が大統領に選ばれた背景を歴史的に読み解く。つまり、米国という国家と米国を動かす国際情勢が、この100年近くの中で特別な変革の時期にあることがトランプ大統領登場の大きな要因なのだという。

 クリストル氏はこの100年を次のように概観する.
(つづく)

慰安婦像が韓国でキャラクタービジネスに?

慰安婦像一体を作ると製作者には340万円の収入

2017.1.16(月) 古森 義久
駐韓日本大使が一時帰国 「慰安婦像」への対抗措置

韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像(2017年1月2日撮影)。(c)AFP/YONHAP〔AFPBB News

 韓国で日本との合意に反して日本の外交公館前などに慰安婦像が設置され続けている。

 このたび、日韓歴史問題を研究する米国人ジャーナリストが、慰安婦像製作ビジネスの裏側を明らかにした。それによると、像が一体できるごとに製作者の韓国人夫妻らは3万ドル(約340万円)ほどの収入を得る。像の製作数は増え続けており、これまでに約50体分の合計1億7000万円相当という意外な収入になっていることが判明した。

反米活動を続けてきた製作者

 韓国では反米、反日、親北朝鮮の傾向が強いとされる「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が主体となって、ソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前に慰安婦像を建ててきた。


 この行為は公道に建造物を設置するという点で韓国の法律に違反するだけでなく、外交公館の威厳や機能を保証するウィーン条約にも違反する。さらに挺対協などは「日本軍が組織的に朝鮮女性を強制連行した」という虚構の主張も続けている。


 これらの慰安婦像は2014年ごろに韓国の彫刻家キム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻により製作された。


 キム夫妻は長年、反米活動を続け、親北団体の「民族美術家協会」などに加わり、北朝鮮を訪問した経歴もある。夫妻は、未成年の女性までもが強制的に慰安婦にさせられたという前提で、十代の少女をブロンズ像にした。韓国では「平和の少女像」などとも呼ばれたが、実態はあくまで慰安婦の像であることは当初から明確にされていた。

(つづく)

トランプ新大統領は金正恩政権を崩壊させるのか?

ミサイル開発をめぐって早くも火花、強硬な政策で北朝鮮と対決へ

2017.1.4(水) 古森 義久
「ICBM発射実験の最終段階」金正恩氏が新年の演説で

韓国ソウルの駅で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の「新年の辞」に関するニュースを観る男性(2017年1月1日撮影)。(c)AFP/JUNG Yeon-Je〔AFPBB News


 米国のドナルド・トランプ新大統領が、金正恩政権の崩壊を念頭に置きながら北朝鮮に対して強硬な政策を打ち出す展望が明らかになってきた。

 トランプ氏は1月2日、ツイッターで「北朝鮮は、アメリカに到達する核兵器の開発の最終段階にあると言うが、そんなことは起きない」とコメントした。


 その前日の1日に、北朝鮮の金正恩労働党委員長が演説し、北朝鮮が核強国になったと主張した。金正恩委員長は演説で、米国本土まで届く「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の準備が最終段階に入った」とも述べていた。トランプ氏のツイートはそれを受けての反応だった。


 トランプ氏はこの2日のツイートで中国の対北朝鮮政策も激しく非難した。「中国は一方的な貿易で米国から巨額の金と富を吸い上げているが、北朝鮮をめぐっては米国に協力していない」という。

北朝鮮を封じ込めるために「中国にも圧力」

 トランプ氏の北朝鮮に対する発言をさかのぼると、金正恩政権の核兵器や長距離ミサイルなどの開発を正面から批判し、開発を阻止するために金政権を崩壊させるシナリオさえも検討するという強硬な姿勢が浮かび上がる。(つづく)

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